北アルプス 朝日小屋

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「テーマパーク」

2003-03-03

彼方に見える大地山を目指す  03.2.28  photo by shun

 彼方に見える大地山を目指す  03.2.28  photo by shun

 先日のニュースで、長崎県佐世保市の大型リゾート施設「ハウステンボス」が、自主再建を断念したと報じられました。負債総額は約2,289億円。正直言って、どんな額なのか想像もつきませんが。。。
 元々人ごみが嫌いで、ワンサカと大勢の人が集まるような場所を苦手とする私(酒も弱いが、人ごみにも酔ってしまう)ですから、「テーマパーク」と呼ばれる施設にはあまり縁はないのですが、実はハウステンボスへは行った事があるんですヨ。
 管理人になる前まで勤めていた個人の開業医(院)が解散する直前に、職員4人で九州へ思い出旅行へ行って来ました。その折いろいろ観光名所を巡りましたが、「やっぱり、話のタネに一度は行ってみたほうが…」という旅行会社の勧めでハウステンボスもコースに入れてもらいました。
 正直言って、私は行きたくありませんでした。オランダがテーマと聞いていましたが、「なんで長崎を訪ねて、オランダなの?」の思いが拭えず、あまり気乗りがしないままゲートをくぐったのですが、結果はやっぱり。。。他のみんなも「1回来ればイイわ」との意見でした。
 先の見えない未曾有の不況の中、長崎県や佐世保市、また関係者の皆さんへの影響はかなり大きく、同じ観光産業に関わる者として、この御時世では決して他人事とは思えません。
 破たんの原因は諸々あるとは思います。ここでそれを論じても仕方ありませんが、私のようにあまり観光地を巡ったことがなく何処へ行っても珍しい者は、異国情緒溢れる長崎県の従来からの観光スポットに大いに感激し、地方の言葉を聞いても名所旧跡を廻っても充分に楽しむことが出来ました。
 そんな私にすれば、今回のハウステンボス“夢の城”の破たんは、「観光」の在り方をつくづく考えさせられる機会でもありました。人工の“作りモノ”や“にせもの”が全て悪いとは一概に言えるわけもありませんが、実際行ってみてハウステンボスにはかなり『ムリ』があるのではないかと感じました。「もう一度行きたい」というリピーターの観光客がいなかったということも、テレビでは論じられていました。
 それにしても。。。
 中小業者がどれだけ負債に苦しんだところで、金融機関が借金を棒引きしてくれたという話は聞いたことがありませんが、メインバンクが2度にわたり総額533億円の債権放棄を実施したと聞けば、「世の中、どうなっているの?」と思いたくなるのは、私が僻んでいる証拠でしょうか(苦笑)。