北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

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アップダウンを繰り返し、いざ栂海山荘へ

2004-04-27

彼方に聳える犬ヶ岳(左)、初雪山(右)   04.4.22の画像

彼方に聳える犬ヶ岳(左)、初雪山(右)   04.4.22

 翌22日は、結構風が強いものの、青空が広がるお天気に恵まれました。
 早朝坂田峠から登っていらっしゃる小野さん達一行より、私たち“先発隊”はとにかくひと足早く栂海山荘に着かなければと、7時半には白鳥小屋を出発しました。
 前日の金時坂が『春の行』であるならば、激しいアップダウンを繰り返しながらの栂海山荘までの道のりは一体何と形容すればよいのやら。。。私にとっては、かなり覚悟の必要な行程です。
 白鳥山を下り、下駒ヶ岳を登りそして下り、菊石山を越え、“黄蓮の水場”から“黄蓮の頭(かしら)”へと続く厳しい黄蓮山の登りに喘ぎ、最後の栂海山荘までのキツイ登り。。。細尾根の急な登りの向こうに見える山荘の赤い屋根がなかなか近付かないで苦しみましたが、今年もどうにか春の栂海山荘に辿り着くことができました。
 
 お天気が良かったので、着いて早々“先発隊”3人で小屋の戸や窓を開けて空気を入れ、湿気で重たくなった毛布を屋根の上に干したりと作業を開始。夕食の準備も始めました。
 
 まだ陽の高いうちに、小野さん他のメンバーが到着。坂田峠から一気にやって来た皆さんですが、健脚揃いばかりで「さすが!」のひと言です。
 夕方までお天気はまずまずで夜には満天の星空も見えたのですが、天気予報は最悪で、翌23日には冬型の寒気が入り込んで大荒れの予報。
 お天気が良ければ、23日は黒岩平まで恒例の“お散歩”の予定でしたが、どうやら叶わぬ様子か。。。

一転して、まるで冬山の様相…

2004-04-27

雪の付いた、黄蓮のブナの林   04.4.24の画像

雪の付いた、黄蓮のブナの林   04.4.24

 23日は、朝から雨。この日登って来る予定の、まーちゃんとひとみさんが心配です。
 もちろん黒岩平までの“お散歩”は中止。朝のうち少しだけ小屋の中の片付けなどをした後は、外へも出られない悪天となってしまいまさに“沈殿”状態…
 となれば、することは他にはなく時間も気にせずアルコールが入り上機嫌で話の華が咲くか、あるいは毛布に包まるだけとなってしまいました。
 
 午後になってまーちゃんやひとみさんの到着が待たれる頃には、外は霙まじりの強風が吹き荒れるようになりました。気温もぐっと下がって来ました。
 午後3時過ぎ、二人が到着。小屋で心配していたみんなにもようやく安堵の表情が浮かびました。

 しかし、夕方を過ぎてお天気はますます悪くなる一方です。翌24日にはどうしても下山しなければいけない私は、内心かなり不安でした。
 今回どうしても他の皆さんより一日早く下りなければいけなかった私。一緒に下山してくれる予定のシュンちゃんの他に、あまりの悪天候を心配して、カタクリクラブの斎藤さんと相澤さんが同行して下さることに決まりました。
 
 明日はどうするのか。。。
 どうしても下りないのなら、何とか下界と連絡をとって用事をキャンセルし、下山を一日延ばすか。。。

 ただでさえ、栂海山荘から白鳥山までの(最終的には坂田峠までだが、とにかく白鳥小屋まで)長くて急坂のアップダウンを心配している私は、唸りを上げて吹き荒れる外の天気に正直言ってかなり気持ちがぐらつきました。

 しかし諸々を総合的に判断し、「決して無理はしないが何とか下山できる、下山する!」と決めた私は、闇夜に雄叫びをあげるように荒れ狂う外の猛吹雪を気にしながら、とにかくゆっくり身体を休めることにしました。

春山の楽しさ、そして怖さ

2004-04-27

吹雪の中での下山、 とにかく記念撮影だけでも。。  04.4.24の画像

吹雪の中での下山、 とにかく記念撮影だけでも。。  04.4.24

 一晩中荒れ狂ったお天気は、24日朝になっても収まらず、新雪は栂海山荘前で約20cm。2日前までの夏を思わせるような陽気が一転し、まさにこれが春山の怖さか…という思いが過ぎります。
 小野さんはじめ、他の皆さんとゆっくり小屋の前で記念写真を撮る余裕もないくらいの悪天候。
 しかし、栂海新道のヤブ刈りに毎年汗を流してまさに「自分たちの“庭”」のようにしていらっしゃるカタクリクラブの斎藤さん・相澤さんのお二人、そしてどんがら山の会の村山さんの同行で、とにかく私さえ頑張れば何とか…という思いで栂海山荘を出発しました。

 「とにかく事故なく下山しなければ」「他のメンバーに迷惑は掛けられない」と、気持ちが“しっかり”していたせいもあるのでしょうか、いつもなら「また辛い登りかぁ。。」と萎えてしまいそうな時にも頑張れました。また、ホワイトアウト状態の中でも皆さんの確実なルート取りもあって、頑張って歩けたように思います。
 
 下駒ヶ岳を過ぎて白鳥山への登りにかかる辺りで、サーッと青空も見えてきました。雲の流れが速くお天気は安定してきたと言うほどではありませんでしたが、白鳥小屋に着く頃には振り返ると犬ヶ岳もはっきり望むことが出来ました。
 白鳥山からの下りでは、太陽が顔を出して暑くなってきたほどでした。

 坂田峠に無事下山。栂海山荘の出発から約5時間15分でした。
 今回は、私の都合で小野さんと一緒に歩くことが出来ず残念でしたが、また次回。
 
 春山の楽しさ、素晴らしさ。そして一転した天候、その怖さ。
 とても貴重な経験となりました。
 

栂海山荘周辺の様子

2004-04-27

22日は、こんなにいいお天気だった!!の画像

22日は、こんなにいいお天気だった!!

 上の写真は、22日夕方に到着してから栂海山荘の周りの除雪に精を出すどんがら山の会の村山さんです。
 
 坂田峠〜白鳥山〜犬ヶ岳までの栂海新道ですが、昨年と比べると場所によっては少し残雪は少な目かと思われます。
 しかし、「全く少ない」というわけでもないようです。
 また今回のように、春山も気象条件によっては一転して冬の様相に逆戻りし降雪もあるわけですから、夏に近付いて残雪の様子がどうかというのは、もう少し経ってみないとなんとも言えないかもしれませんね。

「安全登山技術研修会」

2004-04-28

越道峠直下を行く   04.4.25の画像

越道峠直下を行く   04.4.25

 栂海新道から帰った翌日、25日には大蓮華山保勝会主催の「安全登山技術研修会」が行なわれました。
 これは、6月末の朝日岳山開き登山会でリーダーやサブリーダーを務める大蓮華山保勝会の会員が、安全な山開き登山会の実施の為に、雪上での登山技術の習得を図ろうと毎年開いているものです。
 
 当日は、保勝会から蓬澤会長以下15名が参加。県警山岳警備隊からは平野分隊長と谷口隊員を講師として迎え、小川温泉元湯から先の小川本流から越道峠付近を中心に実施されました。
 前々日からの週末に降ったと思われる新雪を踏みしめながら、小川本流の谷に入りました。途中までは徒渉もしながら谷の中に沿って歩きましたが、上部では雪塊がかなり残っていて危険な箇所もありましたので、杉や雑木が植わっている斜面に上がって時に新雪の中をラッセルするような形で進みました。
 休憩地点では、警備隊員の方たちから繰り返しロープワークを教わったりしながら、一路越道峠を目指しました。
 途中の訓練を挟んで歩き初めから2時間半程で、越道峠に到着。
 昼食を挟んで、再び警備隊員の方からロープワーク、雪上での登山者の安全の確保や補助の仕方、各種用具類の説明や使い方、ザイルの使い方や支点の取り方について等などの講習が行なわれました。
 
 越道峠での積雪は未だ約2m以上はあります。谷筋や影になっている箇所では、もちろんそれ以上の残雪があるようです。
 週末からの新雪は、小川温泉元湯を出てすぐの林道でも見られ、また越道峠付近では平均して約15cm程はあったでしょう。
 
 芽吹き始めたばかりの眩い新緑と残雪の織りなす素晴らしい春の光景の中で、6月末の山開き登山会に向け、有意義な講習会となりました。

間近かに

2004-04-28

越道峠から望む   04.4.25   の画像

越道峠から望む   04.4.25   

 抜けるような青空の下、どの峰々も眩く輝いて見えました。
 写真は、越道峠から見た恵振山と、その奥には雪煙を上げる朝日岳。

お世話になります!!

2004-04-28

県警山岳警備隊のお二人です!の画像

県警山岳警備隊のお二人です!

 今シーズンもお世話になります、県警山岳警備隊のお二人をご紹介します。
 右は、前任の古崎分隊長に代わって着任された、平野正樹分隊長です。大沢野署から異動になられました。
 左は、引き続きお世話になります、谷口和幸隊員です。5月21日からは約1ヶ月間にわたり、マッキンリーへ遠征される予定です。

 若いお二人。いろいろと大変だとは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします!!

ゆかりの連休は…『山』

2004-04-29

白鳥山から朝日岳方面を望む   04.4.21の画像

白鳥山から朝日岳方面を望む   04.4.21

 今日から“大型連休”が始まりました。
 私はこの連休、また山に入ります。
 
 今日29日〜5月2日までは、立山室堂・剱沢方面へ。
 そして、5月3日〜5日までは北又へ行って来ます。
 
 またまた日記のお休みが続いてしまいますが、ひたすら「勉強」ということで、どうぞお許しください。
 
 連休が終わると、いよいよ小屋開け準備本番です。それまで、『山』に…。
 
 では、行って来ます!!