小屋番日記 2003年07月

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2003/07/09  まだまだ、○運!!…無事、小屋へ

青空が広がるうちに、荷揚げ完了!!

 皆さん、本当にいろいろご心配をお掛けしました。今朝の9時過ぎに無事に小屋へ戻り、荷揚げも全て完了することが出来ました。
 5日の荷揚げが延期になった後、町で会う人毎に「えっ、ゆかりちゃん、なんでまだ下界にいるの?荷揚げはどうしたの??」と聞かれ、6日以降は、日中仕事をしている人からも「まだ飛ばないの?」とか「今会社から見ていたら、晴れて来たみたいだけど」とか、沢山の方々から連絡を頂きました。
 今朝も、早朝3時過ぎに起き出しましたが、4時を過ぎても一向に山影は見えず「あぁ、今日もダメか。。。」と思っていたのですが、その後、朝もやが晴れるにつれて朝日岳も白馬岳もはっきりと見えてきました。
 どうやら“山の神様”には見捨てられていなかったようです・笑。
 そして只今の時刻、午前11時半近く。ナント、先ほどからどしゃ降りの雨が降って来て、北又方面は全く見えなくなってしまいました。作業が完了してから、1時間半程しか経っていません。
 
 まだまだ「ゆかりの○運」は、残っていたようです・笑。
 
 本当にご心配をお掛けしました。
 無事に、数トンの荷物が小屋の中や周りに運び込まれました。これからこの荷物の後始末に一生懸命取り掛かります。
 それから、大工さんの章ちゃん(山開きでは、リーダーを務めていらっしゃいました。ハーモニカが得意の、保勝会の役員さんです)が上山して来て下さいました。今年の朝日小屋は玄関先を少し改造します。登山者の皆さんがより使い易いように、改装される予定ですので、お楽しみに。
 何日も、日記をお休みしている間、掲示板などで皆さんが情報交換をしたり、交流を深めてくださっていた事、本当に有り難うございました。
 いよいよ、梅雨が明ければ本格的な夏山シーズン。
 今シーズンも、ますます張り切っている朝日小屋のスタッフ一同、頑張りますのでよろしくお願いします!!

2003/07/09  明日(10日)の日記は、お休みさせて頂きます

 今朝の雪倉岳・白馬岳・旭岳    朝日平から

 小屋に戻って来て、今日の分の日記を書いた直後で申し訳ないのですが、明日(10日)の日記はお休みさせて頂きます。
 実は、管理人になった一昨年のシーズン中からずっと使い続けてきた私の携帯電話、どうやらそろそろバッテリーの消耗が激しくなってきたようです。何しろ、かなり酷使していますから・笑。先日なんか満々に充電してあったのに、夕方になって大事な時に「ピーピー」と合図を送られてしまって・笑。
 そして、山で使うと携帯電話ってすぐ充電しなくちゃいけないんですよネ。それから、ココは自家発電機の電気で充電しているので、そのための支障もいろいろあるようです。
 そんなこんなで…急遽、携帯電話を替えることになりました。今日の午後から、明日のお昼まで使えなくなるそうです。従って、携帯電話に繋いでUPしているこの日記もお休みしなければいけないことになりました。
 11日に私の末妹が新しい携帯電話を“携帯”して入山して来ますので(!?)、それまで日記は書けませんが、あしからず。
 よろしくお願いします。

2003/07/11  “おニュー”の携帯電話から発信します!

小屋玄関の出入り口にサッシの戸が入りました!!    章ちゃん・作

 今日の激しい暴風雨の中、妹の弥生が北又から入山して来て、新しい携帯電話が手元に届きました。
 夕方からイソイソと携帯をいじくり始めたのですが、パソコンの側の「設定」の変更がなかなか上手くいかず、ばんどーさんとも小屋の電話で連絡を取り合ったのですがどうにもなりません。「ちょっとだけ、ヒマができた」というばんどーさんが、急遽明日北又から登って来てくれることになりました。
 ところが…。
 仕事が終わってから、もう一度設定のやり直しにチャレンジしてみたら、ナント上手くいきました。もう、ばんどーさんには連絡できない時間だし。。。
 ばんどーさん、ゴメンなさいね。でも、まだまだ頼みたい仕事はいっぱいあるから、明日は予定通り(上山)お願いします。
 
 というわけで…、今日の日記を書きました。
 今日は、改造された朝日小屋の玄関出入口の写真を載せてみました。小屋の内側・上がり口(階段前)から写したものです。
 今まで朝日小屋にお泊りになられた皆さんや、今年の山開きにいらっしゃった方々はビックリされるかもしれませんネ。とにかく、入口からの雰囲気が今までと全然違いますョ。
 大工さんの章ちゃん、朝から夕方まで張り切って仕事をして下さいます。
 使い勝手も良くなったし、これからもう少し手を加える予定ですから、ご期待下さい!!

2003/07/12  『夏山事前パトロール』

 雪渓にベンガラでマーキング  鉢ヶ岳付近   photo by yama
        左・県警山岳警備隊古崎分隊長  右・同行した孝太   

 11日(金)朝、富山県警山岳警備隊と朝日岳方面遭難対策協議会の救助隊メンバーの皆さんが朝日町役場を出発。
 3泊4日の日程で、栂池自然園から入山〜白馬大池〜白馬岳(泊)〜朝日岳(泊)〜栂海山荘(泊)〜親不知へ下山 のコースを、夏山事前パトロールとして歩きます。
 朝日小屋からも、孝太と山ちゃん(山口クン改め)が10日に小屋から下山して、パトロール隊と同行しています。
 詳しい内容は、まだ警備隊の古崎分隊長や救助隊の谷口邦夫隊長としっかり話をしていませんので、明日のこの日記で報告させて頂きます。
 本当は私も10日下山して、一緒に「栂池〜白馬岳〜朝日小屋」を歩く予定にしていたのですが、ヘリコプターが予定より遅れて9日に上がった関係で、とても小屋を離れられる状況にはなく断念したのです。
 しかし昨日は、かなりの暴風雨で隊の行動もかなり大変だったと思いますので、結果的には、作業をしながら男性でもハードな行程を私が付いて行って足手まといにならなくて良かったと思います。
 
 白馬岳〜朝日岳のコース、そして蓮華温泉〜朝日岳のコースとも、今の時点での登山道の様子は、明日以降、早目にこの日記の中や「朝日岳の最新情報」のコーナーでお知らせ致します。
 また、明日と明後日にかけて、古崎分隊長以下5名の皆さんが栂海新道を歩かれますので、同行する山ちゃんにデジカメで写真を撮ってもらい、またそちらのコースの様子も、山ちゃんが小屋に戻って来る15日以降の日記に載せたいと思います。

2003/07/12  今日は、山ちゃんの“お誕生日”

 由起子さんがボッカしてくれたチーズケーキで

 満面の笑みの山ちゃん、今日は彼のお誕生日です。
 
 去年の小屋閉めの時に茜ちゃんのお誕生会を朝日小屋でやって、とっても盛り上がったのですが、今回も事前パトロールの皆さんやお客様等などが一緒になって彼の記念日をお祝いしました。
 
 由起子さん曰く「私のお誕生日も、小屋の開いている間だったらイイのになぁ。ゆかりちゃん、11月○日まで小屋開けておかない!?」
 
 

2003/07/14  朝日岳周辺の登山道の状況について(現時点)

水平道を点検し、整備作業をする   03.7.13
  手前・朝日岳方面遭対協の藤岡救助隊員  奥・朝日小屋の哲也

 11日(金)〜14日(月)にかけて行なわれた「夏山事前パトロール」の情報を元にした、現時点での朝日岳周辺の登山道の状況についてご報告します。
 
 1.概ね、どのルートに於いても、全体的に残雪は例年より多目である。
  
 2.白馬岳〜雪倉岳〜朝日岳〜蓮華温泉のルートでは、数箇所で、雪の量と共に、雪の残る範囲が広範に及ぶ。
 
 3.雪が“ベッタリ”と付いている箇所がある。特に鉢ヶ岳の巻き道や、朝日岳山頂から蓮華温泉側・吹き上げのコル〜八兵衛平など
 
 4.また、同行した山ちゃんが写してきたデジカメ写真を見ると、昨年の同時期・同ルートで哲也や私が確認した雪の量に比べても、かなり雪は多目ではないか。
 
 しかし県警山岳警備隊と朝日岳方面遭対協の皆さんが、各ルートで、ベンガラやペンキによるマーキングを行なったり、雪渓上で歩き易いように雪をカッティングしたり、また倒木の伐採や登山道補修をしながら、登山道の確保に努めてくださいました。

 この後19日からの3連休前に、小屋でも再度登山道の状況を点検しますし、19日からは夏山パトロールが始まり、上山した隊員による確認作業も予定していますので、登山者の皆さんも情報収集を行なった上で、万全の計画・装備・体調で朝日岳周辺のコースを歩かれるようお願い致します。
 
 ただし、この情報はあくまでも「現時点」でのものです。この後の天候次第で、各ルートの状況は大きく変化しますので、詳細は朝日小屋までお問い合わせください。

2003/07/14  登山道の様子…鉢ヶ岳付近

 鉢ヶ岳の巻き道で    03.7.12 
   トラバースする箇所にはベンガラでしっかりマーキング 
              歩いていらっしゃるのは、当日のお客様      

 昨年の写真と比べても、鉢ヶ岳の巻き道についてはかなり広範囲で雪渓が残っています。 
 ただし、今回の事前パトロールでは、間違って蓮華温泉側に向かって斜面を下降気味に下りて行かないように、ベンガラでのマーキングをずっと行ないましたので、雪渓上に赤く続くベンガラの跡をたどって頂ければ、間違いはないと思います。

2003/07/14  登山道の様子…水平道

 水平道の、雪倉岳側入口付近 「通行禁止」のプレートが下がっている

 水平道については、現時点で『通行止め』としています。
 
 例年もこの時期は同じような状況にあるのですが、朝日岳の横腹を巻くようにして歩く水平道の谷や沢筋には、まだまだ雪が残っています。
 そして、その雪が水平道をふさいでいたり、崩落の危険がある状態で残っていたりするので、安全が確認できるまで通行は禁止され、現時点では白馬岳方面からのお客様には山頂周りの道を通っていただいています。
 数箇所ある危険な箇所については、今回の作業で雪を落としたりもしたのですが、水平道についても昨年より雪が多いので、今の時点で作業をしてもこの後の天候によって雪が融け、また状況が変わって来ますので、最終的には19日に通行出来るようにしたいと考えています。
 通行が可能かどうかの判断は、警備隊と救助隊、そして朝日小屋で行います。
 連休中に水平道を通行される予定のお客様は、直前に朝日小屋へお問い合わせください。
 もし、分岐点に「通行禁止」のプレートが下がっている場合は、必ず山頂周りを利用されるようお願い致します。

2003/07/14  登山道の様子…蓮華温泉方面

朝日岳周辺の事なら、任せてください!!
    県警山岳警備隊の古崎分隊長と谷口隊員
      そして、朝日岳方面遭対協の救助隊メンバー  
           朝日小屋からは、孝太・山ちゃん・哲也

 6月15日に小屋開けしてから、約ひと月。その間、朝日小屋にいらっしゃったお客様は昨シーズンの同じ時期に比べるとかなり少ない状況です。
 それは、梅雨がなかなか明けずに曇りやガスそして雨や風の日が多いといった、天候が不安定な状態がずっと続いている事と無関係ではないように思います。
 下界では「冷夏」の様子もあるようですが、山の上でも日照が少なく気温が低く、その為か、当初予想していたより雪融けの速度がなかなか進まないように思います。
 
 さて、蓮華温泉方面の残雪及び登山道の状況ですが、先程も書いたように、朝日岳山頂から蓮華温泉側にかけては未だかなりの雪が残っています。
 特に、朝日岳山頂直下の雪渓は未だ例年以上の雪の量です。
 そして、千代の吹き上げ(吹き上げのコル)から蓮華温泉方面にかけて八兵衛平までは、かなり急な斜度で雪が付いています。
 
 実は先日来、数組のお客様が蓮華温泉からのルートを登って来ていらっしゃいますが、どのパーティも同じような箇所でかなり苦労しているようです。各パーティとも、蓮華温泉から10〜11時間の行動時間を要しており、雪渓のトラバースに時間が掛かっているということを聞いています。
 昨日は、救助隊の大和隊員が蓮華温泉方面のルート確認に出掛けましたが、その報告からも雪渓のトラバースについては、上り下りともくれぐれも注意が必要だということです。
 それぞれの登山者の皆さんの技量次第とは思いますが、(現時点で)ここ数日のこの方面の行動に関しては、ピッケル(なければストック等)やアイゼンといった装備の携行を考えてみたら良いでしょう。
 夏山シーズンとはいえ、この時期の北陸地方・日本海側の高山の残雪については、くれぐれも慎重な計画と行動で臨まれる事をお願いします。

 なお、蓮華温泉方面の登山道に関しても、明日以降連休前に、様子を見ながら小屋からも確認に出る事にしております。
 また、各パーティー・登山者の皆さんにおかれては、どんな状況にも対処できるように『早立ち、早着き』といった登山の原則を厳守していただくよう、山小屋からもお願いいたします。

2003/07/14  雲上から

 今日の雲海    photo by hiro

 今日の夕方は、ホントに久し振りに何処までもずっと続く雲海が広がり、「ココは、雲上なんだなぁ…」という思いでした。
 下界から見ると、山は厚い雲に覆われ、「ゆかりの居る山の上も、きっとお天気が悪いんだろう」と皆さん思っていらっしゃるようですが、案外上はすっぽり抜けている時もあるんですョ。

 早く梅雨が明けて、まぶしい太陽が待遠しい今日この頃です。

 
 朝日岳周辺の最新情報が、『朝日岳方面遭対協』のホームページにもUPされました。
 リンク集から、どうぞ!

2003/07/15  梅雨の晴れ間に

 雲海の上に 遠く剱岳、そして手前は清水岳の尾根  photo by mari

 昨夜のお泊りは、女性お一人様のみ。かなり山慣れていらっしゃる方にお見受けしましたが、蓮華温泉から「思ったより、時間が掛かりました」と登っておいでになりました。
 そして今朝は、私が“朝当番”でお客様のお食事を用意するために4時起きを。
 「早起きは三文の得」とは、よく言ったものです。
 昨日の夕方は何処までも続く雲海が広がり、夜半には満月の月明かりが白馬連山の山並みを煌煌と照らしていました。
 そして今朝は、綿帽子のような雲海がうっすらピンク色に。
 当番ではなかった真理ちゃんが早々と起き出して来ました。「当番じゃないから、仕事はイイよ。外の散歩にでも行って来たら?」…今日の写真は、デジカメを持って行った彼女が撮って来てくれた朝の写真です。
 寒いくらいの気温でしたが、朝のひんやりとした空気がいつも以上に気持ちの良い朝でした。早く梅雨が明けて欲しいと、願うばかりです。

2003/07/15  アルバイト紹介…ひろクンと真理ちゃん

“お茶タイム”に、小屋の前のベンチで

 左側が、ひろクンです。孝太とは、学校の同級生で友達だということで、去年の8月に2泊3日で遊びに来てくれました。その時に、「来年、気が向いたらアルバイトに来る?」と誘っていたのですが、この春先に連絡があって、7月1日に入山して来てくれました。
 九州熊本生まれ、私の長女と一緒の歳なので、私にしたら息子みたいですね。
 なかなか憎めない可愛いところがあって、人気者です。
 右側は、真理ちゃん。神奈川県出身の20代。大学時代にはワンゲル部に所属していたということで、「自然が大好きで、自然の中でお客様と関っていくことがしたい」と応募して来てくれました。6月28日の山開きに入山して以来、男性軍の中の紅一点(明日まで)で頑張ってくれています。
 とてもチャーミングなお嬢さんです。ひろクンは「真理姉(まりねえ)」と呼んでいて、まるでホントの姉弟みたいョ。

2003/07/16  まさこさんへ…

 ハクサンフウロ    photo by yama

 まさこさん、先日は朝日小屋にご宿泊頂き、本当に有り難うございました。
 多分間違っていなければ、あの暴風雨の最中に白馬岳からのコースを辿られたお二人連れだったのではないでしょうか。
 そして、昨日は掲示板にも書き込みをして戴きました。正直言って、前日の深夜に書き込みの文章を拝見した私はかなり落ち込み、今日は午前中ずっとそのことばかりを考えていました。
 そして、私の応対の仕方の拙さが、まさこさんを不愉快にし、せっかく楽しいはずの山行を台無しにしてしまったことを深く反省しました。
 私の至らなさや細かい配慮の無さで、ご迷惑をお掛けしたことについて、本当に申し訳ありませんでした。
 
 ただ、少し言い訳じみてしまうかもしれませんが、私の不手際は深く反省しつつ、今回のことについてもう少しお話しさせて頂けませんか?
 
 あの日は、蓮華温泉から登って来る予定のグループが1組だけご予約されており、大変な悪天候になったこともあり、「まさか、こんな日に白馬からのお客様はないだろう。ご予約も入っていないし」というのが小屋の予想でした。
 蓮華温泉グループについては、朝日小屋にも何度もお泊りになっているベテランがリーダーでしたのでそう心配はしていませんでしたが、それでも夕方5時になっても到着されないので蓮華温泉に電話を入れて出発時間を確認し、そろそろ着くだろうと話していました。
 当日は朝から雨も風も大変激しく止み間無しに続いていました。この時期の2,000mを越える山岳地帯での悪天候は、ベテランでもたじろいでしまう位ですから、あの日の白馬岳からの遮るもののない稜線歩き、ホワイトアウト状態の中での雪渓のトラバース、雪倉岳山頂付近での突風、そしてロングコースでの体力と気力の消耗は相当だったと察します。
 
 私が当日の受付で、開口一番どんな言葉をまさこ達に投げかけたかは、申し訳ありませんがはっきり覚えてはいません。
 しかし、確か夕方5時半近くに、予想もしていなかったお客様が到着された事で、実際には私自身ビックリすると同時に少々慌ててしまったのかもしれません。
 実は、私は「時間がかかりすぎ」と言った覚えはないんですょ。夏のシーズン中でも、白馬岳〜朝日小屋のコースで、10時間以上かかっていらっしゃるお客様は珍しくはありませんから。
 ただ、お顔を見てすぐ、「到着時間が遅い」というような意味の事を言ったのではないでしょうか。確か「白馬岳を何時に出発されたのですか?」と聞いて、多分(はっきり覚えていないのですが)「それは、出発時間が遅すぎる。もっと早く出なくては」というような事を喋ったのではないかと記憶しています。
 でもまさこさん達にすれば、やっと辿り着いた楽しみにしていた朝日小屋で、開口一番注意をされたということが、疲れた身体と心に相当堪えられたのだと思い、私自身の物言いの拙さ、そして自分自身の未熟さ、管理人としての配慮の足りなさをつくづく思い知らされ、今回は率直に反省させられました。

 でも、まさこさん。『この時期のこのコース、やはりもう少し考えて行動されたほうが良いですよ』というのが、この朝日岳周辺の山域を預かる私からの願いだったという風に受け取っては頂けないでしょうか。
 
 当日は、「夏山事前パトロール」の直前だった為に、雪渓上のマーキングもなく登山道が不案内だったこと、シーズンに入ってからまさこさん達が『白馬岳から2パーティー目』(例年より、少ない)で踏み跡もなく、行き交う登山者も無かったこと、等など、天候以外にもこの梅雨時の山歩きの難しさを痛感させられた場面がありました。
 ご予約がなかったので、事前の登山道や残雪の情報をどこまで正確に知り得ていらっしゃったかも疑問です。
 ピッケルやアイゼンの必要性も、確かにホームページには載せていませんでしたが、小屋としても悪天候が続く中で登山道の確認にも出られない毎日が続いていたのも確かでしたので、情報の発信が後手後手になってしまった点もあります。

 あの日のあの暴風雨の中、10時間も行動されて、体感温度も下がり疲労も極限に達するほどになる場合も考えられます。お二人とも無事に小屋に到着されたから良かったものの、もしどちらかが歩行不能の状態に陥ったとしたら、あるいは道迷いや事故が発生していたら…考えただけでもゾッとします。
 もし夕方から夜にかけてのあの時間帯に、遭難や事故が発覚したとして、それ以降のことは当然この朝日小屋が対処に当たるわけですが、それも早い時間帯であるのと、夜にかけてのことであるのと、状況は全く大きく変わってくるのです。
 高校生の頃から父と一緒に山小屋で生活し、登山者の皆さんの様々な出来事に現場で対応し、いろいろな場面を見て来ている山小屋管理人だからこその苦言だと思って頂くわけにはいかないでしょうか。
 
 確かに、まだ雨具を着けたまま疲れた様子のまさこさんの顔を思い出すと、受付でいきなり「注意」「苦言」を吐いてしまった自分が、今更ながら悔やまれます。
 でも私は、いつまでもブツブツと文句を言っていたわけではないと思っているのですが、如何だったでしょう。
 あの日は、蓮華温泉からのお客様もずぶ濡れになって来られるはずだから、「今晩は、夕食に温かい鍋でもしよう!」とみんなと相談し、魚の入った具沢山の鍋を用意していました。当然、まさこさん達が到着されてからは、厨房に指示してすぐに2人分の鍋の用意を追加しました。
 2階の廊下にもストーブを焚いたり、部屋もお二人だけに入ってもらうなど、小屋としてできるだけのことはしたつもりでした。
 また翌朝は、確か蓮華温泉へ下山されるというお二人に「吹き上げのコルから下は未だかなりの雪渓が残っていて、トラバースも危険だから、もし危ないと判断したら小屋に戻って来て下さい」と送り出したと記憶しています。
 
 今回のことを反省点として、私もまだまだ様々な勉強を重ねて、山小屋管理人として大きく成長していきたいと決意した次第です。

 今更、何をどう言い訳しても取り返しはつかないのかもしれませんが、「もう10年以上行かなくていい」などとおっしゃらないで、今度はぜひ余裕を持った行動をされて、お天気の良い時期に楽しい山行をされることを切に切に願います。
 
 朝日岳は素晴らしい山です。
 そこに建つ朝日小屋は、いつも笑顔で、温かくお客様を迎える山小屋であり続けたいと、そう思っている私です。

2003/07/16  栂海新道の状況…写真1

 写真は13日(日)、「夏山事前パトロール」で古崎分隊長以下5名が栂海新道を下り、雪渓上でマーキングをしているものです。
 場所はアヤメ平付近、作業中の古崎分隊長を真上から撮った写真ですが、かなり斜面が急で雪も未だ多い様子が伺えます。

2003/07/16  栂海新道の状況…写真2

 これは、同じく13日(日)のアヤメ平〜黒岩平間。黒岩平少し手前の様子です。
 パトロール隊によって、ベンガラでのマーキングや雪渓上の危険箇所をカッティングするなどしてありますが、この写真を見られてもお分かりのように、残雪は予想以上で、夏道が全く露出していない部分も多く見られます。
 19日からの3連休で、このコースを通られるパーティーも多いと思いますが、アイゼンやピッケルなど装備の再検討とコースの把握、天候悪化の場合などのエスケープルートの検討等などをお願いします。
 
 くれぐれも今現時点の栂海新道については、「お花が綺麗だって聞いたから、日本海まで抜けてみたいヮ」というような状況にはないということを分かって頂きたいと思います。

2003/07/17  蓮華温泉方面の状況について

 吹き上げのコル〜八兵衛平付近にかけて   03.7.16

 先日の夏山事前パトロールの際にも、大和隊員が蓮華温泉方面のルートの状況把握に向かいましたが、小屋としても連休を前にして再度点検に出掛けました。
 昨日は、山ちゃん・哲也・ひろクンの3人が、ベンガラやトンガ・スコップ・ナタ・テープ等など、いろいろな道具を持って“花園三角点”まで行って来ました。
 
 雪渓は、まだかなりの量で雪が残っています。
 蓮華温泉〜朝日岳間では、特に吹き上げのコル〜八兵衛平間が、雪の量も多く、また現時点ではかなり急な斜めトラバースになっているという状況にあります。
 登山者の皆さんの各々の技術・力量にもよりますが、雪渓を歩くことに不安がある方々については、アイゼンを付けたり、ピッケルやストックでの確保が必要な場合もあるかと思います。

2003/07/17  ステップ…その1

 作業をする山ちゃんと哲也    photo by hiro

2003/07/17  ステップ…その2

 こんな立派な階段が出来ました。
 でも、雨が降ったり好天が続くと、このステップの様子も確実に変わります。最後は、やはり各人の技術です。ピッケルを使うことに不慣れな方は、ストックがあればかなり恐怖心が薄らぐかもしれません。

2003/07/17  「水平道」の通行止めが、解除されました!!

 “通行止め”の看板が撤去された、水平道の分岐点
             右側の標識は、山頂周りを示している

 今日の午後から、県警山岳警備隊の谷口和幸隊員と、山ちゃん、哲也の3人で、水平道の道路状況の確認に出掛けました。
 そして、朝日岳方面遭対協の谷口邦夫救助隊長との協議の結果、安全が確認されましたので、水平道の通行止めを解除しました。
 赤いベンガラでマーキングがされていますが、まだまだ残雪の量が多いので、くれぐれも充分な注意を払って通行をされることをお願いします。

2003/07/17  小屋の周りで

 チングルマ   
   登山道のすぐ脇で、登山者の皆さんを温かく迎えてくれます。

 小屋開けしてから、約ひと月。考えてみたら、小屋の中で仕事をすることが殆どで、まだ“水谷のコル”までさえ足を運んでいないことに気付きました。
 
 夕方ふらっと出てみたら、小屋の周りがとても賑やかです。
 去年はちょうどこの連休辺りがお花の最盛期だったのですが、今年はまだまだ雪が多いので、確かに去年の今頃よりはどの花も開花がいく分遅いのではないかと思われます。
 「お花の見頃はいつですか?」というお問い合わせがありますが、どうやら今年は、8月に入ってもかなり楽しめそうですね。
 
 いえいえ、朝日岳はお花の種類も数も多いので、何時いらっしゃってもいろいろなお花が皆さんを迎えてくれるんですょ。そういえば、今日北又からおいでになった2組のお客様が、その花の素晴らしさにとても感激していらっしゃいました。
 チングルマ、ハクサンコザクラ、コイワカガミ…今、朝日平は花盛りです!!

2003/07/18  ここらで、「区切り」をつけませんか…??

前朝日岳をバックに、ハクサンチドリ

 先日のまさこさんからの掲示板への書き込み、そして私が書いた管理人日記以来、連日掲示板で様々な意見が寄せられています。
 
 皆さん、本当にいろいろ有り難うございました。
 でも、どうでしょう。ここらで、この一件についてはひとまず「区切り」をつけませんか??
 
 まさこさんにしたら、今回のことは忘れられない出来事であるかもしれませんが、決して公の場で何か議論をしてもらいたいと考えて書き込みをされたわけではないと思います。まして、私を「攻撃」しようと思ってのことでもないはずです。
 私にしても、まさこさんから掲示板に書き込みがあって自分自身思うところがあったから、反省やお詫びをした上で、もう少しまさこさんと「お話」がしたかったというだけのことなのです。
 まさこさんから掲示板への書き込みがあって、正直言ってどうしたら良いか、かなり迷いました。いろいろ熟考した末、掲示板の書き込みという“方法”でまさこさんの思いを伺った以上、そのままにしておくべきではないし、きちんと対処することが必要だと判断したわけです。
 しかし私が、そのやり方で良いのか躊躇し、一番恐れていたのは、やはり「まさこさんへの一方的な意見(受け取り方によっては・攻撃)」や「ゆかりの擁護」です。
 
 諸々の意見や議論は、それはそれとして、今後、まさこさんと私、そして各々の皆さんが、また違った形で前向きに検討し実際の場で行動に移していくことで、今回の件については「区切り」をつけさせて頂きたいと思いますが、如何でしょうか??

 どなたかのご意見にもありましたが、「プロはパニックになってはいけない(プロなんだから、たじろいだり、ひるんだりしてはいけない)」と、未熟な管理人は強く強く思い、また今後も今まで以上に前向きに歩いていく決意をしましたので、今後とも宜しくお願いいたします。

2003/07/23  夏空が待遠しい!!

 今年初めて、朝のラジオ体操をしました    03.7.22
 
 梅雨明けがずれ込み、下界では「冷夏」でお米も不作ではないかという予想がなされているとか。
 2,000mを越える北アルプスでは、肌寒い毎日で夜になると未だストーブが離せない生活が続いています。雪渓の雪も、場所によっては例年に比べて未だかなり残っています。とにかく、大雨らしい雨が降り続いているわけでもなく、カーッと照りつける太陽もなく、気温が低く濃いガスや霧雨に包まれたような天候では、なかなか思うように雪融けも進んでいないのが現状です。
 しかし先週末の3連休には、ご予約のキャンセルもかなり出たものの、咲き誇る高山植物に出逢う花の山旅を待ちきれない皆さんがお出でになって、今シーズン初めて朝日小屋も少し賑わいました。
 それでも、写真のような素晴らしい夏空が広がったのもホンの束の間。毎日モタモタと小屋の周りの整備をしたり、小屋の中を片付けて回る日々が続いています。
 本当に、一日も早い梅雨明けが待遠しいですネ。

 アルバイトのみんなで朝日小屋名物の「ラジオ体操」ができたのは、22日の朝だけ。チョッと淋しいです。。。
 でもスタッフのそれぞれは、今週末の26日には梅雨空も晴れて大勢のお客様をお迎えするべく、張り切って仕事をこなしてくれています。
 
ここで、今日現在のメンバーを紹介します。
・孝太(今年は3年目、頼りになる番頭さんです)
・山ちゃん(最近“オヤジ”と呼ばれている・笑。黙々とソツなく仕事をこなします)
・哲也(もちろん、安心して任せられる彼です)
・ひろクン(お米・ご飯担当、頑張っています)
・真理ちゃん(段々小屋の仕事にも慣れてきて、張り切ってくれています)
・小野田クン
  (阿曾原温泉小屋から応援に来てくれました。
   “アニキ”です。いろいろ知っていて、とっても助かっています)
・しょうじ(月曜日に下山、大学の前期試験を受けてとんぼ返りして来ました)
・ひとほ(去年より身長が10cmも伸びて、逞しくなった高校2年生)
・裕子ちゃん(仕事の休みに山形からお手伝いに来てくれました)
・ヨッシー(今日入山して来ました。奈良の大学4年生です)
・沙知代(私の長女。26日の朝まで手伝ってくれます)
・グリーンパトロールの工藤君と鈴木君
    (毎日毎日、勉強とパトロール。ホントに一生懸命仕事をしてくれています)
・あやかちゃん(高校1年生。明日の学校登山に備えて、今日一旦下山)
・森下さん(今日、蓮華温泉から入山。小屋では居候ですが、プロの写真家です)

 以上のスタッフ一同、一日も早い夏空の訪れを待ち望みつつ、登山道の整備や点検、そして小屋の仕事に励んでいます。お待ちしています!!

2003/07/23  「涙」…

 ミズバショウ   小屋の周りで   03.7.19

 今日は、朝から降っていた雨が途中からかなり激しくなり、一日中やみ間なく続いていた。
 蓮華温泉から登って来た高校山岳部の2つのパーティーが、叩きつけるような雨の中を相次いで到着。雨具を着ていても、雨と汗で下着までぐっしょり濡れている様子から、その道中の大変さが窺えた。
 ガタガタ震えている生徒たちの姿も見え、また小屋も空いていたので、乾燥室代わりにサッシを入れて改造した玄関先を提供し、ストーブを焚いて雨具や靴などを乾かすのに使ってもらった。
 少しバテている女子生徒がいるとのこと。お客様が入っていらっしゃらない部屋にストーブを焚いて暖かくし、布団をひいて横になってもらうことにした。
 「何か温かいものでも飲む?」と聞いたら無言で頷いたので、熱いミルクティーを作って持っていった。
 彼女の頬を、幾筋もの涙がすーっとこぼれ落ちた。
 
 
 私の中で、ここ数日のいろいろな想いがふっと消えてなくなっていった。
 こんな涙に出逢えるから、私は管理人として頑張ろう…そう思った。
 始まったばかりの夏山繁忙期、多くの登山者の皆さんとの様々な出逢いが、きっと私を大きく育ててくれて、そして勇気付けてくれるはず。

2003/07/24  登山道の状況…現在の蓮華温泉方面

 今日現在、“吹き上げのコル”直下の雪渓の様子

 今週末を前に、今日は再度蓮華温泉方面の雪渓及び登山道の状況をチェックする為に、哲也・ひとほ・森下さんの3人が“出動”しました。
 昨日の日記の中でも書いていますが、今年は、例年に比べてもこの時期としてはかなり多くの雪が残っていると言えると思います。
 先週の連休前の作業時と比べても、哲也曰く「融けてない。。。」
 思うように進んでいない雪融け、それ以上に雪がかなり締まって、内部は氷のような状態になっているところもあるそうです。
 先週の3連休でそれなりの人数の登山者の往来もありましたし、大方の予想としてはもう少し踏まれて雪が「腐った」状態になっているかとも思っていたのですが、どうも気温の低さが影響しているようです。
 “吹き上げのコル”と“八兵衛平”の間が、雪渓の大きさ(長さ・幅)、雪の多さ、歩きにくさからして一番「難所」だと思われます。大きな雪渓が3箇所ほど残っています。
 再度、ベンガラでのマーキングとステップ切り等など、小屋として出来る限りの作業はして来ました。
 
 何度も書きますが、基本的に山歩き(登山)は各人の技術と力量に拠りますから、一概には言えませんが…、
 ここしばらくは、雪渓歩きに不安がある方には「アイゼン」の使用をお勧めします。また、いざという時にはピッケルが有効なのはもちろんですが、雪上でのバランスを取る為には「ストック」を持たれるのも良いでしょう。
 
 今の時期、例年ですと小屋の周りはチングルマの花も次々と咲き出し、早々と散っているものもあるのですが、今は未だ小屋のすぐ前でもチングルマの蕾がそこ此処に見られる位、今年の花の開花は平年並みと少し違った様相にあるようです。
 今年は、雪融けが進んでいない分、夏の花も少し遅くまで楽しめるのではないでしょうか。
 毎日毎日、ただお天気が気になる今日この頃です。

2003/07/24  的確な状況判断を

 雪の融け具合に合わせ、マーキングの位置を移動

 今の時期、ガスって登山道の先が見え難い状況にある場合、特に雪渓上等では赤いベンガラによるマーキングがとても有効になります。
 しかし、夏道が全く見えていない6月末の時に付けるベンガラの跡は、もちろん雪が融けていった場合のことまで考えてなるべく夏道に沿うように付けることもありますが、時には斜面を安全にトラバースできるように夏道から少し離れて付けていく場合もあります。
 今回の作業では、例えば右のベンガラの跡を辿った場合、すぐ上で登リ難くなる可能性もあって、改めてより安全な左側(夏道どおり)にベンガラを付け直しました。
 しかし、一度付けたベンガラの跡はそのままになっていますので、とにかく「的確な状況判断」をして頂くよう、くれぐれもお願いいたします。

2003/07/25  掲示板・メールでの、お問い合わせと宿泊のご予約について

 コバイケイソウ   小屋の周りで   03.7.19

 連日、お問い合わせやご予約のお電話をたくさん頂いております。
 時には「なかなか繋がらないですネ」という声も聞かれますが、どうぞご容赦願います。
 
 さて、掲示板・メールでのお問い合わせや宿泊のご予約についてですが、申し訳ありませんが、お問い合わせ・ご予約については、ご面倒でも電話でお願いいたします。
 
 私(朝日小屋)の場合、インターネットには携帯電話で接続しています。しかも、携帯電話が通じる場所は小屋の中ではほぼ1箇所のみ。それも超繁忙期になって、接続可能なアルバイト部屋にもお客様が入られるようになると、なかなか日記を書いたり掲示板を点検したり、またメールのチェックをしたりすることが、時間的にも場所の確保の点でも困難になってきます。
 まして、メールにお返事を書くことは至難のワザとなります。
 ですから、メールでの諸々は、お客様からの一方通行となってしまう可能性が大で、トラブルの原因ともなりかねません。
 また、お電話での受付の際には、通り一遍の受け答えだけでなく、いろいろな必要事項をお聞きする中で、コースの様子やコースタイム、注意点等などをお話するし、またアドバイスできる事もあります。
 
 そういう諸々の事情から、くれぐれもお問い合わせ・ご予約は『お電話』にて、直接「朝日小屋」へお願いいたします。
 

2003/07/25  久々に、雲海に沈む夕陽

 この後、空が茜色に染まって…

 連日、山の上は朝からずっと乳白色の濃いガスの中でした。
 でも今日の夕方は、綿菓子のように雲海がひろがる西の空に夕陽が沈み、空が久し振りに茜色に染まりました。
 やっぱり、夕焼けが最高です!!
 気持ちも、スカッと爽やかになりますネ。
 明日からは、きっときっと、お天気が良くなりますように…
 

2003/07/29  若いスタッフ、そして週末従業員の皆さんに…感謝!!

 今シーズン最高の忙しさであろう26日を
      乗り切ったスタッフ全員で、記念撮影     03.7.27

 『朝日小屋のみなさん、ありがとう!』…そんな書き出しで始まるファックスが、京都から届きました。
 先週おいでになったお客様から、若いスタッフのみんなの応対に感謝する文面がいろいろと綴られている内容でした。
 
 梅雨明けが遅れていた為か、どこの山小屋もお客様の出足は今ひとつだとか。朝日小屋でも、19日からの3連休、そして26・27日の週末も、宿泊数は昨年の実績をかなり下回りました。が、それでも小屋は定員を超えたお客様でてんてこ舞い。
 そんな中、若いみんなのここしばらくはかなりハードな毎日でした。
 特に先週末は、日中は各部屋の掃除を中心に小屋の内外をきれいに片付け、お昼休みもそこそこに午後は2時前から夕食の準備に取り掛かり、夜は10時過ぎまでお弁当や翌日の朝食の用意、翌朝は3時から起きて(ご飯当番の孝太やひろクンは2時半起き)早朝4時半からの朝食の支度に取り掛かりるという具合でした。
 遅くご到着のお客様への対応や、少々のドタバタもありました。
 でも、みんな嫌な顔ひとつ見せずに、本当に良く頑張ってくれました。
 私が、お客様のいろいろなご要望やその他の諸々に的確に素早く対応できるのも、しっかり働いてくれるみんながいるからだと思います。
 特別のアクシデントもなく、みんなのチームワークで乗り切ってくれました。
 かなり“手前味噌”“自画自賛”になってしまいますが…
 連日お客様からは、「ご飯がとっても美味しかったですょ!」とか「お掃除が行き届いて気持ちが良かったです!」とお褒めのお言葉を戴いています。
 それは、若いスタッフのみんなが頑張ってくれているからです。そして、週末になるとお手伝いに駆けつけてくれる“週末従業員”の皆さんがいるからです。
 本当に、感謝の言葉でいっぱいです。有り難う!!
 
 「花の山」として知られる朝日岳の“夏山超繁忙期”は、もう半分が過ぎてしまいました。でも、今年は残雪が多い為、お花もまだまだ当分楽しめそうです。
 あともうしばらく、この若いパワーを少し分けてもらいながら、私もシーズン最盛期を乗り切りたいと思っています。

2003/07/29  迷(!?)コンビ・笑

 この身長差、約40センチ

 左 長女の沙知代 ・・身長150センチちょっと
 右 阿曾原温泉小屋からの応援団の小野田くん(アニキ)
                   ・・身長190センチ以上

 18日に一緒に北又から入山して来た二人ですが、この身長差はスゴイですねぇ。
 沙知代は、大学の前期試験を受ける為26日に下山。
 今は、双子のはるかとかなえが小屋を手伝ってくれています。
 そして小野田くんですが、27日に下山しましたが、またそのうち手伝いに来てくれる予定です。

2003/07/29  ぐっすりと…寝顔

 左・哲也    右・ひとほ    photo by haruka

 今日の午前中、お茶タイム中に仲良く1つの毛布にくるまって、ぐっすりと眠る二人です。
 連日、朝早くから夜遅くまで働く若者には、とても貴重な時間です。
 でも、こうやって写真にすると可笑しいですネ…(爆笑!)

2003/07/30  朝日小屋に「自炊室」が出来ました!!

 「自炊室(じすいテント)?」外から見た様子

 朝日小屋に先週、仮の造りですが「自炊室」が出来ました。(と言っても、大したモノではありませんが。でも結構立派になったと、管理人は大満足しています!)
 以前から、小屋の中に自炊用の部屋が無かったことがずっと気になっていたのですが、今年は物置やら資材置き場やらをいろいろ整理しましたし、念願だった自炊用のスペースもどうしても造ろうということになりました。
 中部山岳国立公園内では、山小屋とその周りの敷地は国からの“借り受け”になりますので、もちろん勝手に好きなように造作するというワケにはいきませんが、今回は小屋のすぐ横でしかも取り壊しの出来るモノという限定の中、それでも思っていた以上の出来栄えになったと思います。
 今までは、調理をする場所はあったものの、自炊の方達が食事をされるスペースがなく大変ご不便をお掛けしていましたが、これからは悪天の場合でもゆっくりこの「自炊室」の中でお食事をして頂けるようになりました。
 この「自炊室」を造るのに男性陣が奮闘し、丸2日がかりで仕上げました。
 特に、阿曾原温泉小屋から応援に来ていてくれた小野田クンがいろいろの段取りを知っていたので、中心になって諸々の作業を進めてくれて本当に助かりました。また、山ちゃんをはじめ孝太や哲也、他のメンバーも頑張ってくれました。
 自炊(素泊り)の方はもちろん、小屋に早くご到着になられてチョッとコーヒーでも沸かしたいというお客様にきっと喜ばれるのではないでしょうか。

2003/07/30  いろいろ気になる話…登山道の状況について

 「自炊室(じすいテント)」の中です。
     
 どうやら今週末からお天気も良くなってくるという予報、バタバタと週末のご予約のお電話やらお問い合わせがありますが、その中で気になる話を耳にします。
 『水平道は、かなり道の状況が悪いって聞くんですが…』
 『水平道は、通れるんですか?…雪がかなり多いらしいですね。大丈夫ですか??…荒れているって言っている人がいましたが???』
 などなど。。。
 登山者の皆さんの情報交換の早いこと早いこと、ビックリします(微笑)。

 確かに、7月末になって朝日岳周辺にこれほど雪が残っているのは、ここ数年では珍しいかもしれません。この日記の中でも書いていますが、天候の影響からでしょう、雪が融けずに逆に締まって来ていますので、7月末でも一層融け難い状態にあるのも事実です。
 しかし受付で聞いていると、お客様の反応はそれこそ様々です。全然平気だと言われる方、「ええ、大変でしたょ!」と大声で他の登山者の方に“情報を提供”されている方。
 少しづつ少しづつ融けていく雪、それが登山道を「ぬかるんだ状態」にしているのはある程度仕方のないことではないでしょうか。
 お客様にすれば、もちろん歩き難いでしょう。でもいつでもまるで“舗装された一般道“のような道ばかりではないのが、山であり、山道なのです。
 
 どの程度を、『荒れている』と言うのか、その感じ方は十人十色です。でも、『山』であり『自然』なのだから、ある程度享受し自分の技術でカバーすることも必要になってくる場合もあるのではないでしょうか。
 
 私たち小屋の関係者は、当然登山道の整備や補修にも力を入れていますが、(私自身の考えとしては)自然を破壊するようなことをしてまで、必要以上に手を加えたり、大勢が歩き易いようにとまるで舗装道路のようにしてしまっていいのだろうかと疑問に思ったりする時もあります。もちろん『保護』を必要とする場合もありますので、一概には言えませんが。
 
 朝日岳周辺は、(詳しくは分かりませんが)土壌もかなり軟弱で、湿地であったり崩れがあったりする場所もあります。しかし、必ずしも『荒れている』という状態ではないようにも思います。
 もう少しお天気が良くなって、ぬかるんだ箇所が乾いてくるともっと歩き易くなると思います。それまで、諸事情をご理解願いたいと思いますし、体調や装備など万全の準備をされるようお願いします。

p.s
 明日(31日)、哲也とひとほが、鉢ヶ岳の巻き道まで登山道の点検に出掛けます。ですから、明日の夜の日記には、その様子がUP出来ると思いますので、お待ちください。
 また、気になっていた雪倉岳避難小屋の「トイレの便器」も替えてくる予定です。
 

2003/07/30  お花が最高…!!!

 ハクサンコザクラ   左端には、珍しい白花も

 登山道にはまだまだ雪が残っています。歩き難かったり、時間が掛かったりするかもしれませんが、そういう都合の悪さや辛さを全く忘れさせてくれるほど、今朝日岳周辺では『お花が最高!!』です。
 登山者のみなさんは、「今の時期ではもう見られないと思っていた、ミズバショウやキヌガサソウ、サンカヨウやシラネアオイにも出逢えました!」と大感激。
 今年の朝日岳は、雪が消えていくにつれて後から後から次々といろいろと花が咲き出しています。場所によってはそろそろ早い秋の花も咲き始めますから、本当にいろいろ楽しめますょ。
 『お花の朝日岳』は、今まさに百花繚乱…どうぞ、いらして下さいネ。お待ちしています!
 
 

2003/07/31  再々、登山道の状況報告

 まだまだ、残雪多い鉢ヶ岳の巻き道  奥には白馬岳の姿

 今日、哲也とひとほが鉢ヶ岳まで行って登山道の状況を点検確認し、危険と思われる箇所にスッテップを切ったりする作業をして来ました。
 それによると、「鉢ヶ岳の巻き道」及び「水平道」とも、未だかなりの残雪があります。
 「鉢ヶ岳の巻き道」については、上の写真では全体の様子が分かり難いと思いますが、山側から反対の蓮華温泉側にかけて、未だずっとかなり長い雪の斜面が横たわって続いていますので、くれぐれも慎重にトラバースされるようお願いします。
 また「水平道」については、未だ雪はかなりあります。しかし、ベンガラのマーキングもしっかりしていますし危険と思われる箇所も少ないのですが、「もう、雪は全然ないんでしょ!?」というような装備や心構えでいらっしゃると事故に繋がる場合もありますので、雪渓のトラバースや登り降りが苦手で不安のある方は、アイゼンやストックを持参されることをお薦めします。またパーティーのリーダーには、装備や計画の再点検をお願いいたします。

2003/07/31  電話でお問い合わせを

 水平道の様子  その1

 哲也達が撮って来たデジカメ写真を見てみると、昨年と比較した雪の残り具合・融け具合は、『約2週間程は遅れているのではないか』と思われます。しかし、この後晴天も続くようですので、夏の暑い陽射しが戻ってくれば、一気に雪も融けるのではと思いますが、白馬岳〜雪倉岳〜朝日岳〜蓮華温泉のコースを予定しておられるお客様は、詳しいことは朝日小屋にお問い合わせください。
 ただ7月中旬以降、数百人のお客様がこのコースを通っていらっしゃいますので、決して「危険で通れない」ということはありませんし、その都度小屋からも登山道の点検に行きますので、万全の対策を立てられた上での通行に関しては何ら問題ない事も、重ねてお知らせしておきます。

2003/07/31  水平道の様子  その2

 これは、水平道の鎖場付近に残っている雪の状況です。
 様子を確認後、雪をカッティングし歩き易いようにしました。
 しかし、通行にあたってはくれぐれも慎重に渡っていただくよう、お願いいたします。


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