北アルプス 朝日小屋

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「女性の年齢」が分からない・・・特別編

2001-12-14

「三県山岳遭難対策連絡会議」にて   01.12.4

     富山県警入善署・古崎隊員と、長野県警T署・Oさん

 『女性の年齢』について「その1」を書き、「その2」をいつ書こうかと思っていたら、「特別編」が入って来ました。これはその一部始終…の巻。

 12月4日の連絡会議の後半は、恒例(?)の懇親会。各県の山岳警備隊員や山小屋関係者、救助隊員の中で、女性は私と岐阜県警の若い事務局の方の二人だけ。初参加の私は名刺を持ってご挨拶に廻るのに忙しかったのです。

 そんな中、長野県警T署のOさんがわざわざ私の席の前に来て下さいました。「清水さん、ご苦労様です。いやぁ、いろいろ大変でしょう…」と始まってひと言ふた言、そのうち「実は、僕の署にイイ奴が居るんですけど…」

 「はあ、はぁ、ハア…???」「えっ、何をおっしゃりたいんです…か???」

 「清水さん、どうかナと思って」

 「ええ!!だって私、今年20歳の娘がいるんですよ!それから、高校2年の双子と中学1年の末っ子。娘ばっかり4人もいるのに!!」

 「エエェーーー……、ウソでしょ!?」

 それからは、ウソでしょ、ホント、の押し問答。回りに居た朝日町の皆さんも大笑い。余りに信じてくれないので、偶然デジカメに入っていた長女の着物姿の写真を「これ、うちの娘」と見せたけど、それでも彼は半信半疑。

 今年30歳になるOさんは、清水ゆかりは自分の1〜2歳年下だと思い込み、自分の後輩を紹介しようと、わざわざご挨拶に来て下さったらしい。…という事は、私は28歳に見られた!?

 …うふ。綺麗に見られる事はなくても、やっぱり女性だから若く見られて悪い気はしないものですね。

 「Oさん、職務質問の時、騙されたらダメですよ、女性の年齢は分からないんだから!!」

 上の写真は、私の実年齢を聞き、キツネに騙されたようなヘンな顔のOさんと、とても陽気な古崎さんです。

「夢」と「勇気」と「元気」を

2001-12-14

 シモツケソウと朝日小屋  8月中旬

 昨日もいくつかのメールを頂きました。いつもいつも日記を見ていただいて、本当に嬉しく思います。「ゆかりちゃんの行動力は、自分の元気の素」、「ゆかりさんの行く所、やっぱり出会いやふれあいがあるんですね」という内容でした。

 いろいろな方と接してみると、それぞれみんな結構辛い事や苦しい思いを抱えているんだなぁと驚いたり、どうしてこんなに大変なのに頑張れるんだろうと思ったりしますが、もし私の日記を読んで下さって、「さぁ、明日も頑張ろう!」と思っていただけたら、こんな幸せはないと思います。

 いつだったか、「ゆかりは、どうしていつも前向きなんだろう」と私の友人が話していたらしい。私だって、時にはグズグズする事もあるし、知る人ぞ知る「思い切り泣き虫」。…だけどやっぱり性分かな。

 いつかの哲也のおばあちゃんの「七字のうた」にあったじゃないですか、あれですよ、あれ…。

       よわねをはくな    くよくよするな

       なきごとをいうな   うしろをむくな

 メールを送ってくださる皆さんへ…

 最近、ウイルスに感染したメールが幾つも届きます。

 幸い、私は未だ感染していないのですが、悲しいことに、一体どなたから届いたメールなのか判断が出来ないものが多いのです。まさか緊急の内容はないと思いますが、もしよろしければ違う通信手段でご連絡下さるか、復旧した場合にもう一度ご連絡下さい。

今だから話せる…「今年一番の大失敗!!」

2001-12-20

 朝日町蛭谷地内・「夢創塾」から眺める

             朝日岳と前朝日岳  01.11.11

 年の瀬もいよいよ押し詰まり、何だかドタバタと毎日を送っています。皆さんは如何お過ごしでしょうか。2001年はどんな年だったか。今年を振り返り反省し、それを口実に連夜の忘年会で騒いでみたり(!?)…、それもまた年末の恒例かもしれませんね。

 さてさて、「新米管理人」としてのシーズンを反省すると、それはそれはいろいろな事がありました。様々な場面での出来事はその度にこの日記でも皆さんにお伝えして来ましたが、実は「今だから話せる…今年一番の大失敗」というのがあるんです。『大失敗』は数々あれど、これはその中でもかなりのもの。。。

 思い出したくもない(笑)、あれは未だ哲也と二人でシーズン直前の荷物の片付けに追われていた時分ですから、7月10日過ぎ頃だったでしょうか。

 忙しかったのとお天気が悪くて遠くまで行けなくて、小屋の周りでウロウロとデジカメを片手に、少しづつ咲き始めた夏の花々を撮っていた私。ある場所で、とても可愛い、とても可憐に咲いている花たちを見つけました。早速、デジカメで写したのは良かったのですが、何しろ新米管理人、花の名前が判らない。哲也に聞いても、彼も「さぁ…??」。

 そこで二人で小屋に置いてある高山植物の本をいくつか開いてみると、ちゃんと載っているじゃありませんか『チョウノスケソウ』…な〜んだ、「チョウノスケソウ」っていうのか。しっかり書きました、日記に、もちろん花の名前も。

 ところが白高地沢へ橋を架け直しに行った時、室堂から応援に来てくれた梅さんに哲也がその事を話したそうです、「チョウノスケソウがあったよ」と。

 その直後、室堂へ帰った梅さんから電話がありました。「ゆかりさん、朝日小屋の周辺に本当にチョウノスケソウがあったんですか?もしそれが本当なら、これは大変な発見なんです。室堂へ良くおいでになる富山大学の○○先生が、それについて大変お詳しくて、本当かどうか確かめてくれという連絡が入っています。もう一度、見て来て下さい!」

 慌てて哲也と二人、その場所へ走りました、何冊も本を抱えて。小雨が降る中、花や葉の特徴を一生懸命観察してみると…じゃじゃ〜ん…違います、明らかに「チョウノスケソウ」ではありません!!

 どうしよう、室堂へはどう言って報告しよう…正直に言うしかない…そして室堂山荘へ電話すると、梅さんに「な〜んだ、やっぱり」と笑われてしまいました。とほほ。

 大騒動になる直前に決着がついて良かったと、すぐにHPから削除したのはもちろんです。それから暫くは、誰かに何か言われないだろうかとドキドキし、大きな影響が出ないように願っていたのですが…。

 夏山シーズンも本格的に始まろうとしていた7月20日直前だったでしょうか、受付を済ませたお客様から

  お客様「ところでHPで見たんですけど、チョウノスケソウは本当にあるんですか?どこにあるんでしょう?」

  私  「実は…あれは間違いだったんです。本当に申し訳ありませんでした!」

  お客様「やっぱり。朝日小屋の前にあるわけないと思いながら、でも本当かなと思って、楽しみにして来たんですよ」

  私  「すみません、穴があったら入りたいです…」

  お客様「何だったら、穴、掘りましょうか!?」

 大爆笑でケリがついたから良かったようなものの、それからは判らない花の名前は本でちゃんと調べ、時には増村さんにメールを送って確認して頂いたりしました。でもこの事件があってから、管理人の責任と未熟さを痛感し、花の名前に興味がもてるようになりましたし、その特徴を注意深く観察するようにもなりました。

 お客様の「何だったら、穴、掘りましょうか!?」…あのひと言は、絶対に忘れられません(笑)。

これが、ホンモノの「チョウノスケソウ」です!!

2001-12-20

『チョウノスケソウ』(バラ科)

 その後、夏山シーズンが終わった頃、ホンモノに出会う事が出来ました。

 これが、ホンモノの「チョウノスケソウ」です。

 秋に撮影しましたので、花が終わり、果実が綿毛のようになっているのが分かりますか?羽毛状になり、飛ばされるそうです。

 「チョウノスケソウ」は、発見者の岩手県・須川長之助の名前から付けられました。高山の砂礫地や岩場、崩壊地等に分布します。チングルマに似ていますが、花が5弁のチングルマに対して、チョウノスケソウは大体8弁。草ではなく、落葉小低木。

 そして特徴的なのは、少々肉厚で小判型、切れ込みがある葉です。

 えっ、私達が間違えた花は本当は何だったかって??…とても恥ずかしくて言えません(笑)

 でも、チョウノスケソウと同じ「バラ科」の花だったからよく似ていたというのは、やっぱり言い訳かな…

一年間、いろいろ有り難うございました!!

2001-12-31

青空に、雄々しく聳える「朝日岳」  2001.12.25

 2001年も、残すところあと2時間余りとなりました。私はようやく家事も一段落して、今やっと今年最後の日記を書き始めました。

 「新米管理人」として、無我夢中で過ごした一年間でした。

 いろいろありましたが、シーズンを通して何とか無事に過ごす事が出来たのも、支えて下さった周りの皆さんをはじめ、励まし続けて頂いた沢山の方々のお陰と、本当に感謝しています。

 ホームページを立ち上げようと思った時には、「管理人の日記」を含めてこんなに反響があるとは思ってもみませんでした。でも遠く北海道から九州・沖縄まで、朝日小屋においでになった登山者の皆さんはもちろん、山へは全く登った事がないとおっしゃる方まで、いろいろな方々が声をかけて下さいました。本当に有り難うございました。

 楽しいことやうれしいこと、また辛いことや苦しいこと、様々な出来事を通して考える事が沢山ありました。来シーズンは、もう少し、もうひと回り大きくなりたいと思っています。

 今年、シーズンを終えて一番感じたこと。…「笑顔」の大切さ。

 来年、目指すのはやっぱり「太陽」…キラキラ輝く太陽のように、そしてポカポカ温かく包んでくれる太陽のように。大きな大きな目標かな。。。

 2002年もどうぞ宜しくお願い致します。

 皆様もどうぞ良いお年をお迎え下さい。 

 また、北アルプスの最北端・朝日岳の朝日小屋でお会いしましょう!!

書き続けた「管理人日記」

2001-12-31

 ハクサンイチゲ   8月、朝日岳直下の斜面で

 昨日、友人に手紙を書きました。

 久し振りに自筆の長い手紙を書いて、新年に届くように投函して来ました。いろいろな事を伝えたかったので、本当はパソコンで仕上げるのが早かったのですが、気持ちを込めてペンを走らせました。相手の手元に届くまでの時間や空間、そして行間から伝わる想いを大切にしたかったのです。

 私のこの「日記」はかなりの文章量があるらしく、時々周りの皆さんから「よく書けるネ」という事を言われたりするのですが、私自身はそれ程大変ではないのです(笑)。

 それより、朝日岳の自然の素晴らしさを伝えたくて、また自分のいろいろな考えや想いをきちんと伝えたいと、そういう意味では、パソコンの画面に向かっていても自筆の手紙と同じ思いで、ずっと大切に大切に書き続けました。

 2001年3月に立ち上げた朝日小屋のホームページ。そして書き続けてきた「日記」ですが、振り返ってみると書いた日数は約160日程になりましたし、一日に複数のテーマで書いた事もありました。10ヶ月間約300日余りの間に、二日に一度は書いていたのですね。 

 あの真夏のシーズン最盛期の間も、「唯一携帯電話が繋がるアルバイト部屋」をお客様に明け渡した時以外は、殆ど毎日書いていました。昼の時間や、仕事が終った夜中にも書いていました。ずっと協力してくれたアルバイトのみんなには、本当に感謝感謝です。

 今思い返しても、「あぁ、あんな事があったナ」とか、「あの時はあんな気持ちだったナ」とか、その時々の情景や出来事が手にとるようにわかります。

 来年も出来る限り続けていきたい「清水ゆかりの小屋番日記」、頑張りますのでどうぞ応援して下さい!!

新年1月3日、チューリップテレビで1時間番組放映!!

2001-12-31

「陣中見舞い」に行って来ました … 編集中の皆さん

  オン・エアーとやまの下田会長、編集の塚村さん、

   そしてチューリップテレビの西山さんと  オン・エアーとやまにて

 今富山県内では、とんでもない(笑)「番組宣伝」が一日の内に何度も放送されています。

 実は、新年1月3日の夕方5時から、チューリップテレビで『山小屋物語』が放送されるので、その前宣伝がここ暫くバンバン流れているのです。

 朝から昼からそして真夜中まで、朝日小屋の勇姿の後に私のとんでもない「笑顔」が…、その後には素晴らしい紅葉。あら本当にどうしましょう、という感じ…です。

 富山県内限定放送なので、他県の皆様には様子だけお伝えする事になりますが、お許し下さい(笑)。

 8月12日にも番組があったのですが、今回はシーズン前から10月の小屋閉めまで、そしてその後の私の様子も入れての放送です。私も途中まで見せて頂きましたが、なかなか!?…の出来かしら。約40時間に及ぶ撮影テープの中から選ばれたいろいろな場面が盛り沢山で、見ていても結構面白いと思います。

 新年早々でナンですが(笑)、良ろしかったらご覧下さい。