北アルプス 朝日小屋

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私の春山第一弾…大地山

2003-04-14

初雪山をバックに記念撮影   photo by 自動  03.4.13

 初雪山をバックに記念撮影   photo by 自動  03.4.13

 行って来ました!、春山第一弾「大地山」(1,167m)。
 1月以来の山歩きは結構キツくて、いつもながらの“珍道中”でしたが(笑)、それでも久々に山を歩いた爽快さと心地良い疲れを感じることができて、本当に行って良かった嬉しい春の山歩きでした。(後から“波乱”もありましたが…)
 金曜日に急遽決まった山行でしたが、偶然にも同じ山系へ行きませんかと誘って下さった他からの方達も合流して、今回のメンバーは8名。大地山は今年に入ってすでに4回も登っているというシュンちゃんをリーダーに、シュンちゃんの友人堀さんご夫妻、高岡から茜ちゃんパパとママ、“山の歌”さん、由起子さん、そして私。
 午前6時過ぎに朝日町蛭谷にある「夢創塾」横にある取り付きから登り始めましたが、北又からの登りで鍛えられた身にもかなり堪えるような、聞いていた以上に最初から急登の連続。175mの取り付きから638mの小さなピークまで、ビックリするような急な斜面がずっと続きました。
 本気で「何で来たんだろう、帰りたい。。。」と思いながらも(笑)、実はそう思う間もないくらい夢中で登りました。10歩歩いては立ち止まり、5メートル登っては呼吸を整え…、後ろから付いてきてくれるシュンちゃんには本当に申し訳ないくらいの“カメさん歩き”いや、カタツムリのような歩き方しか出来ません。
 638mまで登ってひと息つきましたが、そこからは今度はずっと雪の上を歩きました。何度も大地山へ登っているシュンちゃんは、ルートなどいろいろ説明しながら“名ガイド”ぶりを発揮してくれましたが、残念なことに昨日の天候はずっと全く周りが見えないガスの中。それでも、残雪のブナやミズナラの林の中を歩くのは何とも言えず心地良く、今まで数ヶ月間の心と体のモヤモヤが吹き飛んでいくようでした。
 そしてなかなかペースが掴めなかった私も、歩き始めて3時間程過ぎた頃からようやく「自分らしい山の歩き方」を思い出してきました。
 「ここから先、頂上前にかなりの急斜面が待っていて、80m程続くこれを登りきったら後はもう少しだよ」とシュンちゃんに言われ、さあこれからだ、ガンバルぞ!と張り切っていたら。。。
 実は、そんな遅足の私の事情をよく分かってくれている他のメンバーには、最初から先行してもらっていたのですが、ちょうど1,030m地点付近で急斜面を登る準備をしていたところへ、他の6名が上から降りてきました。「あんまり遅いから迎えに来たの?」
 「ゆかりちゃん、私たち上まで行ったけど、とんでもないもの凄い風が吹いているのよ。2人を待っているつもりだったけど、だだっ広いピークでは台風並みの突風にまるで南極か北極にいるみたいで、とてもじゃないけど立っていられなくて下りて来たの。2人ともどうする?今回はココまでにしておいたら?」
 「へぇ??。。。」
 …そんなわけで、先日の日記に書いたことが「正夢」になったように、今回は仕方なく頂上を断念することになってしまいました。本当に残念でしたが、“ホワイトアウト”状態になって何も見えないピークへ無理やり行ったところで、シュンちゃんはじめメンバーに迷惑も掛かることだし、「初めての大地山山頂」は諦めることにしました。
 今回の先行メンバー6名は、実はビックリするくらいの健脚揃いの皆さん。何度か大地山を登っている“元・U高校山岳部員”の堀さんをサブリーダーにして、見事なペースで山頂に立ったそうです。所要時間は4時間弱。
 そして私とシュンちゃんは、それから遅れること約1時間15分。頂上を目前に約1,030m地点で引き返しました。そこまで約4時間余り。
 風の当らない場所まで少し戻り、そして始まりました「お楽しみ・大宴会」。
 シュンちゃんから「ゆかりちゃん、堀クンの料理の腕は凄いんだよ」と聞かされていたので、今回は堀さんがメニューの決定から食材の買出し、そして調理まで全て引き受けてくださいました。
 宴会の効果があったのか(?)、お昼を過ぎた頃から青空も見え出しました。まるで何も見えずにただ黙々と歩いたのでしたが、大地山山頂はもちろん、初雪山への稜線、初雪山の雄姿、そして夕方近くなった下りでは途中で朝日岳と前朝日岳の姿も雲間から望むことが出来ました。
 あと半日お天気がズレていたらピークも踏めたのにと思うと少し残念な気もしますが、それでも「私の春山第一弾」としては、ステキなメンバーに恵まれ、とびきり美味しいご馳走を頂き、春の息吹を感じながら山々を眺められた最高の山行となりました。
 でももう少し山を歩いて鍛えないと、ダメですねぇ。つくづく体力と脚力の無さを痛感し反省しました…。