北アルプス 朝日小屋

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 「ファインダー」の中の世界…

2001-11-29

写真家・増村征夫さんと 長野県八坂村唐花見湿原にて  01.11.28

                    photo by nisiyama(チューリップTV)

 写真を撮ってみようかな…

 撮れるかなあ・・(不安)、でも撮ってみたいな…(期待)

 夏の終わり頃から秋にかけて、そして小屋を閉めて下山して来てから、写真家の増村さんや森下さんとご一緒する機会があったり、また他の山をゆっくり歩く事が出来て、いろいろ考える時間がありました。

 「三郎杉」他を研究していらっしゃる新潟大学の平教授は、「かけがえのない自然を守る事は勿論、それらの記録を残していくのはとても大切な事です。シーズン中ずっと小屋に居る管理人や地元の皆さんにしか出来ない事がありますよ」と話しておられました。

 …自分にとって「点」でしかなかった朝日岳と朝日小屋が、少しづつ「線」で他と繋がり、「広がり」を持って認識するようになって、「北アルプスの最北端」の山小屋管理人として私は<来年何を目指すのか><来年は何をしたいのか>を考えるようになって来ました。

 シーズン中ホームページ用にデジカメを使いながら、様々に変化する山の表情を見つめたり、雲や風の流れに身を置いたり、言葉では言い表せない程の夕焼けや朝焼けに心を奪われたり、可憐な花たちの様子を撮ったりするうちに、どうしてもデジカメでは上手く表現しきれない時があり、何だか少し物足りなさを感じ始めていたのも正直な気持ちです。

 そして考え悩んだ末、生まれて初めて手にした一眼レフカメラ。

 先ずは「完全メカオンチ」(それも少々じゃない)の私なので、写真家・増村征夫さんに弟子入りする事に…。青空の広がった28日には、そんな私の為に増村さんが、大町市隣の八坂村・唐花見湿原で「写真教室」を開いて下さいました。

 晩秋を過ぎ薄氷張る初冬の湿原で、ミヤマウメモドキを題材に個人指導して下さったのですが、何しろ難しい事はチンプンカンプンで、どうしようもない「生徒」に増村さんも大変だったと思います(笑)。

 でも、「ファインダー」を覗くと、そこにはいつもと違った世界が開けていて、とても気持ちがワクワクしてくるような、ドキドキするような不思議な感じがします。

 写真家の森下 恭さんには、「道具は時に希望と勇気を与えてくれます」という言葉を頂きました。「頑張れ!」というエールを送ってもらったと自分勝手に解釈していますが…(笑) 

 全く未知の世界でどうなるか分からないので、もう暫く皆さんには黙っているつもりだったのですが、増村さんに「宣言するのも、いいんじゃないですか」と言われましたので、自分を奮い立たせる為にも、ちょっとご報告しておこうかなと思いました。