北アルプス 朝日小屋

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『登攀証明書』

2006-04-26

自分が登ったルート辺りを背に  三つ峠・屏風岩にて  06.4.23の画像

自分が登ったルート辺りを背に  三つ峠・屏風岩にて  06.4.23

     2006年4月24日

     『登攀証明書』

              山岳ガイド 「風の谷」

 以下の者は、2006年4月22日〜23日、富士山を背後にした三つ峠において、岩登り講習に参加し、数多くのルートを登攀したことを証明いたします。

      氏名   清水 ゆかり

 岩登り講習は何の為に行うか?もちろん、登山の中でも最もエキサイティングな行為である岩壁登攀を行うためです。けれども、岩登りの全ての技術は、凸凹のある一般登山道を安全に歩くためにも、沢登りのためにも、積雪期の登山のためにも、ぜひとも覚えていただきたい技術です。しかし、今回の講習の参加者の大部分が「岩登り初体験」でした。その方たちに最も、身につけて欲しかったことは、岩登りのザイルワークの基本的なシステムです。パーティーがザイルで結び合った後、ビレーヤーはまずはメインザイルでセルフビレーを取り確保の体勢に入り、トップがそのピッチを登り切って、トップ自身のセルフビレーを取った後に「ビレー解除」のコールで初めて確保を解きます。また、余ったザイルを巻き上げて「ザイル一杯」のコールを受けて、トップはセカンドへの確保の体勢を確保して、初めて「登って来い」のコールをかけます。そのコールで初めてセルフビレーを解除して登り始める…。つまり、自分をセルフビレーしているか、パートナーに確保されているか、いずれかの状態で必ず安全が確保されている状態が続かなくてはならない…。これが、最も基本的なシステムです。実際の登ることの技術は、数多くの経験を積むことによって習得できますが、ザイルの結束と、このシステムの習得は、ぜひとも今回の講習で間違いのない状態にしていただきたい技術です。
 日曜日は間違いなく雨!、との情報の下で、土曜日はテントを張ると、飯も食わずに岩場へ、そして日没まで練習。二日目も雨が降る前まで…、とのことで早朝から練習。結局、決定的な雨は降らないままに、忙しい講習となってしまいました。手がパンパンに張り、小さな傷を手足に一杯作って、なかなか充実の二日間であったと思います。この講習を基礎に、もっと刺激的で冒険的な登山を開始する貴重な一歩となれば幸いです。

 私が週末に参加した岩登り講習会の講師である、山岳ガイド「風の谷」を主宰する山田哲哉さんから送られて来た『登攀証明書』を転記しました。