北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

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徳本峠

2002-11-02

 徳本峠への道、トップでラッセルをする森下さん    02.10.29

〈その2〉…上高地から徳本峠小屋へ
 
 10月29日(火)朝の上高地は冬景色、一晩で約20センチ程は積もったでしょうか。10月末の突然の降雪に、上高地へ通じる幹線道路は除雪が追いつかず、バスも遅延しているとか。私達は曇天の寒空を眺めながらも、午後から回復しそうな兆しに出発準備を急ぎました。
 9時を過ぎて西糸屋山荘を出発。上高地が初めての私は、「へぇ、これが河童橋!?森下さん、写真を撮ってください!」と少々観光気分に浸りながら(笑)、小梨平キャンプ場の横を抜け梓川に沿って明神館まで、雪を踏みしめながら歩きました。途中、まだ黄葉のきれいなカラマツ林の上には真っ白な雪が降り積もり、薄く射し込む朝の陽の中で幻想的な雰囲気。
 明神館横で休憩。「穂高神社奥宮」と書かれた石碑にも雪が被っていました。すれ違った数組の観光客の方から、「何処へおいでになるんですか?」と声を掛けられながら徳本峠入口へと向かいます。
 白沢沿いの林道を抜け、黒沢と合流して登山道へ。この辺りになると後方には雪の付いた明神岳の岩肌が山頂付近まで見えて来ました。
 しかし同時に、徐々に雪も深くなっていきます。林道ではそれ程でもなかったのですが、標高が高くなるにつれて雪は森下さんの膝すぐ下辺りまで、吹き溜りでは膝上。森下さんと身長で約20センチも違う私では、雪は常に膝上以上…。
 黙々とラッセルする森下さん。通い慣れた道なのでしょう、そのトレースは夏道に沿って確実で、また常に歩幅など気を遣って下さいましたので、「冬山・超初心者」の私でも大丈夫でした。しかし、いきなり雪の量が多くなったと思ったら太腿まで潜る私、ちょっと気を抜くと置いて行かれそうになったり(笑)。
 それでも奮闘の甲斐あって(えっ、大奮闘したのは森下さん?)、明神館から4時間程で無事徳本峠小屋に到着することが出来ました。