北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

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切り替えが上手くいかなくて。。。

2003-12-21

オオバタケシマラン    03.9.13

 オオバタケシマラン    03.9.13

 管理人になって3年目。
 まだまだ、「上」での生活と「下」での生活の切り替え(頭も行動も)がどうにも上手くいかず、そのことが今回のような「プチ・鬱(うつ)」状態の遠因であったり、ある時は直接の引き金だったりするような気がします。
 
 「上」に居る間は、4ヶ月。わずか一年の3分の1の期間でしかありません。しかし、その4ヶ月以外にも準備や後始末にかかる期間があり、事務仕事をする時間や、時には会合や打ち合わせなども続きます。
 管理人生活も3年目となると、今私の生活の殆どは『山』を中心に廻っています。
 
 今年は10月15日に小屋閉めをして山を降りて来てから、10月中・下旬、そして11月いっぱい忙しい日が続きました。
 祖母谷温泉・阿曾原温泉への研修登山、遭対協訓練、烏帽子岳・野口五郎岳山行、島々の環境省事務所へ出掛け、佐伯友邦さんのパーティー出席、雨飾山山行、白鳥山山行、三県遭難対策連絡会議出席(新穂高温泉)、写真家・中西俊明さんを励ます会(東京)。
 そしてその間にも、会合やら頼まれた講演やら。飲み会やひと足早い忘年会もありました。忙しくても充実した時間と空間があり、忙しいからこそ何でもパパッと片付けて動くエネルギーが充満していた私でした。
 ところが、東京から帰って12月に入ったとたん、パタッといきなり「ヒマ」になったのです。もちろんやらなくてはいけないコト、やろうと思えば諸々用事はないわけではないのです。
 でも「上」での生活と「下」での生活は、余りに違いすぎます。
 忙しくても、毎日毎日登山者の皆さんのお世話をしている小屋の生活の充実感が消え、この冬の間はポカンとしている日々が続きます。
 
 こんなこと書くと、まるで私がすごく「働き者」のように聞こえるかもしれませんが、決してそうでは無いんですョ・苦笑。
 毎朝仕事に出掛けて、人と話して働いて、疲れて帰って来て、休日には余暇を楽しむ…という生活が今は出来ないのです。時間があっても「縛り」がないと動けない、怠け者の性格もついつい顔を出してきます。
 
 「いいじゃない、遊んでいられるんだから。贅沢だわ!」
 「何か、趣味を持てば!?」
 「どこかへパートにでも出れば」
 「夏の間忙しいんだから、“充電期間”だと思ってゆっくりすれば??」
 
 皆さん、とても親切にアドバイスしてくださいますが、どうもなかなか。。。上手く時間を使えないし、ただの“貧乏性”なのでしょうネ。
 平日に山歩きができる「贅沢な身分」だと言われますが、今の時期はさすがに一人では出掛けられず、悶々としていたりして。

 最高8人家族。兼業農家の主婦として、勤めながら農家の手伝いをし4人の娘の子育てに追われていた日々。バレーボールやビーチボールや和太鼓のチームで活動し、PTAのやその他諸々の役員を引き受け…、とにかく毎日24時間では足りないという生活をずっと続けていた私。
 でも、今我が家は4人家族。子どもは末娘しか家に居ません。家族の為に使う時間もぐ〜んと減りましたし、家事などすぐに終わってしまいます。(…実際は手抜きしているだけなんだけど)夕食の片付けが終わった後などは、今までに味わったことの無いくらいのんびりと過ごしています。  
 そんな時間を少々持て余し気味の贅沢な悩みを抱える私ですが、新年になったら何処か冬の高山へ初挑戦したいと、今は本を読んだりいろいろ考えたりと、ちょっとづつ考えることが出来るようになりました。

 12月の初め、北陸地方はどんよりとした曇り空が続きました。鉛色のそんな季節の中で、私の気持ちと身体はどんどん下を向いていったのでした。
 「山」へ行くとあんなに元気なのに、ネ!!