北アルプス 朝日小屋

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行って来ました!!…春の負釣山(おいつるしやま・959m)

2002-03-10

朝日岳の勇姿をバックに記念撮影 photo by 自動シャッター

 高岡のYさんご夫妻、黒部のシュンちゃん、由起子さん、そして私 7合目

 春が来たことを思い切り実感できる、そんな素晴らしいポカポカ陽気に恵まれた9日、負釣山へ行って来ました。1月に救助隊の訓練にくっ付いて「南保富士」へ登ってから、今度は「負釣山」とチャンスを待っていましたが、お天気も良さそうだし、同行してくれる相棒達も見つけていざ決行!

 朝7時半に麓の温泉駐車場で待ち合わせ。同行者は、自称「週末従業員」の由起子さんと、2年連続で朝日岳の山開きに参加して下さった黒部のシュンちゃん。シュンちゃんは負釣山が大好きで、昨年は17回も登り今年もすでに3回目だという事で、今回はこの時期初挑戦の由起子さんと私のガイドをお願いしました。

 車で行けたのは、オコ谷・中谷・ハヤ谷の分岐点まで。そこからオコ谷峠の登山口駐車場までいつものゆっくり歩きで約1時間、駐車場でかんじきを付けて出発しました(かんじきは、2合目上部で外す)。

 昨秋11月20日に最後に負釣山に登ってから、今度は春にぜひ来ようと密かに心に思っていましたから、またまた感激の言葉を連発しながら登りました。どうやら寒の戻りらしきお天気の6〜8日までの間に雪が降ったらしく、新雪は約10〜15cm程積もっていました。途中の景色の本当に素晴らしいこと!…新雪を被った「初雪山」がその名に負けずキラキラと輝いていました。

 調子に乗ってちょっとゆっくり歩きすぎて、7合目に着いたのは登山口出発から約3時間後の正午。一眼レフカメラを取り出して朝日岳の勇姿を写した後は、「さあもう少し頑張って、1時頃までには頂上へ着いてお昼ご飯にしよう」と再び登り始めました。

 「こんな良いお天気なのに、他に誰にも会わないねぇ」と言っていると、下から2人組のパーティーが登っていらっしゃいました。高岡からのYさんご夫妻で、「ラッセル泥棒をしてしまいましたが、お陰で助かりました。今度は僕が先頭を代わりましょう」とダンナさんがトップを歩いて下さいました。

 ところが、そろそろ負釣山最後の連続急斜面に差し掛かり、この斜面を何とか登り切ってしまえば頂上はもうすぐそこという急斜面に取り付いた男性2名がかなりの「苦戦」、そして…「まさかの撤退・登頂断念」をせざるを得なくなりました。撤退した場所は9合目〜頂上の間、頂上から高低差にして約30〜40m、夏道ならあと数分の地点だったそうです。

 「この時期の負釣山をちょっと甘く見ていた」という2パーティーとも、ザイルはもちろんピッケルも持っていませんでしたが、ふわりとした新雪の下はガチガチに凍っていて斜度もかなりのものだったようです(シュンちゃん曰く「氷壁だった」そうです)。2名の男性は直登で登り出したものの、これ以上は無理と判断して横に巻いてみようと試みましたが、女性3名には到底無理だと判断。

 3日にも単独で頂上まで登ったというシュンちゃんでさえ、「いやあ、かなりビビッた。登りを諦めて降りて来る時も、こりゃ落ちたら大変な事になると思った」と話していました。

 そして朝日岳がよく見える7合目まで全員で戻り、午後1時を過ぎてから昼食。「頂上へ行けなかったのはとっても残念だけど、こんな良いお天気の下で朝日岳を見ながら宴会できるんだから。今日はステキな出会いもあったし、最高の日だったネ」とビールやワインで乾杯しました。

 昨日のお天気なら、頂上からは朝日岳の勇姿、そして剣岳・毛勝岳・僧ヶ岳はもちろん、遠く北アルプスの峰々が眺められたと思うと結果的にはとても残念ですが、「もしかしたら滑落するかもしれない」という位の危険な急斜面を『勇気ある撤退』して来た事は、好判断だったという全員の評価でした。

 好天に恵まれた春山の“素晴らしさ”と同時に、低山とはいえまだまだ雪のある春山の“厳しさ”を同時に体験して、本当に行って良かったと思いました。

撤退。。。 photo by syun

2002-03-10

無念の撤退をした後。撤退場所は、まだこの上部です。
朝日町側に大きく張り出した「雪庇」を避け、慎重に降りる。

またまた、…籠っています!?

2002-03-13

「春の負釣山」続編 楽しそうな7合目での宴会風景
 Yさんご夫婦の作って下さった「煮込みうどん」
…最高に美味しかった!! photo by syun

 楽しかった土曜日の「春の負釣山登山」の後、またまた狭い部屋に籠って仕事をしています。税金も終わり、今度は今週末に頼まれている「講演会」の原稿・資料作り。

 「講演会」を企画したり司会を頼まれたり、聞きに行ったりする事は何度かあっても、さすがに自分自身が講師となって大勢の皆さんの前で壇上で話すというのは全く初めてなので、少々(かなり?)の準備が必要だろうと、先週から少しづつその作業に取り掛かっています。

 講演会は、16日(土)JA入善町の女性部総会後の「記念講演」で、約190名近い方々の参加があるそうです。時間は大体1時間15分の予定。あらあら…。

 ナンヤカヤと原稿を作ってみましたが、400字詰め原稿用紙に約35枚、字数にして約14,000字にもなりました。

 自らも何度か講演をした事がある末妹(アナウンサーをしている)に聞いたら、「私は原稿を作った事がないよ」と言われましたが、さすがに大勢の皆さんを前に「頭の中真っ白で、言葉が何も出て来ない」という事態だけは何としてでも避けなければいけませんから(笑)、いつも「お尻に火が点かないと動けない」という私にしては、珍しく早々と準備を進めています。

 それにしても、マイクを持ったつもりで大きな声で話し始めてみると、これが何と疲れること、くたびれること…。話し始めて10分もすると、へなへなと緊張の糸が切れそうになって大変です。ぺちゃくちゃ、といつもの友達とのおしゃべりなら何時間でもOKなのに…(笑)。加えて当日はずっと立ちっ放し、これは本番がかなり心配です。しかし、きっとこれが「最初で最後の晴れ舞台」となるかもしれませんから、張り切らなくては。

 この後、ナント「山渓」から原稿も頼まれてしまって、ここ暫くはじっと机に向かう時間が長くなりそうです。でも、24日に白鳥山へ行く計画を立てていますので、それまでじっと我慢してのデスクワークです。そういえば、増村さんも3月は原稿書きに追われるとかおっしゃっていましたので、ちょっと「陣中見舞い」に TELしてみようかしら…、とすぐ気持ちが他へ行きそうになりつつ、気分転換しながら…頑張ります!!