小屋番日記 2002年7月

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2002/07/07  七夕の夜は…

 サンカヨウ   恵振山・8合目にて  02.6.30

 今日は七夕、1年に一度“織姫と彦星”が出会う日…なんてロマンティックなんでしょう、と言いながらみんなで夕食を食べていました。そして、去年の今頃は何をしていたかという話になりました。
 。。。そうなんですよねぇ、去年の七夕、私はひとりぼっちの小屋で淋しく、でも結構一人の山小屋生活を楽しんで七夕の夜を迎えていました。日記を読み返すと、何だかヤケに人恋しそうな七夕の夜らしい文章も載せていましたネ(ふふふ)。
 今宵の朝日小屋はお客様も5人いらっしゃいますし、哲也・孝太・ゆうちゃん・板さん、そして私と、賑やかに七夕の夜を過ごしています。山開き直前から続いたドタバタも今日は少し落ち着きました。
 今、朝日小屋からは日本海・富山湾に浮かぶ漁り火が、まるで満天の星空の如く輝いて見えています。きら星のように…。
 去年の日記と同じセリフ…
  『七夕の夜、皆さんはどこで星空を眺めていらっしゃいますか??』

2002/07/07  ゴメンなさい!!

 昨日の夕焼け  能登半島まではっきりと

 皆さん、本当にゴメンなさいね…
 今年の山開きの「日記」を、書きそびれてしまいました。
 何しろ、小屋開けしてしばらく大勢のお客様にも慣れることなくいきなりのドタバタ、そして荷物集めの為に私も一緒に下山しなければいけなかったので、山開き当日はいつも以上にドタドタ・バタバタでした。
 その為に、大切な想い出いっぱいの山開き当日の日記が、残念ながら書けませんでした。
 参加者の皆さん、そして報告を待っていて下さった皆さん、ゴメンなさい!! 


 

2002/07/08  “水源地”の点検と確認作業に行って来ました!

 朝日小屋の“水源地”にて  板さん・哲也・孝太

 今日は、掃除など小屋の中の仕事が終わった後、水源地の点検・確認作業に出掛けました。朝日小屋は比較的水が豊富な山小屋で、現在は前朝日岳の雪渓から取水していますが、7月20日前後になると、水源地を移動させる大切な仕事が待っています。今日は事前のチェックにみんなで行って来ました。
 お陰様で、今回の点検では大した不都合も見つからず、取水槽の掃除をしたり壊れた上蓋の確認をしたりするだけで作業は終りました。
 それにしても、豊富な湧き水と沢水、雪融け水などが集まって、そのとびきり冷たい水が地面から浸透して来て、水源地の取水槽に注ぎ込んでいていました。その水量の多さにはびっくりし、また本当に有り難いことだと痛感しました。
 どうか今シーズン中も、この豊かな水源が枯れることなど決してありませんように…つくづく、そう思いました。

2002/07/08  登山道の様子

 “吹き上げのコル”付近から、蓮華温泉方面へ

 水源地の確認作業の後は、みんなで頂上まで行って昼食。その後私と板さんは“吹き上げのコル”まで行って来ました。
 朝日岳頂上直下の雪渓もかなり融けて、ほとんど夏道が出ている状態です。
 しかし、“吹き上げのコル”から蓮華温泉方面へすぐの雪渓がやはり未だかなり残っています。雪渓が結構急斜面になっており、夏道へのトラバースがかなり危険な状態にありますので、ベンガラは上部を高巻ささせてあります。くれぐれも、ルート確認と雪渓上の歩行に注意してください。

2002/07/08  朝日岳山頂にて

 クモマミミナグサ

 とても強い風の吹く朝日岳山頂の、砂礫の間で白く小さい可憐な花を咲かせていました。

2002/07/08  山頂への登山道脇で

 コイワカガミ

 朝日岳山頂への登山道では、いろいろな花が咲き揃っていました。
 キヌガサソウ、シラネアオイ、数種類のスミレ、ハクサンイチゲ、ハクサンチドリ、ミヤマキンポウゲ、シナノキンバイ…

2002/07/09  ひっきりなしに電話の応対

 “水平道”は安全が確認されるまで「通行止め」です!

 朝日小屋は、今日もお客様はゼロ。。。台風が近付いていますし、平日なので仕方ないですネ…それでも、哲也・孝太・ゆうちゃんと4人で何をしていても忙しく一日が過ぎて行きます。
 しかし、とにかくご予約のお電話、そして花の様子や登山道の様子などのお問い合わせがひっきりなし…『小屋番は“電話番”!?』と日記に書いた昨年のシーズン中を思い出しました。
 今日は、引き続き小屋の中の整理整頓をし、13日からボチボチ本格的に始まるであろうシーズン最盛期に備えました。ヘリコプターの荷揚げの後にいろいろ押し込んでいた管理人室も、どうやらやっと落ち着きました。ホオ〜ッ…
 明日は、お天気次第で登山道の整備に出掛けようと話していますが、どうやら台風の影響でかなりお天気は悪そうですね。
 今小屋の周りでは、チングルマやハクサンコザクラ、コバイケイソウ、ミヤマキンポウゲなどが花盛り、そしてニッコウキスゲも咲き出しました。昨日行って来た朝日岳の山頂から“吹き上げのコル”にかけての登山道脇では、ミヤマムラサキの小さな薄紫色の花があたり一面に咲いていました。
 下界では毎日30度以上の暑い毎日が続いているそうですが、「雲上の楽園」はやっと“ストーブを抱える毎日”が終わり、花々が一斉に咲き出す初夏の雰囲気を感じ始めています。
 
 

2002/07/09  ゆかりのレイアウトは!?。。。

 昨秋、石川県の皆さんに戴いた手作り“テディベア”

 いろいろゴチャゴチャとし始めた、受付周りの「ゆかりのレイアウト」!?
 これじゃダメだよ、とばかりに今日は若者みんなであっちこっち構ってくれました(笑)。
 テディベアは、首に朝日小屋オリジナルのバンダナを巻いて…

2002/07/09  小屋のすぐそば…

 登山道脇の「チングルマ」

2002/07/10  私は明日再び下山…台風の最中、実妹が助っ人に

 ヘリコプターから見る、剱岳  02.7.10 

 実は、私は明日また下山します。。。12日から、県警山岳警備隊と朝日岳方面遭難対策協議会の救助隊メンバー合同による「夏山事前パトロール」が実施されるのですが、それに私も同行する事になりました。
 今回は、12日に栂池から入山してその日は白馬山荘泊まり、13日に朝日小屋へ帰って来ます。私はそこまでですが、救助隊員でもある哲也は明日私と一緒に下山して、栂海新道まで抜ける行程を最後まで参加する予定です。
 【哲也のケガでは、皆さんにいろいろご心配をおかけしましたが、抜糸も済んで回復も順調です。元気に仕事をしてくれていますから、ご安心ください】
 昨年は秋に、朝日小屋〜蓮華温泉〜白馬大池〜白馬山荘〜朝日小屋のコースを20年振りに縦走しましたが、今のシーズンに白馬岳からの登山道をぜひ自分の足で歩いておきたいと思い、夏山最盛期に入る前のパトロールに同行させていただく事にしました。
 …そんなわけで、明日・明後日においでになるお客様には申し訳ありませんが、私と哲也が留守の間は孝太とゆうちゃんが居ますし、また私の実妹の弥生(彼女も昔の“朝日小屋看板娘”)が助っ人として今日入山して来てくれましたので、よろしくお願いいたします。
 今日は台風の影響で、またまたお客様はありません。しかし、台風一過の金曜日にはご予約もありますし、お天気が良ければ、13日の土曜日はシーズン最初の賑わいがありそうです。
 今日の北又からのルートは、土砂降りの雨の為に登山道がまるで川のようになっていて、妹はまるで「川を遡上するサケのように(笑)」なりながら、入山して来てくれました。
 全国的に台風の被害も出ているようですが、朝日小屋関係者が一番気になっているのはなんといっても「白高地沢の橋」。。。事前パトロールがある為、橋の確認作業にはすぐには行けませんが、12日(金)には知り合いの方が蓮華温泉から登っていらっしゃる事になっていますので、12日夜にはその状況がはっきりすると思います。流されていなければ良いのですが…やっぱり心配です。

2002/07/10  オリジナルのお土産をぜひ…

 売店横のレイアウト

 朝日小屋にいらっしゃったら、ぜひオリジナルのお土産をどうぞ!!
 今年はバンダナの種類も43色に増えました。
 また、ダクロン製のTシャツもなかなか好評です。

2002/07/15  夏山事前パトロールに、白馬岳へ

 白馬大池と、後方に大きく朝日岳   02.7.12

 しばらくの間日記を書かなくて、またまた皆さんにご迷惑をお掛けしました。
 7月11日に哲也共々下山し、翌12日からの夏山事前パトロールに参加、栂池から入山して白馬岳・雪倉岳を経由して13日に朝日小屋に戻って来ました。13日は、シーズン初めとしては珍しく朝日小屋も結構賑わいましたので、なかなか日記が書けませんでした。
 
 今回は、夏山最盛期を前にしての県警山岳警備隊と朝日岳方面の救助隊メンバーによる合同パトロールで、白馬岳から朝日岳と栂海新道のルートの確保や点検と安全確認が目的でした。  
 12日は好天に恵まれ、栂池から白馬大池、小蓮華岳、三国境を通り夕方には無事白馬山荘に到着することが出来ました。下山した翌日すぐの山行でしたし、少し欲張って私にしては重い荷物を担いだので少々きつかったのですが、他のメンバーの皆さんに助けられながら初日を歩くことが出来ました。白馬大池からの稜線歩きでは、雪倉岳や朝日岳の雄大な姿に大いに勇気付けられました。
 2日目は強風の吹く中、白馬山荘を出発。途中、鉢ヶ岳の鞍部を巻く登山道上にかかる雪渓をトラバースする数箇所で、ベンガラでのマーキングやステップを付ける作業をしました。また雨が降り出しても隊員の皆さんは、水平道に入ってから倒木の撤去や崩れかけている登山道の補修などをし、登山者の皆さんが安全に朝日小屋まで通行が出来るように作業を続けていました。
 私も「ノロノロ・かたつむり歩き」ながらもメンバーの皆さんと行動を共にして、現時点の登山道の状況を自分の目で確認することができましたので、今後の問合せのお電話にも確実な情報を提供する事ができます。また、重い荷物を背負って朝日小屋を目指しておいでになる登山者の皆さんの気持ちに少しでも近付くことができて、2年目シーズンの初めにとても有意義な山行だったと思います。
 今、白馬岳・雪倉岳・朝日岳周辺は、たくさんのお花が先を競うように咲き始めています。雪倉岳の斜面では20数年振りに「コマクサ」にも出逢うことができ、その可憐な姿には心を動かされました。また「チョウノスケソウ」も自分の目で確認することができました。昨年のシーズン初めにお騒がせしたのですが(笑…01.12.20の日記“今だから話せる…”に詳細)、やっと花の咲いているホンモノに出逢えました。
 雪倉岳の斜面ではタカネバラ・ウスユキソウ・ニッコウキスゲ・ハクサンフウロが咲き出し、シナノキンバイやミヤマキンポウゲの黄色とハクサンイチゲの白色が見事なコントラストを描いていました。
 また、水平道は所々未だ残雪がありますが、ゴゼンタチバナやマイヅルソウが可愛い花を咲かせていました。これからの夏山シーズン、今年も朝日岳は、咲き乱れるたくさんの花たちが皆さんを楽しませてくれることと思います。
 土砂降りの雨の中、一生懸命作業をしてくださった県警山岳警備隊の古崎分隊長と谷口隊員、そして朝日岳方面遭対協の谷口隊長以下隊員の皆さんのご苦労に改めて感謝するとともに、何よりも今シーズンの登山者の皆さんの安全と無事故を願ってやみません。
 

2002/07/15  雪渓での作業の様子    鉢ヶ岳にて

県警の古崎分隊長と谷口隊員、哲也たち
雪渓を歩き易いように、カッティング

2002/07/15  コマクサ       雪倉岳にて

“高山植物の女王”と絶賛されるほど、その姿は美しい

2002/07/15  水平道の開通は、今週中を予定

 水平道で作業をする、清水隊員・水口隊員

 水平道は、台風が通過した後安全を確認し、今週中には通れるようにしたいと思っています。詳しくは、朝日小屋へお問い合わせください。

2002/07/15  チョウノスケソウ

哲也共々、初めてその姿を確認

2002/07/16  哲也、北又から上山

朝日平のシナノキンバイと、朝日小屋

 「夏山事前パトロール」に同行して、昨日栂海新道を親不知まで抜けた哲也は、今日の夕方無事に朝日小屋に帰って来ました。
 小屋開けしてからも、白高地沢へ行ったり北又を往復したり、白馬岳から栂海新道へ抜けたり…と、登ったり降りたり本当に忙しい哲也でしたが、20日の本格的繁忙期を前にこれからいよいよ忙しくなります。
 先日、パトロール隊のメンバーが「水平道」の整備を行なってくださいましたが、台風6号・7号のもたらした雨の影響もあって、今年はいつになく登山道の状況が気に掛かります。先日、県警山岳警備隊(黒部署配属)の横山分隊長の話でも、やはり他の山域でも浮石が目立ったり、登山道の崩壊があるということでした。
 私自身も「水平道」を歩きましたが、その時にはかなり地盤が緩んでいて崩壊箇所もありましたので、明日は哲也と孝太と茜ちゃんの3人が「水平道」から頂上周りで登山道の状況を再確認に行きます。
 登山道の草刈りも、本格的に始めます。哲也のケガがあったり、またお天気もずっと悪くて、なかなか思うようにはかどりませんでしたが、いよいよシーズン繁忙期に突入しますので、明日からまたみんなで“エンジン全開”です。
 小屋の裏手では、クルマユリが満開です。コバイケイソウとニッコウキスゲも花盛り。早く梅雨明けして暑い夏がやって来ることを待ち望んでいます。
 

2002/07/16  白高地沢の橋

 事前パトのメンバーと   栂池ヒュッテ前  02.7.12 

白高地沢の橋に関しては、14日に朝日小屋においでになったお客様から無事を確認しましたが、昨日今日の雨の影響が心配です。
 19日以降、確認に行く予定ですが、18日に上っていらっしゃるお客様からも情報を戴きたいと思います。

2002/07/16  タカネバラ

 雪倉岳の斜面で

2002/07/17  『水平道』が、通行できるようになりました!!

「水平道」と「頂上廻り」の雪倉側・分岐点付近で、作業をする哲也
                       photo by kouta

 早朝はかなり雨が降っていて、今日予定している作業が出来るかどうか心配しましたが、8時を過ぎた頃から少しづつ青空も広がり、哲也たちが出掛ける準備を始めました。
 現在前朝日岳の雪渓から行なっている取水を、近々に山頂への途中にある「水源地」からの取水に切り替える為の準備と、「水平道」の状況を点検整備し、危険箇所には鎖などを取り付ける作業をした上で、安全を確認し“通行止め”の看板を外してくる事が、今日の仕事でした。
 先日、パトロール隊の皆さんに登山道の整備も行なって頂きましたが、台風による影響も思ったほどではなく、「水平道」は無事開通させることが出来ました。
 以上、ご報告致します。

2002/07/17  白高地沢の橋も、大丈夫!!

 これは水平道で補修作業を行う、朝日岳方面救助隊の谷口隊長

 今日、蓮華温泉から男性単独のお客様がいらっしゃいました。その方のお話では、白高地沢の橋はちゃんと無事に架かっていたそうです。本当に安心しました。
 先日来の大雨でも大丈夫だったのですから、きっとこのシーズン中を通して流される事はないだろうと確信しているのですが…。

2002/07/17  ヘッドランプの灯かりの下で…

 タカネナデシコ   雪倉岳   02.7.13

 今日は、消灯してからヘッドランプの灯かりを頼りにお風呂に入りました…いつかのように、その様子をデジカメで、などとは考えていませんからご安心を(笑)!
 朝日小屋には小さな家庭風呂があって、いつもは仕事の合間を見て日中にみんなが順番に入るのですが、最近入りそびれてしまいがちな私(と言っても、もちろん入っています!)。
 今日も、とにかく…電話が掛かる…受話器を置いて5分か10分するとまたベルが。。。やはりお問い合わせが多いので、私自身で応対したいと思うと、なかなかお風呂にも入るチャンスを逃してしまって(笑)。
 お天気が良くなれば、カメラを持って少しゆっくり外へ出たいと思ってみても、どうも思うようになりません。
 でも、夜遅く消灯した後で、電話も鳴らない静かなお風呂もかなりゆっくりしました。ほっ…

2002/07/18  今日は、水タンクの掃除

 冷たい水がドンドン入ってくる中、一生懸命タンク内部を掃除をするゆうちゃん

 久し振りに気持ちの良い朝を迎えて、“今日は、タンクの中を掃除するゾ!”と若者たちは張り切っていました。でもその冷たさを良く知っている哲也は、いつになく少々尻込み!?…面白がってタンクに入りたがったのは、孝太とゆうちゃん、そしてあかねちゃん。
 下界で、暑い毎日にグロッキー気味の皆さんには申し訳ないのですが、未だフリースベストを着ている私達には、雪融けの冷たい水の入ったタンクの掃除はかなり大変です。それでも、いよいよ昨日水源地を切り替えましたので、水はとてもきれいで水量もかなり豊富。一旦抜いた全てのタンクの水は、あっという間に再び満杯になり、勢い良くオーバーフローするほどでした。
 仕事が終った後は、みんなで早めの昼食をもちろん外で…。登山者の皆さんがするように、わざわざガスのコンロでお湯を沸かしてラーメンを作り、ゆかり特製・ちょこちょこっと作った“シャケと青じそのお寿司”を青空の下で「おいしいねぇ!(哲也は、うんめぇ!と言った)」と食べました。
 そこでこんな話が出ました。
 『俺たち、みんなで一生懸命仕事してそして時間を作って、こんなステキな場所でゆっくりするのが楽しみなんだよなぁ…』
 山小屋の夏山シーズンは、未だ始まったばかり。朝早くから夜遅くまで、大勢のお客様をお迎えしての忙しさを乗り切るのは、何と言っても「チームワーク」!!今年も哲也を中心にみんなで頑張りたいと思っています。

2002/07/18  要注意!!…蓮華温泉方面の『木道』

 ニッコウキスゲ     photo by kouta

 蓮華温泉方面の木道が、滑りやすくて本当に危険です。
 昨シーズンも転んで指を骨折された女性の方がいらっしゃったのですが、実は昨日蓮華温泉からおいでになったお客様も、蓮華温泉を出発してわずか40分ほど、「兵馬の平」付近で転倒し、手首がパンパンに腫れた状態で朝日小屋に到着されました。(多分、骨折しているのではないかと思われる)
 「転びそうで危ないから、気を付けて!」と同行者に声を掛けていた矢先に、自分が転倒したそうです。気を付けていても転ぶ、本当にそんな風です。
 昨秋に私も蓮華温泉までの道を通りましたが、注意をしていても転んでしまう、それ位「木道が苔むしている」状態です。
 蓮華温泉から入山した場合、未だ体力も脚力も注意力も充分ある状態でも転倒することがあるわけですから、朝日小屋から下山した場合には、もうかなり消耗した状態で滑りやすい木道を歩くのはかなり危険ですので、より一層の注意をお願いしたいと思います。

2002/07/19  梅雨明けは。。。

ミネウスユキソウ    雪倉岳   02.7.13

 はっきりしないお天気が続いています。下界では蒸し暑い毎日だとか、それも本当に大変でしょうが、山の上は曇り空や時々の雨や強風で、山小屋としてはナントも辛い毎日!?(笑)。
 昨年の「海の日」は、好天に誘われてシーズン最高のお客様に恵まれましたが、今年は皆さん梅雨明けを待ち望んでいるもののなかなかはっきりしない梅雨空が続いているので、「お天気が悪いので取り止めました」というキャンセルも何件か入って来ました。
 今小屋の周りでは、ニッコウキスゲとコバイケイソウが満開ですが、「コバイケイソウの花がたくさん咲く年は、余りお天気がよろしくない!?」と誰かから聞いた事も。。。そんな話も、できれば朝日小屋パワーで吹き飛ばしたいものです。
 早く「梅雨明け」してほしい〜〜!!

2002/07/21  やっぱり、20日は忙しかった!!

チシマギキョウ   雪倉岳   02.7.13

 今、少しの合間をみてこの日記を書いていますが、正直かなり「目がショボショボ」状態です(笑)。これは私だけでなく、哲也をはじめアルバイトのみんなももちろん全員。
 昨日の朝日小屋は、夏山最盛期にはよくあるように、アルバイト部屋も全部明け渡さなければいけないような混雑ぶりでした。受付に座ってお客様の応対をしていると、トイレに立つ事もままならず、とにかく難なく大勢のお客様の部屋割りとお食事が滞りなく済むのを祈るように一生懸命に、ひたすら仕事をするのみ。それは、全員の気持ちです。
 我が4人の娘たちも総動員され(実は昨シーズンにも一度も実現しなかったシーンでした)、また由起子さんをはじめ去年のアルバイトのてらちゃんやさやか、Gパトのじっきー…みんなお手伝いに登って来てくれました。お陰様で、てんやわんやの厨房も片付き朝日小屋の長い一日も無事終わりかけた夜9時。。。
 「お母さん、お客さんだヨ!」。。。受付にいた四女の結の言葉に「えーっっ!?」
 蓮華温泉を早朝5時に出発したものの、60代男性3人のうち足の具合の悪くなった1人をかばいながら歩いて来たグループ。「吹き上げのコル」で別れ、リーダーが具合の悪い人に付き添い、残る1人が先に小屋まで連絡にきたという訳でした。
 ちょうど県警山岳警備隊の谷口隊員他、朝日岳方面救助隊の谷口邦夫隊長と水口隊員も小屋にいらっしゃいましたので、朝日小屋常駐の哲也を含めて4人が夜の道を朝日岳山頂付近まで出動する事になりました。
 幸いお客様にケガはなく自力歩行は可能でしたので、警備隊と合流した後も何とか小屋まで歩いておいでになりましたが、朝日小屋に到着したのは午後10時半。ナント、蓮華温泉を出発して歩き始めてから【17時間半】かかっています。
 その他にも、蓮華温泉からご到着のお客様がまたまた木道で転倒して右手が腫れているとの事で、「にわか看護婦」(笑)の私は、主治医のY先生に電話で指導を受けながらシーネ(副木)の装着や応対に追われ、そして立続けに遅くお着きのお客様の一件。。。
 管理人室はケガ人に休んでいただいたので、私もアルバイトのみんなも行き場所がなくなり、それぞれ食堂や受付、空いている所を探してわずかな睡眠を取りました。そして朝は3時起き(ご飯炊き組みはもっと早かった)。。。
 これが仕事…そうです、これが山小屋の仕事。
 未だ始まったばかりのシースン、笑顔を忘れることなく、睡眠不足と戦いながら頑張ります!!
 。。。でも、せめて1時間、ゆっくりお昼寝がしたいなぁ。
 

2002/07/22  事故が続いて…今日もドタバタした朝日小屋

山頂までの登山道で

 今年の朝日小屋は、繁忙期突入と同時に「事故」が連続しています。そのいずれもが「蓮華温泉方面の木道」に関係していますが、今日はついに今シーズン初めてヘリコプターで救助しなければならないケースが発生してしまいました。
 今日はさやか・じっきー・そして娘の沙知代が一旦下山するので、みんなで一服のお茶の時間に「人間ピラミッド」を作ったり、スイカ割りをしたりして久し振りに楽しいひとときを過ごしました。
 午前11時ごろ、「そろそろお昼ご飯の用意でも」と思っていた矢先に、電話がかかって来ました。…『事故が発生しました!』
 朝日岳山頂直下の“吹き上げのコル”から蓮華温泉側へ、五輪の尾根を少し下った木道で、昨日朝日平でテント泊された女性の登山者の方が転倒し、足を骨折し救助を要請しているという内容でした。
 通りがかりの登山者が負傷者を発見し、携帯電話の通じる地点まで移動して第一報を朝日小屋に入れてくださったのです。その通報を受けてすぐ県警の古崎分隊長に連絡して指示を仰ぎ、哲也・孝太・慎ちゃんの3人が現場に急ぎ、またその状況から県警ヘリ“つるぎ”が現場に出動する事になりました。
 哲也たちは、走る走る。。。「あんた達がケガしないで!!」という背後からの私の声も聞こえないくらいに山頂までの登山道を急ぐ姿が見えました。
 そして、哲也たちが現場に到着してとりあえずの応急処置を施して間もなく、県警ヘリも到着し無事ケガ人をピックアップし病院に収容しました。後から聞いた報告によると、ケガ人は52歳・女性、下腿骨骨折(2ヶ所)の重傷だったそうです。
 お昼前に出動した哲也たちが小屋に戻ったのは午後2時、それからお昼ご飯を食べさせて少し休んでもらいましたが、残ったメンバーもそれをカバーするのに一生懸命。私はといえば、やっぱりお昼を食べ損ねそうになり次々に到着されるお客様の応対をしながらお行儀の悪い“立ち食い”。。。
 
 哲也・孝太・慎ちゃんはもちろんの事、朝日小屋全体が「全力疾走」の毎日です。。。
 実は、18日(1件)、20日(2件)、そして今日と、連続して『蓮華温泉方面の木道での事故』が発生しています。そして、連日遅くご到着のお客様。。。20日は午後10時半、昨日も今日も一番最後のお客様は夜の7時を過ぎていました。それから夕食を温め直して、お弁当の追加を作って…。もう眠り始めていらっしゃるお客様もいらっしゃる時間なのに、到着された方の部屋を確保するのにまたまた右往左往する私。
 「遅い出発を平気だと考えているパーティー」
 「お花があまりにきれいで写真を撮り過ぎて、の言い訳」
 「元々の無理な計画(特にコース選びと、所要時間に対する甘さ)」
 「自分の体力・脚力などに対する過信…10年前はもっと早く着いたはずなのに、のひと言」
 「馴れ合い所帯・下界でのお友達感覚での判断の甘さ」
 「的確な指示と判断が出来るリーダーの不在」
 。。。いろいろ理由はあるでしょうが、小屋の受付に座っていると、それぞれのパーティーの方々から様々な姿が手に取るように見えてきます。
 
 いろいろ続いて、少々“ボヤキ”に聞こえるかもしれませんが(苦笑…)、山小屋管理人からの実態報告と警告と思って参考にしていただければと思います。
 

2002/07/24  久し振りに、茜色に染まる空

見事な雲海の中に沈む夕陽  

 去年は、あれほど毎日のように「夕焼け」の写真をUPして、NYAMAさんに「ゆかりちゃん、夕焼けを載せすぎ!」と注意されたのですが(笑)、今年はこれまでお天気がはっきりせず、夕焼けにもなかなかお目にかかれませんでした。
 富山県地方は、23日やっと梅雨明けし、これから本格的な夏がやって来ます。
 茜色に染まる空を見ると、何故かとても心が和んで落ち着きます。「明日も、ガンバロウッと!」…そんな気持ちになれるから不思議です。
 なかなか見られなかった「茜色」の空。アルバイトのあかねちゃんに「あなたの名前の由来となった色だよ」と言ったら、「山の上で見る茜色は本当に素敵、今までこんな夕焼けは見たことがない!」と、感動のあまり目を潤ませていました。
 今シーズン最高の人手になると予想される、今週末の27日が近付いて来ました。朝日小屋でも、すでに定員をはるかに超える予約が入っています。どうやら皆さん、お天気を気にしながら日程を調整されていたようですし、また去年の「海の日」が大混雑したのでそれを避けて計画を1週間延ばしたことが、結果的に昨年の海の日と同じように「27日集中」となったようです。頑張らなくっちゃ!!
 久し振りに見た茜色の夕焼け…また、元気をもらいました。

2002/07/26  キャー!!。。。(悲鳴)

朝陽に輝く雪倉岳、白馬岳、旭岳   02.7.25

 キャー!!。。。これは朝日小屋のみんなの悲鳴です。
 シーズンが始まってから、事故が多発しているとつい何日か前に書きましたが、今日もヘリコプターが出動する事故がありました。
 夕食の準備を始めた直後の午後2時過ぎ。今日宿泊の予約をしていらっしゃった団体のメンバーから、病人の発生と救助の要請を知らせる内容で携帯電話から連絡が入りました。白馬岳から朝日小屋に向かう途中、雪倉岳を越えた「燕岩」付近で、小学6年生の男子が吐き気と頭痛、体調不良を訴えて行動不能になったというものでした。
 週末の警備の為入山中で、夕日が原近くまで来ていた県警山岳警備隊の古崎分隊長にすぐさま無線で連絡を取り、指示を仰ぎながら哲也が出動準備をします。そうしているうちに、富山県の防災ヘリコプターが出動する事になり、哲也もヘリに同乗して現場に向かいましたが、濃いガスの為一旦引き返し、その後朝日小屋に到着した古崎分隊長も乗せた防災ヘリは一瞬のガスの晴れ間をついて男子とその父親をヘリに収容し、病院に搬送することができました。
 症状は比較的軽かったのですが、軽い高山病にかかっていたそうです。
 結局、哲也はヘリに同乗して現場に降り立ち、処理をした後水平道を走って小屋に帰って来ました。私は私で、無線の通信と電話での関係機関との応対に追われ、その為受付は再び今日入山してきたばかりの長女の沙知代に任せる事になり、人手をとられた台所は孝太を中心にみんなが頑張ってくれました。病人が無事に救出され、パーティーの最後の方が到着された夕方まで、そして100人以上のお客様で小屋はまたまたドタバタ。。。
 いよいよ明日は、『どういう事態になるかわからない、7月27日・日曜日』。。。
 朝日小屋で唯一携帯電話の繋がるアルバイト部屋も、明日はお客様の為に明け渡しますし、多分「それどころじゃない」状態…何時になったら眠れるのかわからない、そんな日になりそうなので、27日はまた日記はお休みさせて頂きます。
 今シーズンに入ってすでに6件、何だか日記に事故の話しか書いていないようで、本当に複雑な心境。。。事故がありませんように。。。小屋の管理人からの、本当に切実な願いです。


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