小屋番日記 2001年3月

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2001/03/01 am10:00 今日から正式スタートです。よろしくお願いします。

 昨日の富山県地方は「春一番」が吹き荒れました。

 さあ、今日からは3月ですね。県内の高校では卒業式が行なわれている所もあるようです。

 さてそんな春に合わせて、朝日小屋のホームページがスタートしました。なんだかうれしいけど…ちょっぴりドキドキしています。

 今朝掲示板には、1番乗りと2番乗りのお二人から書き込みがありました。ふ・ふ・ふ…と思わず微笑んでいる私です。1番はもちろん関係者のYAMAさんから…。でも2番は、いつもお世話になっている町内の郵便局のTさんからでした。ホームページを見てくださったんだ、有り難うございます!今日早速名刺を持ってご挨拶に行って来ようっと…。

 実は先日もインターネットで「朝日小屋」を検索していたら、神奈川県のOさんのホームページになんと、朝日小屋の夕食の写真が「美味しかったです」のコメント付で載っているではありませんか!!これにも感謝・感謝で、Oさんにはお礼のメールを送ってしまい、Oさんからは「頑張れ!、応援します」の心強いメッセージを頂きました。

 こんな風にして、いろいろな出会いが広がっていくんですね。

 そんな出会いを大切にしていきたいと思っている朝日小屋管理人です。

2001/03/02 「静けさの中、咲き誇る花たちとの感動の出会い」

 朝6時頃には雨だったのに後から雪が降り始め、田んぼの畦はまたうっすら雪化粧。

 ホント、寒〜い!皆さんのところは如何ですか?

 さて、HPの立ち上げから丸一日。掲示板も賑やかにして頂いて、本当にうれしい限りです。有り難うございます。

 ところで、先日新しい封筒を注文する為印刷屋さんへ行ったのですが、ちょっとオリジナルな「キャッチコピー」の様なものを刷り込んでみたくなっていろいろ考えてみました。…で決めたのが、トップページの「静けさの中、咲き誇る花たちとの感動の出会い」なのですが、どんなもんでしょう??ホンの半日悩んだだけなので、最高の出来、という訳ではありませんが、朝日岳のいいところを表しているかなあ…と自画自賛。

 ちなみに印刷屋さんには、「山ってみんな静かなんじゃないの?」と聞かれましたが、超有名な「白馬岳」から三国境を一歩越えると、本当に静けさが戻ってくるし、どこを歩いていてもまさに「高山植物の宝庫」ですから、ちょっぴり自慢したくなるのはやはり「静けさ」と「お花」だと思っています。

 …まだまだ遠いけど、山へ行ける夏本番が待遠しいですね。

2001/03/05 新聞に大きく載っちゃいました!

 昨日からの全国的な荒れ模様の中、県内はまたまた冬に逆戻り…そろそろ「ふきのとう」でも芽を出しそうな気配はまたどこかへ飛んで行ってしまいましたね。トホホ…。

 さてさて3月3日の地方紙K紙に、先日インタビューされた記事が載りました。ところがこれがナント社会面トップの扱い!!もう、朝刊を広げてビックリしました。

 「北ア・朝日小屋に女性管理人」の大見出しの下、「"お父さんの山"私が引き継ぐ」こんな文字が踊っていました。なんだか恥ずかしいと同時に身の引き締まる思いがしました。女性の管理人が珍しいのもありますが、前管理人の父が28年間頑張ってきたこともあって、あんな大きな記事になったのだと思います。

 HPをスタートさせたことも取り上げられていたのですが、悲しいかな、URLが載っていなかったの…。(女性のS記者さん、忘れちゃったみたい)

 …今の私の宿題は、夏山シーズンが始まったらHPに最新の画像をUPすべく、デジカメを上手く操作できるようになること。だって、いろいろな方から「お花の写真楽しみにしているよ」とか「スタッフが揃ったら、お顔拝見!」とか期待されているのです。

 新聞にも、「最新の朝日岳を掲載する」と書かれたので、頑張りたいと思います。

 4日の日曜日は、朝日町の観光キャンペーンで白馬みねかたスキー場へ行って来ましたので、その模様は次回にお知らせすることにします。

2001/03/07 4日(日)白馬みねかたスキー場へ

 今日も雨時々雪がちらちらの空模様…今週いっぱいは雪マークが消えない、まだまだ灰色の富山県地方のお天気です。

 さてこのオフシーズン、管理人さんは何をしているの?とよく聞かれますが、新米管理人の私はなんだかドタバタ、モタモタしています。新しい名刺や封筒を作ったり、そろそろ舞い込んでくる予約の申し込みに応対したり…。今は、今週末に「朝日小屋のおやじ・下澤三郎を偲ぶ会」が開かれますので、その準備に追われています。

 そんな中、4日(日)に朝日町観光協会が実施した県外出向宣伝キャンペーンで、白馬みねかたスキー場へ行って来ました。スキーマラソン大会参加者の皆さんに、朝日町名物の「タラ汁」を振る舞いPRする為です。雪模様のあいにくのお天気の中、大勢の参加者の皆さんが元気に7Kのコースを完走され、凍えそうな身体をあつ〜いタラ汁で温められました。

 その後、山荘経営の白馬館社長さんのご厚意で、いちごの水耕プラントシステムを見学しました。白馬の山々をバックに大きなハウスの中でイチゴがたわわに実っている様はとても見事でしたし、味も抜群!さっきまでの冷えた身体がどこかへ飛んでいくようでした。最後にJR白馬の駅前でパンフレットとチューリップの切花などを配り、朝日町へどうぞおいで下さいと呼びかけました。

 こんな事も、観光協会員の朝日小屋管理人をしてはお手伝いしています。

 …小屋開けまであと3ヶ月程。新米管理人のドタバタはまだ始まったばかりです。

2001/03/13 「朝日小屋のおやじ・下澤三郎を偲ぶ会」

 すぐ溶けていく春の雪だと思っていたら、ここ数日吹き荒れた吹雪で…結構積もりました。

 数日ご無沙汰していた「管理人の日記」。実は、10日(土)に元のアルバイトが発起人となって「朝日小屋のおやじ・下澤三郎を偲ぶ会」を開いてくれたので、ドタバタとその準備やら後始末に追われていました。

 朝日岳の麓の温泉に、120名もの方々が地元はもちろん日本全国から駆けつけてくださいました。一次会から二次会へと、夜通しおしゃべりに花が咲きました。

 何しろ前管理人は28年間もの間務めさせていただいたので、その間にたくさんの登山者の皆さんとの交流がありましたし、初代のアルバイトのその子どもがまたアルバイトにやってくるという具合で、下澤三郎を取り巻く輪が大きく広がっていました。遠くは北九州からの女性3人組の方もいらっしゃいました。

 大蓮華山保勝会の会長始め会員の方、一緒に山に登った仲間、常連のお客様、朝日岳に通ってくださるカメラマンやガイドの方、新旧のアルバイト…など等。まあ、それは賑やかな会でした。

 人生に始りがあって終りがあるとは解っていても、別れは本当につらく悲しかったのですが、お陰様で下澤三郎が繋いでくれた朝日岳を想うたくさんの人の輪は、大らかでゆったりとしたその山容のように、きっとこれからも大きく広がっていくことと思います。

 そして、保勝会の会長が励ましてくださったように、「偲ぶ会」を新管理人・清水ゆかりの出発点として頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

2001/03/16 朝日小屋のお土産は?

 めまぐるしく変わる春のお天気、今日はまたまた暖かい陽射しがとても嬉しい朝です。。

 さて、昨日は業者さんと朝日小屋のバッチ製作の打ち合せ。山開きまで後ちょうど3ヶ月になりましたから、いろいろ準備が始りました。(余談…立山の山小屋さんでは後1ヶ月で山に入るのでかなり忙しいようです。立山M山荘へ嫁いでいる妹の話です。)

 業者さんの話によると、今は山小屋のお土産も、下界の誰かへというよりも登頂の記念に自分のために購入するという方が殆どで、やはりその山小屋のオリジナルが一番人気だそうです。バッチも一時期敬遠された時もありましたが、今はまた人気復活。後はバンダナやTシャツ…各山小屋さんでいろいろ考えていらっしゃいます。絵葉書はお土産の定番ですが、「バラ売り」の奮闘に比べて「セット組」の物はかなり苦戦しているようで、これも世の中の活字離れのせい?と考えられるようです。

 ちなみに、朝日小屋のバッチも今年はちょうど在庫が切れたこともあって、新しい物を作ることになりました。朝日岳そのものは山容もそれ程特徴的でないので、全国の山小屋でも珍しいという赤い三角屋根の小屋と、やはり高山植物をアレンジしてみようと、今デザインを考案中です。バンダナも使い勝手があり、しかも手軽でステキなので置きたいなあとは思うのですが、一度には無理なので来年以降になりそうです。

 …春がもうすぐそこまで来ているようです。今年はぜひ朝日岳へいらっしゃいませんか。いろいろ準備してお待ちしています。

2001/03/19 春を見つけました!

 春の使者「ふきのとう」を見つけました!!

 つい先週には春の嵐が吹き荒れて結構積もった雪も、ぽかぽか陽気であっという間に土が見えてきて、ふきのとうがそこここに顔を見せ始めました。ふきのとうを見つけると春だなあと実感します。田舎ではちっとも珍しくはないのですが、それでも毎日車で往来するだけの生活をしていると、気をつけて探さないとなかなか見ることは出来ないかもしれませんね。

 ところで、ふきのとうはどうやって食べますか? 天ぷらにして食べるのが一番ポピュラーだと思いますし、美味しいですね。苦味が何ともいえず自然の恵みを感じさせてくれます。

 でも、沢山採れた時には「ふきのとう味噌」を作るのが最高です!少し多めの油を引いたフライパンに、細かく刻んだふきのとうを入れて、砂糖・味醂・味噌などで味付けします。温かい出来立てのご飯にのせて食べると、う〜ん‥‥。ご飯がすすみます。

 昔、高校・大学とアルバイトに通った小谷村のスキー場で、3月末になると宿のおやじさんが雪の中からふきのとうを摘んできて、「おーい、"ちゃんめろ味噌"にしてくれ!」と嬉しそうに台所に入っていらっしゃったのを今でもよく覚えています。

 待ちに待った春です。大きく深呼吸をして春の匂いをたっぷり吸い込んで、また頑張りましょう!

2001/03/21 写真家の森下 恭さんとお会いしました

 デジカメで撮った我家の庭のクロッカスの写真です。夏に向けてデジカメの使い方の練習中なのであしからず…(笑)

 さて写真といえば、朝日岳は高山植物の宝庫ですから沢山の写真家の方がお見えになられますが、昨日はその中のお一人、森下恭さんとお会いしました。宇奈月の友学館で写真展をと考えていらっしゃる森下さんが打合せにおいでになったので、同席させていただきました。

 実は森下さん、いつからだったかご本人も忘れる位随分長い間朝日岳から遠ざかっておられましたが、前管理人の下澤三郎が亡くなった事を伝え聞いて「不義理をしていました」と連絡して来られ、昨年の小屋閉いにひょっこり顔を見せられたんです。また先日の「偲ぶ会」にも出席くださいました。

 活動としては、昨夏に約19年ぶりとなる写真展を東京で開催されたそうですが、その時のテーマが「源流−黒部にて−」。写真展に飾った写真を見せていただきましたが、"水"をモチーフにしていろいろな想いを込めて撮った写真がとてもステキでした。

 写真ももちろん感性の世界ですから人それぞれの見方があるのでしょうが、奥黒部といわれる薬師岳や黒部源流を撮ったそれらの写真は、「いつか行ってみたいな」という憧れを誘う以上に、ふっと自分が今そこで同じ瞬間を過ごしているような雰囲気を抱かせるようなそんな存在感で迫ってきました。

 無口な…というのは私の思い込みで、いろいろ聞くと気さくにおしゃべりしてくださいました(笑)

 朝日岳を撮った写真は次回に見せていただく事になりましたが、「やっと、朝日岳を捉えられる時がきたのかもしれません」とはご本人の弁です。今シーズンからは時々朝日岳周辺で森下さんの姿を見掛けることがあるかも。

2001/03/23 ラジオミュー生出演より…私にとっての「朝日岳の魅力」

 生放送を終えて。ナビゲーターの本村さんとアナウンサーの下澤。

 昨晩はラジオミューの番組「風のたより〜山川野遊びのススメ」に生出演しました。「そこらへんの山への憧れ」‥‥ふるさとの憧れの山の一つとして朝日岳がテーマでした。

 アナウンサーの下澤弥生は、実は私の末妹で、放送開始直前まではなんだかとても気恥ずかしかったのですが、始まってみると結構楽しくおしゃべりさせて頂きました。ナビゲーターの本村さんは、「わんぱく探検隊」で子ども達を朝日岳に連れて来てくださる方です。

 管理人を決意するまでの思いや、山小屋での生活の話、そしてHPの「管理人の日記」も褒めて頂いたりして…。30分があっという間でした。

 最後に「ありきたりの質問だけど」と言いながら、「ゆかりさんにとっての朝日岳の魅力は?」と聞かれました。最近よく聞かれるんですよ。でもとても一言では答えられないです。

 遠くからいらっしゃる登山者の皆さんとは、少し感じ方が違うかもしれませんね。

 小さい時から朝日岳に登っている私達姉妹にとって、朝日岳はその山容そのものにどっしりとそして穏やかに構えてくれて、いつも目の前にありました。そしていろいろな人達と出会える場所として、私にとっては「当たり前の山」として存在し続けました。

 北又から登って5合目あたりのブナの林が近づくと、何とも言えない「深い山の匂い」がします。いつも「また来たんだ…、帰ってきたんだ…」という思いが湧いてきます。

 質問の答えにはなっていないかもしれませんが…、私にとって朝日岳はそんな山です。

2001/03/26 広告に偽りあり…

 つくし…去年アルバイトに来てくれた「陽子ちゃん」の家の前で。

 いつの間にか春真っ盛り。花たちも競って咲き始めました。でも3月に入って結構降ったせいもあって、やはり奥の山はまだまだ深い雪です。

 先日大蓮華山保勝会(朝日小屋の所有団体)の役員会でも、残雪の具合と山開き参加者の安全面を考慮の上で、山開きの日程を決定するという話が出ました。

 それでも春本番、書店に行くと熱心に山岳雑誌に見入る人が見受けられ、朝日小屋でも某山岳雑誌の4月発売号に求人広告を載せるべく、今朝メールで原稿を送ったところです。

 ところで…、「広告」というと私には20数年前の記憶が蘇って来ます。思わず赤面しそうなあの思い出が…。

 確か大学生の頃、某「山と…」という雑誌に広告を載せる事になり、父からその役目を仰せつかった私は、「何か面白くて、印象に残るようなキャッチコピーを考えよう」と張り切りました。在り来たりではなく、今年の夏はぜひ朝日小屋へ行ってみたくなる様なそんな文句がないかなあ…と。

 そして雑誌にそのキャッチコピーが載りました。あっと驚くような内容で…。

 『娘四人は美人ぞろい…』 

 当時確かに管理人の下澤三郎には四人の娘がいた事は事実ですが、長女は大学生、次女は高校生、三女・四女はなんとまだ小学生…。夏山のある日、受付に顔を出した登山者の方に、「美人の娘さん達は、どこに?」と言われて小さくなっていたのは他でもない私で、「ゴメンナサイ!」と謝ったのはもちろんです。

 登山者の安全のため(!?)、山小屋は絶対にウソの広告を載せてはいけませんネ。

2001/03/30 『山を想えば人恋し、人を想えば山恋し』

 春の雪‥‥赤く蕾を膨らませた庭の「ボケ」、白い雪とのコントラストが鮮やか。

 4月を目の前にしての春の雪。待ちこがれた暖かさが少し遠ざかってしまいましたが、すぐには届かないから手に入れた時の喜びが大きいのかもしれませんね。

 先日の日記の中で、「私にとっての朝日岳の魅力」について書きましたが、何か言い足りないような気がしてなりません。

 他の山を訪れる機会の少なかった私にとって、やはり「山といえば朝日岳」なのですが、実は昨秋日帰りで剣岳の早月尾根を早月小屋まで往復してきました。

 馬場島からの登り始めは、北又からの恵振の急坂と同じような雰囲気がありましたが、段々と標高を稼いでゴツゴツした岩肌を行くうちに、「何かが違う」という気持ちが起こってきました。朝日岳へのいつもの山道で私が感じるのとは全く違う想い。

 「私の山じゃない…」

 馬場島の登山口に建つ大きな石碑には『試練と憧れ』の文字が刻んであります。岩と雪の殿堂・剣岳はそういう山なのだと思います。では、朝日岳はどんな山なのでしょうか。もしそれを文字にするとしたらきっとこんな言葉が似合うのではないでしょうか。

 『山を想えば人恋し、人を想えば山恋し』

 …大らかな山容と同じく、黙って私達を受け入れてくれる、包み込んでくれる。山の持つ大きさや深さをまた別の意味で感じさせてくれながら、そこで出逢った人達の事もまた忘れさせない。もしかして朝日岳の持つ魅力は、そんなところにあるのかも…。私にとっての朝日岳は、いつもそんな山です。 


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