小屋番日記 2003年10月

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2003/10/01  今日から10月、小屋閉めまで2週間!!

 未だ咲いていた、ヒオウギアヤメ      八兵衛平付近で

 ナンダカンダと言いながら、とうとう小屋閉めの月・10月になりました。あぁ。。。
 
 昨年、一昨年と、小屋閉めの際にはいろいろありました(苦笑)。その為、3シーズン目の今年も、下界の皆さんからは「雪が降ったけど、小屋閉め準備は大丈夫!?」「早目に何でもやっておかないとダメだょ」とか。

 孝太と山ちゃんは、残りの日数から仕事を割り出して予定を組んでいました。
 私はといえば、未だシーズンを終える決心が付いたような付かないような(!?)、もうひとつ気持ちの切り替えが出来ないまま…。
 それでも、確実にゴールが見えて来ました!さぁ、ガンバロウッと!!

2003/10/01  ひっそりと…

 こんな秋…    八兵衛平付近

 何処かの有名な“紅葉のスポット”のような派手さはないかもしれないけれど、私は好きです。
 ひっそりと、静かな秋。

2003/10/02  今シーズンも、いろいろ有り難うございました!!

 みんなでお鍋を囲んで、今シーズンを振り返る   03.10.1

 昨日、県警山岳警備隊の古崎分隊長と谷口隊員のお二人が休暇を利用して、シーズン最終盤の朝日小屋に遊びに来て下さいました。
 あいにくというか、何というか…もともとご予約のなかった昨日は、初雪が降ったこともあって、お客様はゼロ(苦笑)。
 5人でコタツを囲み、お土産に持って来て下さった新鮮なお刺身と、恒例となった“お鍋”をつつきながら、今シーズンの反省と慰労を兼ねた夕食会で盛り上がりました。
 もちろん未だ全て終わったわけではありませんので気は抜けませんが、警備隊のお二人も小屋のみんなも、いろいろあった今シーズンの諸々やウラ話に花が咲き、楽しい一夜を過ごしました。
 シーズン中は、口では言い表わせないほど厳しい遭難や事故の現場に出動される警備隊の皆さんですが、いつも笑顔の絶えない、そして本当に頼りになる方々です。
 一年を通して訓練と現場出動、そして所属署での任務にお忙しいお二人。
 これからも、益々のご活躍を期待しています!!

2003/10/03  10月の山行、装備・体調・計画の再確認を!!

出来れば、秋晴れの下を歩きたいですネ!   
  少しづつ色付き始めた、花園三角点から青ザク・五輪尾根   03.9.30

 毎日天気予報と“にらめっこ”しているのですが、今年ほど「下界の天気予報」と「山の上の天気」が合わないのも珍しいのではと思うくらい、今年はグズグズする日が多くて困ります。降水確率0%となっていても朝から雨が降っていたり、一日中ガスっていたり…。
 そんな中、チョッと冷え込んだ今朝なんか外の温度は0℃。このところ下界でも肌寒い日が続いているようですが、山の上では余程好天でもない限り、日中でも気温は10℃以下になっています。
 初雪が降ってからは一層寒さが増して、山の上はすっかり『初冬』の様相。。。
 北アルプスの各山小屋では、10月中旬の連休で小屋を閉めるところと、11月初旬の連休までの営業小屋が殆どです。どちらにしても、多くの登山者の皆さんが“冬山の重装備無し”で歩ける期間も残すところ僅かとなって来ました。
 もちろん皆さん、計画段階からいろいろと検討されておいででしょうから、改めて私が申し上げることはないとは思いますが、中には今の時期、未だ「夏山の延長」くらいにしか考えていらっしゃらない方も。。。
 「初雪が降った」というニュースを聞けば「アイゼンは要りますか!?」というお問い合わせが入ります。しかし3,000m級の白馬岳からの稜線歩きでは、10月初旬であっても降雪に見舞われれば、縦走が可能であるのはごく限られたパーティーであり、いわゆる一般登山者の方々には無理な場合も多いのではないかと思われます。
 いずれにしても、各山小屋などを通じて必ず情報収集をして頂きたいと思います。また万が一に備えて、エスケープを考えたり時には計画の変更も必要になってくるでしょう。

 雪がなかったとしても、今の時期の高山は殆ど「初冬の山」を想定されても間違いないかもしれません。
 その場合、特に装備の点で忘れてならないのが『防寒対策』。うっかりして、帽子や手袋を携行していなければ大変なことになる場合もあります。
 先日の私の蓮華温泉行きでも、霧雨の早朝や雪の降った後の朝日岳山頂に居る時間帯だけでなく、午後の歩行中の場合にも手が冷たくて手袋は“必需品”でした。また、風は冷たく突風も吹きましたので、ダウンのインナージャケットを着たまま歩いた時間もありました。

 週間天気予報では、しばらく晴れの日が続くようですネ。どうか、この予報が当たりますように(微笑)。
 
 静かな秋の山には、華やかな夏の山にはない魅力がいっぱいです。残り少ないシーズン、登山者の皆さんが楽しんで山を歩いて下さるよう、心に残る山行になりますように。
 
 充分な装備、そして無理のない計画。またくれぐれも体調を万全にして秋山へ入山して下さい。朝日小屋からもお願いいたします。

2003/10/03  ひっそりと、いじらしく…

 リュウキンカ    03.9.29

 澄んだ水が流れる兵馬の平に、未だ咲き残っていました。

2003/10/04  うわ〜っ、寒い〜〜!!!

 小屋の前で    今日の午後6時頃
   
 手前の「朝日小屋」の文字は、テーブルの上に積もった雪に指で書きました!

 昨日深夜の気温は、マイナス2℃。。。
 そして今日。。。
 お天気は気になっていたのですが、午後になって外を見てビックリ!!
 横なぐりに強い風が吹いているだけかと思ったら、『。。。雪!?』
 夕方には、かなり降って来ました。今日は未だ10月4日だというのに。。。

 今の時刻、午後9時30分。
 外の気温は、マイナス2℃。。。

2003/10/05  瞳の奥に焼き付けて…

 紅葉に黄葉、緑、そして白   朝陽に輝いて

 昨日は、17名のお泊りのお客様。
 紅葉の素晴らしい、静かな山歩きを楽しめる時期としては、チョッとさみしい人数でしたが、それでも皆さん「紅葉を見に来たら、山の上は冬景色!」という天候でしたのに、よくおいで下さいました。有り難いことです。
 今朝の早い時間帯もガスっていてお見送りの際は心配もしましたが、すぐに陽が当たって来て、それからは、昨日の雪が紅葉の山肌に付いた様がそれはそれはステキでした。
 雪が降ったのは、どうも小屋の標高(2,150m)付近から上の辺りだったようです。
 今日は一日あまり強い風も吹かず、小屋の仕事がひと通り終わってからの休憩時間には外に出て“お茶タイム”をして、それぞれカメラを構えたり山を眺めたり…、久し振りに青空の下での時間を楽しみました。
 
 一昨年、そして昨年の今頃の様子はどうだったかなぁ…と「小屋番日記」を開いてみました。
 2001年は、9月21日未明から22日の早朝にかけて朝日平でもちらちらと雪が舞ったと書いてあります。
 2002年は、9月23日に朝日平では霙まじりの雨。同じ日に白馬岳では初雪が降っています。
 
 今朝6時、白馬山荘に電話を入れました。朝日小屋から白馬岳方面に向かわれる予定のお客様がいらっしゃいましたので、チョッと気になって。
 フロント主任の奥田さんのお話では、昨日の白馬岳の積雪は量としては大したことはなかった(2〜3cm)そうですが、今朝の気温はマイナス7.1℃。。。

 朝陽に輝いている山々の様子、皆さんにお見せしたかったなぁ…。
  鮮やかな紅葉に黄葉。
  残る緑。
  そして、キラキラとまばゆく光る雪の白。

 営業終了まであと8日、小屋閉めまで10日。
 ステキな様を、瞳の奥に焼き付けておこうと思います。

2003/10/05  今朝の朝日小屋

 雪が降ったというニュースに、「孝太や山ちゃん、そしてゆかりはどうしているかなぁ…」と心配してくださっている皆さん。
 大丈夫!
 3人とも元気でやっていま〜す!!

2003/10/06  写真家・三宅 岳さん

 はにかんだ笑顔   雪の降った朝日平周辺で    03.10.5

 写真家の三宅 岳さんがおいでになりました。
 蓮華温泉から入山して3日・4日と朝日小屋で連泊、5日に北又へ下山されました。
 実は三宅さんとは、4月に松本市内で開かれた伊藤正一さんの写真展でお会いしてご挨拶しました。その時「ぜひいらして下さいネ」「今度行きます」という会話をしたのですが、先日ひょっこり電話があり、来年出る予定のガイドブックの取材も兼ねての山行になりますとのこと。
 ご本人は初対面の小屋で少々緊張気味だったようにも見えましたが、ウチの山ちゃんと顔見知りだったこともあって、何だか初めての朝日小屋とは思えない程そこそこ馴染んでいらっしゃった三宅さん(!?)。
 初めは1泊の予定だったのですが、4日のお昼ご飯をお腹いっぱい食べてしまって行動不能に陥り(微笑)、そのうちに雪が舞うお天気になってしまって「え〜っ、もう1泊されたら!!」との朝日小屋の“誘惑”にうっかり乗ってしまわれた格好に…(再び、微笑)。
 それでも翌5日は、朝起きたら辺り一面をうっすら雪が覆い、朝も6時を過ぎる頃には陽も射して来ましたのでしっかりと「お仕事」をされていた様子でした。
 三宅さんは、“山渓”9月号の特集記事「あの山小屋に泊まりたい」の中で、黒部源流・高天原山荘の写真を載せておいでになります。また“岳人”9月号の特集「夜景を楽しむ山登り」の中でも船窪小屋と鍋割山を紹介していらっしゃいます。
 「高天原とはまた違った雰囲気で、朝日もイイですねぇ…」「来年もまた来ます!」とのことでしたので、もしかしたら来年は朝日小屋で三宅さんの顔が見られるかもしれませんネ。

2003/10/06  今日は暖かかったので…

 5日早朝の朝日平から 雪倉岳・白馬岳・旭岳を望む

 今日の日中は暖かく、久し振りにストーブのお世話にならないで済みました。午後の3時近くになったら、じっとしていると少し肌寒くなりましたが。
 小屋の周りに少し残っていた雪も、すっかり融けてしまいました。
 今週はお天気も良さそうですが、まさかまさか15日の“下山日”は大丈夫。。。!?

2003/10/07  ひとり言

 アザミ   蓮華温泉への道・カモシカ坂で   03.9.30
   うっかり「葉」を写していなかったりして、アザミの種類が不明

 管理人3年目の今年。
 小屋を閉める直前になっても、まるで昨日“小屋開け”したような不思議な気持ちで居るのはどうしてかしら!?
 あっという間に、もう4ヶ月が過ぎてしまおうとしているなんて、どうしても信じられない。
 今シーズンはお天気の悪い日が続いてお客様も少なく、どちらかといえば「ヒマな」年だったはずなのに。
 
 毎日がそれなり充実していたから…?
 3年目でようやくペースが掴めてきたから…?
 ボーっとしていたから…?
 ヒマだった分、何処へでも「出張」に出掛けられたから…?
 気持ちが前向きだったから…?
 う〜ん、どうしてだろう…??

 「帰りたくな〜い!」「越冬した〜い!!」。。。1年目・2年目同様、毎日そんなことを口走っている私に、「知りませんヨ!」「僕たちは、帰りますから!!」と、孝太と山ちゃんはあっさり言うから、「冷たいなぁ…」と拗ねてみたりして(苦笑)。
 
 今夜も、月が綺麗。
 夜景も。

 いろんなコトがあった4ヶ月。
 もうすぐ終わってしまう、03年のシーズン。
 
 やっぱり、淋しいな。。。

2003/10/08  今夜は十三夜

 朝日平から見る今宵の月

 今日は、十三夜だそうですネ。
 まん丸に少しだけ欠けた、大きなお月様が見えています。
 
 この頃は陽が沈むのも早くて、小屋から夕焼けが見えるのは5時半前頃。
 雪が降ったあと、しばらくお天気の良い日が続いていて夕焼けもとても綺麗に見えます。
 お月様も、毎夜瞬いています。もしかしたらヘッドランプ無しでも歩けるのではないかと思えるくらい、まるで「白夜」のようです。
 
 今日は、写真家の森下 恭さん、それから薬師岳・太郎平小屋でアルバイトしていたテルちゃんとトベちゃんが来てくれて賑やかになりました。

 小屋閉めまで1週間。

2003/10/08  夕陽に照らされて

 夕陽に照らされて、朝日岳が紅く染まっています。
 影になって映し出されているのは、前朝日岳。

2003/10/09  秋晴れが続きますように!!

 昨日の夕焼け    陽が落ちた後が、ステキに染まって

 今シーズンは「2日晴れれば良いほう、3日と持たない」という位、お天気の良い日が続かない、そんな年でした。夏の間中ずっと、登山者の皆さんも私たちも天気予報、特に“週間天気予報”が気になる毎日でしたネ。
 ところが、シーズン最終盤の連休前のここに来て、素晴らしい秋晴れの毎日が続いています。夏にも絶対に無かったような、雲ひとつない青空がどこまでも広がっています。
 今日現在、週間天気を見ても『富山県地方は、今週一杯、連休中も秋晴れの好天が続く見込み』という嬉しい予報が出ていました。
 晴れの予報を確認されて、どうやら今度の連休には山へ行こうと決められたお客様からのご予約のお電話も昨日・今日と何件かありました。
 紅葉は、ほぼ1,700m〜2,000m辺りが見頃ではないでしょうか。雪倉岳・赤男山・朝日岳の蓮華温泉側斜面も今がちょうど見頃となっているようです。また北又方面は、恵振山山頂付近の紅葉が連休中に始まるのではないかと思われます。
 
 「管理人日記」の中でしばらく雪の降った様子を載せ過ぎたのか(!?)、雪の様子を聞いていらっしゃる方もありますが、6日以降ずっと晴れの日が続いていて、今日現在朝日岳周辺の登山道には雪は残っていません。昨日今日と、白馬岳方面からおいでになったお客様もいらっしゃいますが、何ら問題はないという事でした。

 朝日小屋も、この3連休は小屋閉めを前にして少し賑わうかもしれませんネ。
 連休には「小屋閉めはお祭りだぁ!」とばかり、常連さんや身内のみんなも集まって来てくれるようです。
 
 孝太、山ちゃん、そして私。順調に小屋閉め作業を進めながら、皆さんがおいでになるのをお待ちしています!!

2003/10/10  今シーズン最後の…『あそび心』

 念願の、朝日平でのテント泊!!    photo by yama

 うふふ…

 この日記を見て、「ゆかりは、また何をやっているんだ!?」と思っていらっしゃる皆さん。小屋閉め直前のこの忙しい時に、と呆れたりしないで下さいネ。
 
 実は私、03年のシーズン初めからずっと朝日平でテントを張りたいと考え続けて、チャンスを狙っていました(笑)。
 当初は、シーズンが開けてからすぐ、未だ雪が残っている間に張りたかったのですが、小屋開けした直後はナンダカンダと忙しく叶わずにいました。その後は、小屋にお客様がいらっしゃる夏の繁忙期は時間的にも物理的にも精神的にもその気にはなれず…。

 とうとう小屋閉めまで数日を残すだけとなって…
  やっぱり、テントで泊まりた〜い!
  自分の小屋のテン場でテント張りた〜い!
  お客様の気持ちになりた〜い!
  「大地」に寝てみた〜い!

 いろいろ朝日岳周辺を歩いて、お客様の気持ちを少しでも分かりたいと常々思っている私は、今回は、朝日平でテント泊される一般登山者の皆さんの気持ちに近づけたらと考えています。
 本当は、食事も作ったりいろいろ試してみたかったのですが、今日はお客様もいらっしゃったりしてチョッと都合がつきませんでしたので、それはまた次回のお楽しみに。来シーズンかな!?

 そんなこんなで…
  今夜は、十五夜。
  この日記をUPし終わったら、いそいそと移動してテントで寝ます。
  ワクワクしています!!

 。。それにしても、自分の小屋の前で、テントで寝ようとする管理人なんてやっぱり珍しい?可笑しい??

2003/10/14  とうとう03年シーズン最後の夜…

 雨に煙る中、紅葉の素晴らしい水平道で   photo by kouta

 上の写真は、今日の午後から周辺の登山道をチェックし、水源地を周って来た孝太たちが写してきたものです。
 先週の7日に私が行って来た時より、ずっと紅葉が見事です。

 そんな紅葉が素晴らしい中、自分の気持ちとは裏腹に、とうとう今シーズン最後の夜がやって来てしまいました…。
 「帰りたくない。。。」と言いつつも、他のみんなが頑張って小屋閉め作業を進めてくれているので、いつまでもグズグズしてはいられません。
 一昨年・昨年の教訓と反省を元に、今年の帰り支度は順調に進んだと思われます。でも、それがまた少しの淋しさを余計募らせたりして…。
 畳上げも、雪囲いも、公衆電話の撤去も、水ホースの回収も、厨房の後始末も…、みんなみんな終わりました。

 今年の紅葉は、場所によっては、どうやら少し遅めだったようにも思います。
 そんな、今が見頃の赤や黄色に染まった朝日岳、そしてその中に建つ朝日小屋。。。
 「お天気も良さそうだし、今度の土曜・日曜日まで居ようかなぁ」…そんなことをポツリと口にしたら、「好きにすれば」とひと言返って来てしまって。。。(苦笑)

 あ〜ぁ、本当に明日の朝には山を下りるなんて。。。
 今になっても、未だ信じられない私です。。。

2003/10/14  締めくくりは、やっぱり“お鍋”!!

 寒い寒い夜は、味噌仕立ての「石狩鍋」で

 シーズンの最初から4ヶ月を私と一緒に頑張ってくれた、孝太と山ちゃん。
 夏の間アルバイトに来ていた真理ちゃんとヒロくんも、11日から小屋閉めの手伝いに上山して来てくれて最後まで。
 助っ人・板さん、そして3年連続で小屋閉めをサポートしてくれている写真家の森下さん。

 みんなで、今シーズンの最後も、やっぱり温かい「お鍋」を囲んで!!

2003/10/15  雪の中、この後下山します!!

 朝日平の夕焼け   03.10.11 photo by BAN

 写真は、多分今シーズン最高に空が焼けたのではないかと思われる、10月11日の夕焼けの写真です。BANさんが、撮ってくれました。

 いよいよこの後、下山します。
 今、玄関など最後の雪囲いを男性陣がしてくれている最中。私は、アルバイト部屋の「かもしか」から、今シーズン最後の日記をUPしています。

 昨夜はどうやら霙が降ったようでしたが、早朝は未だ霧雨状態でした。
 しかし、現在外の気温は0℃以下に下がって来ており、強い雨風がいよいよ雪に変わって来ました。今は、その雪もかなり強く降り始めました。。。

 全ての作業が終了次第、下山を開始します。多分10時過ぎの出発になるでしょう。
 
 全員が無事に下界に辿り着くまで、気を抜けません。

 多分今日の夜は、日記のUPは無理かもしれませんが、また小屋を閉めた様子、そして元気に下山した様子などお知らせします。

 皆様、今シーズン、本当に有り難うございました!!
 また、来シーズンも朝日小屋でお会いしましょう!! 
 では!!!

2003/10/19  無事「小屋閉め」、そして「下山」!!

 正面入口が閉じられ、来年6月までしばしの別れ…   03.10.15

 (いつもながら、ご報告が遅れ申し訳ありません)
 
 15日、無事小屋閉めして、全員下山して来ました!!
 帰ってから、ドタバタしつつも、まだまだ下界のペースが掴めずモタモタしている次第です。
 ナンダカンダ言っても、疲れもドッと出たのでしょうか…。
 小屋閉めの詳しいご報告その他は、もうしばらくお待ちくださいませ。

 とり急ぎ要件のみとなってしまいました。あしからず。

2003/10/19  今から、「研修登山」へ!!

 朝日岳に初雪が降った日、吹き上げのコル付近で   03.9.30

 今から、「朝日小屋研修登山」に出掛けて来ます。
 メンバーは、孝太と山ちゃん、石川県から時々お手伝いに来てくれている亀ちゃん、そして私の4人。今年はチョッと人数が少なくて淋しいのですが…。
 
 登山と言っても、実は「温泉めぐり登山」でしょうか(微笑)。
 今日は、午後からトロッコ電車に乗って欅平まで行き、祖母谷温泉で温泉に入ってゆっくりします。
 明日は、ガンバッテ阿曾原温泉まで水平歩道を歩いて、これまた温泉目当てです。
 水平歩道辺りは、今が紅葉の見頃とか。楽しんで来ます。
 では!!    

2003/10/28  「朝日小屋研修」…宇奈月から祖母谷温泉へ

 祖母谷温泉の峰村さんご一家と記念撮影   03.10.20

 先週19日(日)〜21日(火)まで、「朝日小屋研修」の名目で、山ちゃんと孝太、私、ハイシーズンの朝日小屋へ時々お手伝いに登って来てくれる石川県の亀ちゃんこと亀田さんの4人で、祖母谷温泉から阿曾原温泉小屋へ、紅葉狩りを兼ねた温泉巡りに行って来ました。
 黒部峡谷は紅葉もちょうど見頃で、トロッコはどの電車も観光客で超満員でした。(山の格好をしている人たちは極めて少数でしたが)
 トロッコ電車に乗るのは初めてという孝太、かなり久し振りという山ちゃん、私は一昨年に実妹と歩いた下の廊下の時以来2年振り。
 そして亀ちゃんは、実は数年前に阿曾原温泉小屋の佐々木 泉さんに山で“助けられて”から時々阿曾原へお手伝いに行っているという、阿曾原温泉小屋にも朝日小屋にも“縁のある”彼女なんです。
 
 初めて行った祖母谷温泉。
 近くの“祖母谷地獄”と呼ばれる源泉を見に行きました。川原のすぐ横から湧き出る、硫黄分をたっぷり含んだ温泉の様子には驚かされました。その後は亀ちゃんと二人、ゆっくりおしゃべりをしながら露天風呂に長い間浸かり、大満足!!
 また、夜中に入浴し早朝にもまた入った「内風呂」も、川音だけが聞こえる静寂の中でとても印象的で最高でした。
 当日は、「研修」の名の通り、夕食の配膳や後片付けのお手伝いを少しさせてもらい喜ばれましたし、私は小屋の皆さんともゆっくりお話が出来て、『それぞれの小屋のそれぞれの苦労』に思わず納得もしたりして…。
 「山小屋・祖母谷温泉」は、ご家族だけで小屋を切り盛りしていらっしゃいます。
 会社勤めを早々に切り上げて好きな山小屋の仕事に生き生きと働くお父さん・保利さん、立山芦峅寺生まれで若い頃から父・佐伯芳弘さんを手伝ってこられたお母さん・いく子さん、若いのに料理が得意で頼もしい後継ぎ・利数さん、12月に待望の二人目を出産予定のお嫁さん・麻美さん。
 その家庭的な雰囲気と素朴で美味しいお料理が魅力の祖母谷温泉は、登山者や観光客の皆さんに可愛がられてリピーターも多いそうです。
 最近は、雑誌で紹介されたこともあって、白馬岳や唐松岳からの登山者も少しづつ増えているようで、私たちもぜひ又、自分の小屋が営業していない時期に再訪したいと思いました。

2003/10/28  「朝日小屋研修」…阿曾原温泉小屋で

 プレハブの棟が並ぶ、阿曾原温泉小屋     03.10.20

 「錦秋の黒部峡谷」…この魅力的な言葉に“誘惑され”(微笑)、私たちも「研修とお手伝い」を名目に、連日超多忙を極める阿曾原温泉小屋へ行って来ました!!
 
 皆さんご承知の通り、黒部峡谷トロッコ沿線の山小屋は、昨シーズンは9月半ばの落石事故の影響で“開店休業”状態を余儀なくされ、営業その他に大変な打撃を受けました。
 また、特に佐々木 泉さんがオーナーの阿曾原温泉小屋は、毎年「下の廊下」が完全に開通する9月下旬〜10月上旬にならないと本格的に登山者が入らないという特殊な状況の下にある山小屋です。
 加えて、黒部の深い深い谷の中に小屋があるということで、例年6月中旬にプレハブの小屋を建て10月末に解体するという、大変な苦労を背負いながらの山小屋運営。
 そういう困難な条件の中でも、元・富山県警山岳警備隊員だった泉さんは、黒部の山を谷を守り、そして登山者の安全の為に登山道の整備にも力を注ぐという仕事に全力を傾けていらっしゃいます。
 
 そんな、今年もいろいろとお世話になった泉さんの山小屋へ、ぜひ私も行ってみて、いろいろと勉強したいと思い今回の「研修」となりました。
 
 阿曾原温泉小屋は、私の想像を超えた(!?)山小屋でした。
 あれだけの建物を、造作してまた完全に取り壊す。。。それを思っただけで、大変です。
 また、「下の廊下」「水平歩道」を歩く多くの登山者の皆さんの、安全を確保する為の努力は相当だと、同じく登山道の管理を任される小屋の責任者として、その労苦に頭が下がる思いです。泉さんは、毎日登山者の皆さんが全員無事に小屋に到着されるまで、やはり気掛かりで落ち着かない様子でした。

 小屋では、泉さんをはじめ、奥様の和歌子さん、番頭さんの“大仏さん”こと中山さん、今シーズン朝日小屋に助っ人に来てくれた小野田クン、アルバイトの“おかん”や“すずちゃん”たちともいろいろ話をしたり、一緒に剱岳に登った永井さんに再会することもできました。
 また、この8月に朝日小屋へいらして下さった村上 浩さん(掲示板への書き込み、有り難うございます!)が、ツアーのお客様としていらして阿曾原の受付でバッタリお会いしてビックリ…「山の世界は狭い!」を実感。
 
 祖母谷温泉に続いて、阿曾原温泉でも、朝日小屋の“チームワーク”を発揮して夕食の準備と後片付けを少し手伝わせてもらいました。
 孝太と山ちゃん、そして亀ちゃんも、ご苦労様でした!

2003/10/28  やっぱり。。。

 「錦秋の黒部峡谷」で    03.10.20 photo by kameda

 皆さん、いろいろとお見苦しいでしょうが(苦笑)。。。
 
 やっぱり紅葉をバックに露天風呂に入ったら、最高の気分で「ぜひ記念写真を!」と、亀ちゃんに撮ってもらいました。
 雲ひとつ無い青空の中、紅葉黄葉を浮かべて亀ちゃんとのお風呂シーン…まさに“至福の時”となりました!!

 (あまりの強い陽射し、デジカメでは周囲の色が鮮やかに出ていないのが残念ですが、ホンモノの紅葉は素晴らしく感激しました!)

2003/10/28  朝日岳方面遭対協の秋期訓練に参加して

 横に滝が流れ落ちる厳しい岩場で
  実際にハーケンやボルトを打ち込む、清水直樹隊員
             相又谷上部・ジャッケツ谷にて  03.10.26

 25・26日の両日、朝日岳方面遭対協の秋期訓練が相又谷周辺で行なわれ、私も参加して来ました。 (掲示板にて、“観光従業員お酢さん”既報の通り)

 今回の訓練は、(管理人の日記の中でも書きましたが)8月に沢登りの男性登山者が相又谷で道に迷い、8日目に自力下山し保護されるという遭難が発生しましたので、その現場周辺を訓練場所に選定し、協議会のメンバー等10名が参加して行われました。
 遭対協からは、廣田隆夫副隊長をはじめとするメンバーが参加し、黒部市民病院から田邊ドクター(十全山岳会所属)も加わって、入善署から県警山岳警備隊の古崎分隊長と谷口隊員を講師としての1泊2日の行程でした。
 
 8月の遭難では、朝日小屋からの現場出動はなかったものの、捜索現場がずっと不感地帯の谷沿いでしたので、私自身は、現場と所轄の警察署や対策本部、県警、現場のヘリコプターとの無線中継で、丸3日間に亘ってずっと遭対無線の係りを仰せつかっていたという次第でした。
 そういう事もありましたので、朝日小屋の管理人としては、地名や地形の把握を含めて実際にその周辺をぜひ歩いておきたい、そういう考えもあって事務局に無理をお願いして参加させてもらいました。
 
 初日は午前中に相又谷本流を登り、「デンボの谷」と「ジャッケツ谷」の出合いでテントを設営。午後からは、“精鋭部隊”で周辺の探査と状況の確認をしました。
 2日目は、再び“精鋭部隊”に限り、「ジャッケツ谷」を途中まで詰めるという行程をこなして、昼食後下山となりました。
 私は、もちろん“精鋭部隊”に入れるはずも無く、専ら“テントキーパー”として奮闘させてもらいました(微笑)。

 今回の遭難は、一般登山道から外れた場所で発生しています。地元の山岳会等では時々会や個人の山行として登られている沢ではありますが、遭難については数年に一度発生するかしないかの場所だろうと想像できる為、今回のような救助訓練も地形の把握には必要だろうと考えられます。
 それにしても、8月の救助活動を思い起こす時、遭難者が一体何処へ迷い込んだか皆目見当が付かない中、陸から空からの捜索には様々の苦労がありました。

 いつもそうなのですが、山岳での遭難には、当事者や仲間・関係者の皆さんはもちろんのこと、多くの人たちの労苦を厭わない献身的な救助活動が必ず存在します。
 県警山岳警備隊の古崎分隊長や谷口隊員をはじめ、朝日岳方面遭対協のメンバー一人一人も、「もしもの時」に備えて、シーズン中はもちろん日頃からの訓練を怠らないでいらっしゃいますし、小屋の管理人として今回、救助訓練に参加してその労苦の一端に触れることが出来たことは大変意義があったと思います。

 秋晴れに恵まれた2日間、実りある訓練となりました。

2003/10/28  古崎分隊長の見守る中…

 夢中でした!   03.10.26 photo by kazuyuki taniguchi

 訓練でしたから、もちろん私以外は頑強な男性ばかり。体力には限界がありますし、身長及び足の長さにも当然差があります。
 遅れながらも付いて行くのがやっとでしたが、夢中でしたし、尚且つ必死。それでも「楽しかった!」と言ったらお叱りを受けるでしょうか…。
 警備隊や救助隊の皆さんが前後に付いていたとはいえ、歩くのは自分。
 身体いっぱいで、『山』を感じた瞬間です!!

2003/10/28  赤いヘルメットで、ゆかり「沢デビュー」!!

 な〜んて!!

 カッコだけは、何だか一人前のように見えなくもありませんが(笑)、実際は結構“ヘロヘロの手前”くらいでした!

 買っただけで付けたことのなかった、赤いヘルメット。
 5月の訓練以来の、ハーネスやカラビナ。
 独身時代以来の、「鋲付き地下足袋」。
 
 そして何より…
 
 一昨年「幻の大桂」へ行った時には、ただ夢中だけで、手を繋いでもらって歩かせてもらっただけで、今回ほどの感慨は無かった…。
 
 でも今回は、周りの空気も、紅や黄に染まる山肌も、そそり立つ岩も、流れ落ちる滝の姿も、沢の水の冷たさも、そして水の中の緑の苔さえも、何もかもがとても新鮮。
 
 一般登山道だけしか知らない、登山道しか歩いたことのない私が、殆ど初めて歩いた沢。

 『あれも山』、そして『これも山』…

2003/10/28  「ぼーっ。。。」、そして「ウロウロ。。。」

 タカネバラ    青ザク付近   03.9.30  

 15日の小屋閉め・下山から、明日でちょうど2週間。
 もう2週間経ったというべきか、未だ2週間しかというべきか。

 14日間のうち、他の山小屋に行ったり訓練に行ったりしていたのが5日間だから、家に居たのはわずか10日足らず。「ぼーっ。。。」として「ウロウロ。。。」して当たり前かしら(苦笑)。

 3年目のシーズンオフでも、今年も“浦島太郎”状態なのは相も変わらず(再び、苦笑)。
 下山後数日は、身体も心も放心状態であり、また虚脱状態。。。
 家の台所に入っても、ゴミの分別に戸惑ったり、曜日を完全に間違えたり。
 チョッと車を走らせても、国道沿いに見知らぬ建物が出現したり。
 スーパーへ行けば、売り場が変わっていてウロウロ捜したり。

 それにしても、今シーズンオフは一昨年・昨年以上に忙しくなりそう…。
 11月はもう、行事やら会合やらパーティーやらの予定が幾つか詰まっていて、その間の隙を埋めてどこか低山へでもと考えているのだけど、果たしてどうなることやら。

 「管理人日記」を楽しみに読んでくださっている皆さんには、時に申し訳ないけれど、いろいろ事情もあって毎日書けないのも事実で、未だ日常のペースが掴めてないからもあるのでお許し頂きたく。。。

 でも、今日は本当に久々、溜まっていた日記を一気に書いてかなりスッキリ。

 ただ、実は明日からまた山へ行ってくる予定。
 決していろいろ焦っているわけではないのです。でも本格的に雪が降って身動き取れなくなる前に、どうやらチャンスがありそうなので…。
 
 明日以降、またしばらく日記はお休みとなってしまいます。ゴメンなさい!!


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