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こんなに頑強に架けた橋が… 03.8.29
今朝8時頃、蓮華温泉ロッジのオーナー・田原さんから連絡がありました。
「登山者の方の話によると、白高地沢の橋がまた流されたらしい。。」
8月31日の日中〜9月1日未明にかけて降った大雨…富山県地方には大雨・洪水警報が出された程で、平地でも道路災害や浸水の被害などが大変だったようですが、山間部のそれは驚異的なものでした。
それにしても、仮橋とはいえ、8月29日に架けたばかりの頑強なはずの白高地沢の橋が2日しか持たなかったとは。。。
荒れる風や雨の様子を見ながら、内心かなり心配はしていたのですが、「まさか…」と続く言葉がありませんでした。
今年の天候は、確かに異常かもしれません。
この数日間断続的に降り続いている大雨は、まるで“梅雨末期”か台風の豪雨を思わせるような激しい降りようでした。
それに加えて、例年でしたらとっくに消えているはずの雪が、この北アルプスの最北端では未だそこここに残っているのです。
台風並みの大雨と強風が、それら雪融けの水を伴って、濁流・激流となって白高地沢を流れ下って行ったのは間違いありません。
父の代からずっと白高地沢の橋架けに携わって来ていますが、ベテラン作業員の方々の手によって架けられた橋が、いとも簡単に流されてしまったという話は、聞いたことがありません。
それ程に自然の“猛威”“脅威”には驚かされます。
しかし考えてみれば、瀬戸川や白高地沢は、小蓮華岳や鉢ヶ岳、雪倉岳や赤男山、そして朝日岳や長栂山といった、北アルプスの最北端の山々を源として、そこから流れ落ちる雪渓の雪融け水を集める急流に違いないのです。
登山者の方からの情報だけでは、正確な状況判断が出来ませんので、第一報を受けてから、孝太とひろクンが急遽現場を見に行きました。
今日は雨の止み間に、遅れている草刈りに出掛けようとしていた矢先に、蓮華温泉からの連絡が入りましたので、予定を変更しての出動となりました。
夕方、彼等が帰って来れば詳しい状況が分かりますので、またお知らせ致します。

“蓮華鉱山道”に架かる橋 (昨年の様子) 02.9.10
「白高地沢の橋」云々について、掲示板に様々なご意見を頂戴しています。
現時点では、皆様のご意見に対して、私の未熟な意見をこれまた未熟な筆でこれ以上載せるについては、かなり反響も大きいことと思い、それに付いては暫く差し控えさせて頂きたいと思います。
皆様各人各様、立場も違えば、「山」や「自然」に対する様々な思いや信条も十人十色おありだと思いますが、それぞれのご意見については私なりに真摯に耳を傾け、今後の参考にさせて頂くつもりでおります。
多分、「白高地沢の仮橋」の様々な事実についてご存じない方々からの、一般論・総論だけを集めた議論では、少し話が大きくなり過ぎるような気がします。
ただ、白高地沢についてだけに限定して述べさせて頂くなら…
「県」が違い(朝日小屋は富山県・白高地沢は新潟県)、蓮華温泉からの方が道のりとしても断然近いはずのその地に、何故朝日小屋が関わり、今のように仮橋について全責任を負ったようなことになったかについては、いろいろな経緯があるようです。
亡父が永年、何故損得を全く抜きにして白高地沢の橋架けに心血を注いだかといえば、それは『登山者の皆さんの安全の為』であったかと思います。
実は、昨日蓮華温泉ロッジに「橋流出」の一報を届けた登山者(2人組と聞いている)は、雪倉岳避難小屋に泊まった後朝日岳山頂経由で、9月1日に蓮華温泉へ下山中白高地沢を通過。しかし、橋はすでに流されてしまった後。
白高地沢は徒渉も出来ないあまりの激流に様相を一変していた為に、ずっとまんじりともせずに水嵩の引くのを待っていて、蓮華温泉に辿り着いたのは深夜の0時だったと聞きました。
一歩間違えば、確実に「遭難」です。
私が、「白高地沢仮橋の設置及び撤去」に関して、所轄の行政担当係から金額にして一体いくら貰っていると思われますか?当該の人夫賃や材料費を、はるかに下回る額しか支払われていないのが現状なのです。
前掲の“蓮華鉱山道”の瀬戸川には、相当の予算を付けて、昨年立派な橋が架かりました。
今年のシーズン前、行政の担当者に「年間100人程しか通らない“蓮華鉱山道”の瀬戸川にあんな立派な橋が架かったじゃないですか!?それだったら、その10倍以上の登山者が通る白高地沢に、何故もう少しお金を掛けようと考えて下さらないのですか!?」と詰め寄りました。
そうしたら、その担当者は「あそこは、以前に事故がありまして…」と答えました。
「事故がなければ、改善がなされない」というのは、全く情けない話です。
それだったら、山小屋として出来る限りのことをして登山者の安全を確保していこう、というのが私達の責務だと思っています。
その為に仕事をしているのが、私たち山小屋なのではないでしょうか。
事故が起こってしまってからでは遅いのです。
私は、「自然」を壊そうと思ったことはありません。
「安易」に、「金銭」のことだけを思って、橋の在り方について議論しようと思ったこともありません。
先日の流出の時も、山ちゃんとひろクンは8月27日に橋の状況を偵察に行き、29日には早朝から朝日小屋を出て白高地沢まで行き、橋架け作業を終えて夕方5時過ぎに小屋へ戻って来ました。
そして今日は、孝太とひろクンがまたまた状況を把握する為、五輪尾根を下り、カモシカ坂を走り下りて現場へ行っています。
誰も文句は言いません。愚痴も言いません。それが自分達の仕事だと思っていますから。
でも、「山小屋管理人」の私にとって、登山者の皆さんの安全の確保は第一に大切なのはもちろんですが、アルバイトのみんなが事故なく怪我なく一日の仕事を終えて戻るまでも、この日中は何だか落ち着かないのです。昨シーズンの橋架け作業中の、哲也の怪我のこともありますから…。
…そういえば、昨年も「木道」についての議論がいろいろありましたね。
…またまた議論を呼びそうな内容の話しを、取り留めもなく書いてしまいました。
…でも、やっぱり少し書かずに居られませんでした(苦笑)。

仮橋の架かっていた箇所の様子 … 蓮華温泉側から朝日岳側を見る
土台にしていた大岩、頑強に積んであった蛇籠とも、面影・跡形もなく 03.9.2
昨日、孝太とひろクンが白高地沢の状況を見に行って来ました。
それによると、(前回の8月27日の時もそうだったのですが)川の流れや川岸の様子、岩の位置などは以前と比べて顕著に変化しており、仮橋を架ける際に土台にしていた大岩も頑強に積んであったはずの蛇籠とも、全く面影・跡形はなかったそうです。
また、橋板として組んであった3本の板は、1本がそれぞれ約7メートルあったのですが、3本がバラバラになり、また砕けてしまって1メートルそこそこの長さに折れてしまっていたとのこと。
いかに川の流れが急で、恐ろしい力で橋全体が持っていかれたか、衝撃の強さが窺えます。

砕けてしまった橋板 03.9.2
激しい流れの中で、上流から転がって来た何トンもある大岩が直接橋板にぶつかったのか、あるいは、浮き上がった板が大岩に叩きつけられたものと推測されるが…。
仮橋の復旧については、昨日から、糸魚川市役所の担当者と話を進めています。
今回の仮橋の流出で、今までシーズン初めに架けて冬になれば撤去して、大切に使用して来た橋板その他が、完全に使い物にならなくなりました。
また冬の間道具類その他をしまって置いた場所も(絶対に安全とされていた場所にあったのですが)、前回の流出の際に壊されてしまい、大切な道具類も一緒に流されてしまっています。
また頑強に作ったはずの蛇籠なども、今回ほどの雨量プラス雪融け水(今まででも、最大級の流れであったのではないか)では強度あるいは工法を考え直さなければいけないのではないかという問題も起きています。
白高地沢に関しては、『中部山岳国立公園』内にあります。
今までは、限られた予算・人員・日程の中で、朝日小屋として出来る範囲で、出来るだけのことをして来たつもりでしたが、もし万が一、登山者が橋を通過中に何かあったら等などと考えると、これからは糸魚川市役所・新潟県・環境省とも諸々について相談していかなければいけないと思います。
新潟県糸魚川市役所の担当者では、5日に現地調査をし、その後早急に対応を協議すると話しています。
しかし、今回の場合については人員の確保・材料や物資の調達・工法の検討もさることながら、ヘリコプターを飛ばしての物輸が不可欠になりそうなので、予算面でも詰めた話が必要でしょう。
いろいろと事案が解決されるまで、もしかしたら暫く日数が掛かるかもしれません。
特に連休には多くの登山者の方が白高地沢を通過されることが予想されますので、とにかく事故が起きませんよう、朝日小屋としては、連休前の一日も早い復旧を願っています。

仮橋が架かっていた付近から、上流を見る 03.9.2
白高地沢では、今しばらくは『徒渉』を余儀なくされます。
登山については、元々各人の力量に左右される部分が多いのはもちろんです。
『徒渉』に関しては、もしお問い合わせがあってもその日の気象状況、各パーティーやリーダーの力量等などによって条件はまちまちですから、朝日小屋が「渡れますョ」「無理じゃないですか」という判断は出来かねます。
しかし、雨が降っていない場合で水量・水嵩とも多くなければ、白高地沢の徒渉は比較的容易に出来ることもあります。
現に、昨日も(かなり水量が減っていた)白高地沢を徒渉して登って来られた方、下山された方がいらっしゃっいました。
ただし、ここ最近はしばらく未だ天候が不安定な日が予想されそうです。
今日も、朝から雨。時々強く降っています。
『徒渉』に当たっては、くれぐれも慎重に、渡れそうな場所を見つけて下さい。
今現在では、ポイントとしては、朝日岳側の登山道入り口に標識が立っていますから、そこより上流部が渡り易いのではないかと思われます。
また、パーティーの装備としてロープの携行なども検討された方が良いでしょう。

モデルは、ひろクン
この巨木は、どうやら8月25日から26日未明にかけて降った雨で上部から「ふって来た!?」らしい。
白高地沢からカモシカ坂を少し登った所で。

おもしろい雲 03.9.5
申し訳ありませんが…
今から、下山します!!
8月末から9月中旬にかけて、山ちゃん・孝太・私の3人で、小屋のヒマを見つけて週の初めから週末に交代で休みを取ることになりました。
今週は、私の番が廻って来ました。
今日北又へ下山し、明早朝からは例年通り、チョッと他の山へ。
何処の山へ行くかは、とりあえず「ひ・み・つ」(笑)
誰と行くかは、もっと「ナ・イ・シ・ョ」(笑)
でも、戻って来たらちゃんと報告します!
“リフレッシュ”と“勉強”を兼ねた、私の大切な「山歩き(登り)」です。
では、行って来ます!!!

鉢ヶ岳付近 「蓮華鉱山道」への分岐 03.8.27
白高地沢の仮橋は、未だ復旧していません。
先週末、糸魚川市役所を通じての新潟県・環境省と協議の結果では、連休明けの16日以降の週で、新潟県が工事を発注するという事が決まりました。(仮の仮橋、になりそうですが)
天気予報によると、今週は天候が安定しているようなのですが、山のお天気ですから、下界の予報とは違う場合も多くあります。
雨が降らなければ、徒渉も無理ではないと思いますが、しかしその場合でも充分気を付けて下さい。
また、前日・前々日の雨量などがご心配の場合は、蓮華温泉ロッジまたは朝日小屋にお電話下さい。
また、単独行、「徒渉経験者」がいないパーティー、女性だけのグループ、(一概に年齢だけでは判断できませんが)高年登山者だけのグループ…などは特に気を付けて頂きたいと思います。
諸々お問い合わせ等などがありましたら、朝日小屋にお電話頂きたいと思います。

立山三山をバックに、満面の笑み photo by izumi 03.9.9
何処へ行くかは「ひ・み・つ」、誰と行くかは「ナ・イ・シ・ョ」…などと、意味深な言葉を残したまま、一体ゆかりは何処へ(笑)。
行って来ました!!…『立山三山縦走〜剱岳〜室堂』
最高にステキなメンバーと、楽しい楽しい山歩き。
山との語らい、そして人との出逢い…忘れられない山行になりました!!
8日、朝日小屋から下山。
9日は、早朝宇奈月に集合して立山駅に移動。五十嶋商事へ顔を出し、「五十嶋グループ」の五十嶋博文さんにご挨拶。
アルペンルートで、立山室堂へ。県警山岳警備隊の室堂派出所へ立ち寄り一服、その後室堂山荘へ行き、コーヒーを飲みながらオーナーの佐伯千尋さんや実妹の法子と暫くおしゃべり。
一の越を経由して、雄山山頂へ。快晴に恵まれて、最高の気分で立山三山を縦走。その後、別山から劍御前小舎へと向かいました。
劍御前小舎では、豊田支配人や奥様とシーズン中の話をしながら休憩。そして、あっちこっちへ寄り道だらけの“珍道中”一行は、今夜のお宿・剱沢小屋へと向かいました。
夜は、剱沢小屋オーナーの佐伯友邦さんと夕食をご一緒しながら、山の話や小屋の話等など、いろいろと聞かせて頂きました。
10日は、昨日の好天がウソのようにお天気は下り坂。それでも、と全員で剱岳山頂を目指すことに決まりました。一人だけ「足引っ張り」の私は、胸中不安だらけでしたが、みんなについていくしかないと悲愴な決意(!?)。
剱山荘まで行ったら、ポツポツと雨が降り出しました。「どうする?」「中止?」と言いながら戴いたコーヒーを飲んでいると、少し小降りになって来ました。
「行ける所まで行ってみるか!?」
そして…
いろいろ大変でしたが、雨と風の中、とうとう剱岳山頂に立つことが出来ました!!
11日。当初は、12日までの予定で剣沢〜仙人池ヒュッテ〜阿曾原温泉〜欅平を目指すことになっていましたが、台風の影響でお天気が心配だったのと、「このまま頑張ると、ゆかりは自分の小屋に帰れなくなるかも」というリーダー(誰?)の判断で、室堂経由で戻ることになりました。
二晩もお世話になった剱沢小屋を後に、“珍道中”一行は、またまたあっちこっちの山小屋へ寄り道をしたり地獄谷を見学したり、再び警備隊派出所へ立ち寄ったりしながら、結局その晩は立山室堂山荘に泊まることになりました。(泊まる予定が無かったので、初日に挨拶を済ませたはずだったのですが・笑)
夜は、またまた山の話・仕事の話・小屋の話しなどみんなでワイワイと語らいながら、私も妹としばらく振りに遅くまでゆっくりすることが出来ました。
12日。一緒に行ったみんなで、残りのシーズンを頑張って乗り切るよう約束して、宇奈月にて解散。3泊4日の楽しい山行は終わりました。
13日。きっと「遊びすぎた」のでしょうか(笑)、北又からヘロヘロになってやっと自分の小屋に戻って来ました!!
でも、この3泊4日の山行で、山を感じ山に抱かれて、いろいろな方達とたくさんおしゃべりもして、貴重な経験をしました。
今回の山行で得た諸々は、きっとこの後の私の管理人生活にプラスになると思っています。
また、頑張ります!!!

今回のメンバーです! 雄山山頂にて photo by yukari 03.9.9
今回は最高のメンバーに恵まれ、楽しい山行となりました!!
佐々木 泉(阿曾原温泉小屋オーナー、元・富山県警山岳警備隊員)
峰村 利数(山小屋祖母谷温泉・佐伯芳弘さんの孫、次期オーナー)
谷口 邦夫(朝日岳方面遭対協救助隊長)
永井 柳(今シーズンの長野県北部遭対協常駐隊・烏帽子班救助隊員)
角幡 唯介(W大学探検部OB、A新聞富山支局勤務・新聞記者)
そして剱岳登頂には、佐々木 泉さんの山岳警備隊時代の同僚で、今は室堂の管理センターに勤務していらっしゃる佐伯栄祥さんも同行して下さいました。
或る人曰く…『まるで、“お姫様道中”やね!』
あまりの「超・豪華メンバー」に、書くのも憚られるくらいです(微笑)。

たった一枚の証拠写真(!?) 雨風の剱岳山頂にて 03.9.10
『岩の山は、私には似合わない…』
2000年秋に一度だけ、馬場島から早月小屋まで行ったことがあるのですが、その時も剱岳山頂には縁がありませんでした。
『きっと、絶対に一生登らない山』
…誰かに誘われても、何故かそう心に決めてしまっていました。
でも雨と風の中、剱岳の山頂に立つことが出来ました。
元・山岳警備隊員の泉さんには、カニのタテバイから「腰縄」を付けられ、すぐ後ろから栄祥さんにガードしてもらいました。
同じく元・山岳警備隊員の栄祥さんには、下りでずっと確保してもらいました。
最高のガイドにしっかり守られて、全く“どうにもならん登山者(苦笑)”でした。
「カニのタテバイ」も「カニのヨコバイ」も、ガスの中で何も見えずじまい。
山頂からの360°の眺望も無し。
雨風と寒さで、山頂に居たのはわずか5分。
それでも、「剱岳に登った!!」という達成感と満足感は、しっかり私の中に残りました。
いつか、今度は晴れた日に…そう思ったから、不思議です。

剱岳の下りでは、栄祥さんにサポートされて 03.9.10
今回の立山・剱岳の山行に同行してくれた、山小屋祖母谷温泉の峰村利数さん。実は彼は、剱岳にとても縁の深い人です。
彼の祖父は、祖母谷温泉を経営する立山芦峅寺在住の佐伯芳弘さんです。
そしてその芳弘さんの祖父は、営林署に勤めて大工仕事が得意で1924年(大正13年)にトタン板の剱沢小屋を建てたという、故・佐伯源次郎。
つまり、峰村利数さんは、あの剱岳「源次郎尾根」の名前でも有名な故・佐伯源次郎から数えて5代目の山男ということになります。
現在宇奈月町遭対協の救助隊員として頑張っている彼、今回念願の剱岳への初登頂を果たし、私以上に感慨深かったようです。
また雨風の中、剱岳の上り下りにしっかり私をサポートしてくださった佐伯栄祥さんは、立山芦峅寺生まれ。
祖父の栄作さん(故人)も、そしてお父様の栄治さんもガイドとして活躍されました。特にお父様の栄治さんは、昭和31年の第一次南極観測隊に“芦峅寺五人衆”の一人として参加したことで有名です。
栄祥さんご自身も、元・富山県警山岳警備隊員として数多くの現場に出動して遭難者の救助に尽力され、その後現在に至るまで室堂の管理センターに勤務し、シーズンを通して多くの登山者の為に「縁の下の力持ち」として仕事をしていらっしゃいます。
立山芦峅寺の山男の血を受け継いだ面々、それぞれとてもステキな皆さんでした!!

私の注文に、恥ずかしそうにポーズを 03.9.11
今回の立山・剱岳山行の目的はいろいろありましたが、私にとって立山三山を歩き剱岳に登る以上に大切だったのは、剱沢小屋でオーナーの佐伯友邦さんと奥様の里子さんにお会いすることでした。
皆さんご存知の通り、友邦さんは芦峅寺の山男で「剱岳の主」「剱の神様」と言われた故・佐伯文蔵氏の長男で、もちろんご自身も生粋の名ガイド、昭和38年から剱沢小屋の経営を担って来られた方です。
そして奥様の里子さんは、早月尾根にある旧・伝蔵小屋(現・早月小屋)を昭和46年に創設した故・佐伯伝蔵氏の長女。私は一度だけ芦峅寺の公民館でお会いしたことがありますが、「どこの?そう、法ちゃん(私の実妹)の姉さんなの!?」と優しく声を掛けて頂きました。
阿曾原温泉小屋の佐々木 泉さんから、「女性の管理人をやるんだったら、いつか必ず、剱沢小屋の里子さんと、それから仙人池ヒュッテのかあちゃん・静代さんに会ったらいいョ!」と教えられていました。
何処かの会合等でお会いしても、いつも寡黙な友邦さん。私のような“駆け出し”の管理人にとっては、まるで「雲の上の人」です。
でも今回は、夕食をご一緒しながらお話することが出来ました。山のこと、最近の登山者の話、小屋として思っていることや実行していること、様々な思い…等など、いろいろ話して下さいました。
そして、「デジカメで写真を撮らせて下さい!」という私の無理難題にも、優しく笑ってお茶目なポーズをとって下さいました。
そして奥様の里子さん。若々しくて、とっても美人でチャーミングな方です。
玄関先で、厨房で、そして食堂で、「笑顔」が本当に印象的でした。あんな飛びきりの愛想で迎えられたら、そしてステキな笑顔で見送られたら…。
翌日の剱岳登山の緊張感を和らげ、帰って来てからの山行の疲れも吹き飛ぶ…そんなホッとする雰囲気作りは、オーナーの友邦さんの山男らしい素朴なお人柄も然ることながら、奥様の里子さんの『ステキな笑顔』が決め手かもしれません。
岳人の憧れ・剱岳に佇む剱沢小屋は、「沢の小屋は、ホントにイイよなぁ…」とポツリと誰かに言わせるような、そんな雰囲気を持つ山小屋でした。
う〜ん、私もガンバロウッと!!!
今回は、残念ながら、仙人池ヒュッテの志鷹静代さんにお会いすることは出来ませんでしたが、また来年の“予定”“宿題”が出来ました!!

有り難うございました!!
“ばんばはは”さんが、ご自慢の腕前を孝太に伝授 03.9.13
ご報告が遅くなりましたが…、
先日、掲示板でお馴染みの“ばんばはは”さんが、約束どおり朝日小屋でご自慢の腕前を披露して下さり、私たちに美味しい『手打ちうどん』をご馳走して下さいました!!
13日は、(遊びすぎで)ヘロヘロになって恵振山で昼寝を決め込んでいた私に、「ゆかりさん!」と声を掛けて下さった“ばんば親子”ご一行。
小屋に着くなり、私たちの為にわざわざ持参して下さった『地粉』(特別の材料らしく、色がチョッと付いていて、少しそば粉のようでした)をリュックの中から取り出されたのにはビックリしました。そうでなくても、栂海新道への山行は荷物も重いはずなのに…。
小屋のアルバイトも手薄で、加えて連休で少々バタバタしていましたので、ゆっくり『手打ちうどん』の作り方を全て教えて頂けなかったのが残念でなりませんでしたが、とにかく、まぁ見事な腕前!!
お客様のお食事の用意で手一杯の私たちでしたので、「コネ・伸ばし・切って・茹でて」という一連の作業も全部完了して下さって、私たちは『食べるだけ』。
「昔からずっと作っているんですョ。自分の子供たちにも、こうやってひとつづつ丸めたのを与えて伸ばさせたりして」とおっしゃるだけあって、出来上がった『手打ちうどん』は最高でした!!
オマケに、興味を持った孝太にその腕前を伝授して下さる等など、至れり尽せりで、本当に有り難うございました!
何が嬉しかったかって…、
美味しかった『手打ちうどん』はもちろんですが、私たち朝日小屋のみんなを喜ばせようとして、重い食材を担ぎ上げ、そして作って食べさせて下さった、『その気持ち!!』
こんなお客様との嬉しい交流が、私たちを元気付けてくれるんです。ネ!!

“朝日小屋史上・初”となった、豆炭コタツでくつろぐみんな
おぉ〜〜、寒い!!!
キャーッ、さぶ!!!
台風15号の影響か、朝日岳周辺は昨夜半から猛烈な風が吹き荒れています。
この朝日平で、吹き飛ばされそうになる位の、こんなに強烈な突風が吹くのも珍しいかもしれません。
真夏にもなかったほどの真っ青な空がどこまでも広がっているのに、とんでもない冷たい風が吹いているという、不思議なお天気です。
そして気温。。。とにかく寒い!!
今朝の外の気温は、1〜2℃。。。
手足が冷たくて、悴んでしまいそうです!!
朝日平でコレですから、白馬岳からの稜線、鉢ヶ岳・雪倉岳方面はとても歩けないほどではないかと思われますし、朝日岳山頂から吹き上げのコル辺りも、相当の風でしょう。
我慢できなくて、コタツを出しました。
(今まで朝日小屋には、コタツがありませんでした。)
昨年・一昨年と、自分の小屋を閉めてから遊びに行った太郎平の小屋で、“チンマリ”とコタツがあったのがとても羨ましくて、今年は絶対に「朝日小屋にもコタツを!」と密かに荷揚げして来たのでした(笑)。
連休を利用して遊びに来ているみんなが、「まるで、お正月に親戚がみんな集まって来ているみたいだネ!」と言いながら、午前中からトランプに興じています。
せっかくの飛び石連休も、先週の連休に続いて台風の影響でお客様も少なく本当に残念ですが、今朝日岳周辺は草紅葉が綺麗ですし、寒さが深まるにつれ日に日に山全体が“秋色”に変わりつつあります。
深まりゆく秋の山、朝日岳へぜひおいで下さい。お待ちしています!!

小屋の後ろ側へ回ってみると。。。
朝日小屋の後ろに、水のタンクがあります。
その水タンクからオーバーフローした水が、夜中からの突風にあおられて飛び散っていました。
そして出来たのが、コレです!!
小屋のトイレの窓の外側に、ビッタリと短いツララが下がっていました。
太陽は照っているのに気温が低く風が冷たいので、お昼になっても融けずにいます。
寒いワケです。。。

夜明け 朝日岳山頂にて
台風一過、「明日の朝は、もしかしたら晴れるかも…」という予想。今シーズン初めて、御来光を見に行くことにしました。
お泊りのお客様はお二人。朝食の用意は、山ちゃんと孝太に任せました。
お客様は蓮華温泉への下山予定でしたので、途中ですれ違うことが出来るから、その時にお見送りのご挨拶をすることにして。
3時半に起きて、4時に小屋を出ました。
満天の星空。
暗闇に瞬く、街の灯かり。
凛と澄んだ空気。
浮かぶ三日月。
真っ暗な山道を、一人きりで歩く。
何だか心うきうきしていたから、不思議。
山頂に着いてから、じっと待ちました。
5時頃、ガスが辺り一面を覆って山も星も何も見えなくなり心配しましたが、「その時」が近付いて来るにつれサーッと流れて消えてくれました。
連なる頚城の山々が、空が、雲が、少しづつ色を変えていきます。
気が付くと、木道が霜で真っ白になっています。自分のサブザックも、みるみるうちに真っ白に。
半袖の上にフリースを着て、ダウンジャケットを着て、まだ雨具も着けたのに。
手袋をしているのに指先が、濡れていないのに足先が…とにかく冷たくて冷たくて。
寒くて寒くて、震えながら見た御来光。
一人、言葉もなく眺めた御来光。
気持ちが、とっても満たされました。

夜が明けたばかりの中で見る、山並み
秋の深まりを感じながら。
小屋の前から見るといつも一番大きく見えるのは雪倉岳なのですが、朝日岳の山頂から眺めると白馬岳が実に堂々と横たわっています。

山頂の方位盤の遥か向こうに、剱岳
今までは、遠くに見えてもそれ程の想いがなかった山、剱岳。
でも、今朝は特別な気持ちで眺めていました。
「あの山に、私、登ったんだ…」

ウサギギク 03.9.22
秋も深まり、紅葉の様子や見頃の時期を尋ねるお電話が掛かって来るようになりました。
そんな中、過日こんなお電話が…。
「チョッと聞いてみるんだけど。
夏にそちらへ行こうと思っていたんだけど、お天気が悪くて結局行けなかったんだ。
秋に計画しようと思うんだけど、朝日岳の秋はどうかね?」
「はぁ、イイと思いますけど…」
「なんだか、いろいろ雑誌を見ても、アンタの処の紅葉がイイって書いてないんだョ。どうなんだ!?」
「涸沢の秋がイイのは判ってんだよ。でも、朝日岳の秋は一体どうかね。
イイっていうんなら、行くんだけど」
「はぁ。。。
朝日岳は“花の山”というイメージが定着しているので、皆さん秋はあまり出掛けていらっしゃいませんけど、草紅葉もいいですし、ダケカンバやナナカマドもたくさん在る山ですから、静かな山歩きの中で紅葉も楽しめると思いますが。。。」
「そうかい。
馬場島から早月を登ろうかと思ったりしているんだが、どっちがイイかね。
そっちがイイっていうんなら、考えてもみるけど!?」
「はぁ。。。朝日岳の秋も、結構イイと思いますが。。。」
「分かった、分かった。また考えてみるヮ。それじゃぁ!!」
… ゆかり、独りで苦笑 …
ひと雨毎に、秋が深まって行く今日この頃。
今年の紅葉は、どうでしょうか…。
日照不足と冷夏の影響、そして台風の雨風にもさらされて、草や花や樹々の様子が少し心配です。
出来ることなら、驚くばかりの見事な紅葉が見たいものです。
でも…
『青空と、鮮やかな色あい』だけではない秋の山の姿も、またそれはそれ。
秋の山の楽しみ方、それぞれいろいろあると思いますネ。
今週末は、紅葉の見頃には未だ少し早いようですが、9月末から10月初めにかけて、朝日岳周辺でも、充分に『秋を楽しむ』山歩きが出来そうです。
小屋閉めまで、ちょうど3週間となりました。
朝日小屋は、10月13日まで営業しております。
どうぞ、お出掛け下さい。

朝日小屋の前で記念撮影
蓮華温泉の“おかみさん”と、アルバイトの容子ちゃん
昨日の夕方、受付においでになった方を見てビックリ!!
蓮華温泉の田原さんの奥様と、アルバイトの容子ちゃんが、遊びに来て下さいました。
「私、結婚してから36年、いつもいつも山を眺めているだけで一度も朝日岳に来たことがなかったんですよ。
容子ちゃんが休みを取って遊びに行くって言うから、思い切って連れて来てもらったの!
『お隣さん』は、遠かったワ!!」
でも、本当に良く登って来て下さいました。
私も、管理人になって2年続けて蓮華温泉に泊まらせて頂きました。
こうやって、山小屋同士の交流が深まり、いろいろと情報交換がスムーズに出来るようになるのが、とても嬉しいですね。

『虹』 小雨が降る中、雪倉岳も夕照に映えて 03.9.21
孝太と山ちゃんと私の3人…。お客様の極端に少ない毎日を、一体どうやって過ごしているか、皆さん分かりますか?
山閉いを3週間後に控えて、例の如く私ときたら「帰りたくな〜い!」「越冬しようかしらン!?」などと、3年連続で同じセリフを繰り返しつつも、そろそろ(やっと!?)行動は小屋閉めに向けて始動を始めました。でも…(!?)
昨日からは、ボツボツとシーツの洗濯も始まりました。でもそれだって、使用しない部屋から順に、しかも発電機が回って洗濯機が使える限られた時間帯のみ。
厨房に関しては、未だ本格的に何もかも片付けてしまうわけにもいきませんから、いろいろ考えながらボチボチ掃除をしたり、整理をしたり…。
一番頭を悩ませる「食品」については、この後のお客様の予約状況などを考慮しつつ、昨年同様、食料庫を確認して廻ったり冷凍ストッカーを覗き込みながら、毎日の献立を考えています。足りなくなっても困るし、さりとて余ればまたまたどうしようかと悩んでしまいます。
外廻りは、まだまだこの先小屋閉め直前になってからの「大仕事」がたくさんありますが、何しろお天気が悪くて未だ手に付かない状態です。
そんな中、1週間程前から電話の調子が悪く、発電機やバッテリーやら諸々難しい機器類との“格闘”もありました。3日前に、どうやら原因らしき事態と小屋閉めまでの対処法が分かったのですが、しばらくドタバタしました。
その為もあって、今までは発電機を止めてもどうしてもパソコンを使いたいという場合には一応何とかなっていたのですが、今はそれも叶わず、日記を書くのにも都合が悪い。
ここ2・3日は、電気の消えた日中は孝太と山ちゃんと3人、お天気が悪いので部屋の中も薄暗く、ただひたすら「読書」と「休息」の日々。。。
確かに“贅沢三昧”ではありますが(苦笑)、それもまた。。。
(大きな声では言えませんが)
何しろ今週は、月曜日から金曜日までご予約は1件・2人のみでしたが、実はそれも天候が悪くキャンセル。
ご予約外のお客様がボチボチありますが、ここ最近はお夕食の準備も3時半を過ぎて4時にならないと始められない毎日です。
あらっ、決して愚痴ではないので、あしからず!!…(笑)
「冬眠前」は、こんなモノかしら…まぁ、ウロウロ・ボチボチやります!!
『追伸』
営業日について、掲示板でお問い合わせがありました。
13日のお泊りですが、100人・200人という大人数でなければ(そんなワケないか・笑)お受けすることは出来ます。
ただし小屋の予定としては、15日は午前中に下山を始めたいので、13・14日はいろいろ後始末があります。
13日に宿泊を考えていらっしゃるお客様がおいでになりましたら、くれぐれも電話にてご確認の上、ご予約をお願い致します。

うっすらと朝靄たなびく 朝日岳山頂にて 03.9.23
蓮華温泉白高地沢の橋についてですが、橋の流出から25日、どうやらようやく再々仮橋の架け替えが完了したようです。
今回は、仕事は新潟県の発注で、地元糸魚川市の業者が工事を請け負って作業が進められていました。
ただし、山中での仕事で、肝心の工事責任者の方との連絡が取れない状況にありますので、少ない情報はありますが詳細は分かっていません。
明日、孝太と山ちゃんが早朝から橋の確認に出掛けます。
二人が帰って来ましたら、デジカメ写真を日記に掲載しますので、お待ち下さい。

白高地沢の仮橋を確認
手前、モデルは山ちゃん 03.9.26 photo by kouta
今日、孝太と山ちゃんの二人で、白高地沢の橋を確認して来ました。
昨日も書きましたが、この橋は新潟県の発注によるもので、蓮華温泉の地元・糸魚川市の業者により工事が行なわれました。
とりあえず、今シーズン末まで残る20日間、無事に登山者の皆さんの為に一応の安全が確保されるであろうという事では、関係者として安堵しております。
しかし、来年以降の白高地沢の橋については、『未定』です。
シーズン終了後、『橋の今後』それについては関係各方面での調整・検討がなされるのではないかと思われます。
諸氏におかれましては、いろいろご意見もあろうかと思いますが、私としましては、今回はとりあえずのご報告のみとさせて頂きますので、あしからずご了承下さいませ。

草紅葉の中を行く
蓮華温泉、花園三角点〜青ザクを登り返す
ここ数日、朝晩かなり冷え込むようになりました。
それにつれて、紅葉・黄葉も色鮮やかになりつつあります。
ガスの晴れ間に見え隠れする山肌も、特に朝起きると、前の日の夕方とははっきりと違った顔を見せてくれます。
この週末から来週初めにかけてはお天気も安定し、ゆっくりと紅葉の始まりが楽しめるかもしれませんネ。

タカネトウウチソウ 小屋の周りで 03.9.27
申し訳ありませんが、明日の日記はお休みさせて頂きます。
えっ、どうしてって!?
そのワケは、また30日(火)に…。
最近のゆかりは、“隠密行動”が多すぎるかも(笑)
でも、「一体、どうしたんだろう」「また何処かへ!?」と、想像にお任せするのもイイですネ。
ゴメンなさい。諸々は、後からのお楽しみに。
「シーズン中の私の行動」の全ては、『管理人としての仕事』。
忙しくしていても、ボーッッとしていても、遊んでいるようでも…。
でも『いつも、何かを感じていたい』そう思っている私。
お客様も殆どいらっしゃらない、週の初め…明日“仕事と称して”「何か」を感じるために、少し風に吹かれて来ようかナと思い立ちました。

まるで黄金の絨毯のように輝いて
八兵衛平の下、五輪の森手前で 03.9.29
ただいま〜〜!
行って来ました、蓮華温泉まで!!
急に秋色に染まり始めた山々を眺めるうち、
「そういえば。。。一昨年の秋に小屋から蓮華温泉へ下りたきり、去年はこのコース通っていないなぁ」
「そういえば。。。私、蓮華温泉から朝日小屋まで五輪尾根のルートは下りるばっかりで、登ったことないんだ」
「蓮華への道は、紅葉が最高だって聞いているけれど。。。やっぱり自分の目で確かめなくっちゃ!」
急に思い立って、一人で出掛けて来ました。
昨日は、朝日岳山頂で御来光を見ようと暗がりに小屋を出発。あいにくの曇り空の為、山頂からの朝陽は眺めることが出来ませんでしたが、吹き上げのコルから八兵衛平へと下っていくうち、雲の間から差し込む薄陽が、まるで絨毯のように敷き詰められた草や葉を黄金色に見事に輝かせてくれました。
まだダケカンバやナナカマドは所々で色付く程度でしたが、それでも色が付き始めた緑とも黄緑とも薄黄色とも言えないダケカンバの葉がさわさわと風に揺れる様は、ボーっといつまで眺めていても飽きませんでした。
「五輪の森」では、私の大好きなオオシラビソやダケカンバの樹林帯をくぐり抜け、青ザクを過ぎ、そして「花園三角点」へ。花はそろそろかなり少なくなってはいましたが、それでも未だウメバチソウやマツムシソウ、イワショウブやワレモコウ、アザミたちが咲き残っていました。
カモシカ坂を下りて、「白高地沢」へ。気になっていた仮橋も、自分の目で確認しました。
「瀬戸川」を超えてからは、いよいよ登り返しです。覚悟はしていましたが、やっぱりちょっとキツイ…。でもそろそろ黄色に色付き始めたブナが、時折ざわめく音を聞きながらの急登も案外頑張れるかも。
滑る木道に足元を気にしながら辿り着いた「兵馬の平」では、「枯れた秋もいいなぁ。。」とひとり言を言いながら、しばらくベンチに腰を下ろして風に吹かれてみました。
いつもながらあっちこっちでデジカメ写真を撮りながらのカメさんのような歩きで8時間もかかりましたが、早朝に小屋を出発したので午後1時には蓮華温泉に到着することが出来ました。
結構秋の風がヒンヤリして身体も冷えていたので、着くなりに入らせてもらった内湯はいつもながら最高でした!!…ただ残念だったのは、“今回こそは!”と意気込んでいたにもかかわらず入り損ねた露天風呂。また来年の宿題です。
夜は、蓮華温泉の田原さんやおかみさん、アルバイトのみんなと一緒にお夕食を頂き、もう一度ゆっくりと夜のお風呂に浸かった後、登り返す翌日の事を少々不安に感じながら、早々に休みました。

先を行かれたお客様の足跡が 吹き上げのコル〜朝日岳山頂
今朝は、蓮華温泉を5時半過ぎに出発。「ゆっくり、朝ご飯を食べて行けばいいのに!」とおっしゃって下さる蓮華温泉の皆さんのお気持ちを有り難く思いながらも、とにかく遅足で登りの苦手な私は、時間がかかることを覚悟しての早発ち。
気を付けながら歩いたはずの木道では、2回も転倒してしまいました。
歩き始めは小雨が降っていましたが、白高地沢へ着く頃にはすっきりとした秋の空が顔を見せてくれました。
カモシカ坂は、泥んこで歩き難かったのですが、その内ふと振り返るとうっすら雪を頂いた山並みが見えて来ました。「えっ、雪!?」
花園三角点に着くと、流れの速い雲に見え隠れしつつも、青空に白い雪を頂いた小蓮華岳、そして雪倉岳がはっきりと確認出来ました。「雪だ雪、雪が降ったんだぁ…」と、何だか子どものようにウキウキしている自分にチョッと可笑しくなってしまいました。
花園三角点は今まで何回か通っているのですが、いつもガスの中だったり雨が降っていたり。初めて見える眺めは、「エーッツ!!」と声を上げそうになるくらい、それはそれは素晴らしかったです。
花園三角点から五輪尾根を歩く道すがらは、懐深い樹林帯の中を行く素晴らしさに加えて、周りの景色を眺められて本当にステキな山歩きが楽しめました。
青空に映えて雪を頂いた小蓮華岳。
うっすらと雪を覆った山頂付近と、紅葉の始まった中腹部のコントラストが綺麗な、大きな大きな雪倉岳。
濃い緑の中に、点々と赤や黄色に染まった樹々を抱いた赤男山。
そして、たおやかに裾野を広げる朝日岳のどっぷりと雄大な姿は、「どう、私ンところの山は、スゴイやろ!?いい山やろ!?」と思わず誰かに向かって自慢したくなりそうでした(微笑)。
雪は、五輪尾根のそこここに残っていました。
前の日にその素晴らしさに感動した八兵衛平から、吹き上げのコルに向かいます。
そして…
吹き上げのコルから上部は『冬』でした!!
恵振谷から吹き上げる突風に一人さらされながらも、不思議と何だか嬉しくなってしまいました。
山には初雪が降り、これから長く厳しい冬を迎えます。その始まりのその時に、「すごいモノを見て」「こうやって山を歩いていられる」…なんて幸せなんだろう、そう思いながら山頂へと向かいました。
朝日岳の山頂では、樹々も草も葉も凍った世界。オオシラビソがまるでクリスマスツリーのようです。
1泊2日の、朝日小屋〜蓮華温泉往復の山行。
今年の宿題がやっと片付いたような、そんな満足感で一杯になって、ようやく自分の小屋へ戻って来ました。
私の拙いデジカメ写真の腕前では、私が見て来た素晴らしい風景を全て見たままお伝えできないのが本当に残念です。
まるで話し掛けるような樹々のざわめき、ヒンヤリとした風の冷たさやそよぐ音、さーっと抜けていく雲の流れ、秋の澄んだ青空と真っ白な雪のコントラスト、そして何より紅葉や黄葉の素晴らしさ。
朝日岳という山の「懐の深さ」を実感し、素晴らしさを痛感することのできた今回の山行でした。
紅葉はこれからが本番。今週中は、本当に素晴らしい出逢いがありそうですネ。
ぜひお出掛け下さい。お待ちしています!!

朝日岳山頂
今日の夜のニュースでも流れていましたが、北アルプス北部一帯や立山でも昨日の夜から今朝の未明にかけて初雪が降りました。
朝日岳でも、私が蓮華温泉から帰って来ると、山頂付近は未だ雪が残っていました。
朝日小屋の周りは、山頂とは標高差で268m程あるからでしょうか、29日夜は霙や霰だったそうです。
白馬山荘の若林支配人の話では、白馬岳で積雪は3cm程、吹き溜りでは5〜10cm近くあるようです。
これから先の北アルプスの山々では、思いがけず、あっという間に冬の様相を呈しても不思議ではありません。
10月の連休にかけては、秋山でも充分な情報収集が必要となって来ます。事前に、各山小屋へのお問い合わせをお忘れなく。