北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

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人を愛し、人を慈しみ、山を愛し、山に教えられ。。。

2002-12-18

「天狗の親父」さん、有り難うございました。

 「天狗の親父」さん、有り難うございました。

         三県山小屋協会総会・懇親会にて   02.2.28

 17日、天狗平山荘の佐伯 守さんのご葬儀に参列して来ました。
 「天狗の親父」として、人のために力を惜しまなかった守さんのそのお人柄のせいでしょう、ご葬儀にはご親戚の他に、山小屋関係者、天狗平山荘のアルバイトOB、山岳警備隊関係、写真家、大学山岳部やスキー部、地元ライオンズクラブの皆さん等など、会場に入りきれない程大勢の皆さんが全国各地から集まって来られました。
 高校を卒業してから50年、どうしたら登山者の皆さんに喜んでもらえるかを模索し続け、山一筋、山小屋一筋に生きて来られた守さん、その生き様は3代目・賢輔さんにしっかり受け継がれようとしています。
 最後に、ありし日の元気な佐伯 守さんの姿がスクリーンに映し出されました。
 人を愛し、人を慈しみ、山を愛し、そして厳しい自然や山からたくさんの事を教えられ。。。「天狗の親父」さん、本当にご苦労様でした。安らかにお眠りください。

なに、コレ!?

2002-12-20

右は私の足、左は500gのオモリ

 右は私の足、左は500gのオモリ

 山にずっと入っていると、いかにも山歩きばかりして鍛えているかと思われているようですが(笑)、特に繁忙期の7月20日過ぎから8月中旬のお盆頃までは、よほどの用事がない限りは小屋の外をグルッと一周するくらいがやっとです。
 特に忙しい土・日曜日の私は、殆ど受付から離れることはありません。口はずっと動いているのだけれど(笑)、足も身体も椅子に腰掛けたままであまり動いていないのです。(トイレに行く時間もままならないくらいです)
 だからかぁ。。。山(小屋)にいても、ちっとも体力が付かないばかりか、9月になっていざ山を歩こうと思うと足も身体も重いのなんの。
 シーズンオフの間にもっと何かしなければと思いつつ、プールもジョギングも「1日坊主」(笑)。
 そこで…両足にオモリを付けて、一日中過ごす事にしました。
 実は、5年前に股関節の手術をした後3ヶ月間リハビリをしましたが、その時には同じようにオモリを付けてずっと『大腿四頭筋』他の鍛錬を続けましたので、家に居ながらにしてできるのはコレしかない!と、始めることにしました。
 オモリの重さは、片方500g。夜にちょっと足を動かす時には、もう500gを付けて片方1キロにします。主治医のY先生にも相談したら、「いいですねぇ、続けてください」と励まされました。
 春になって、オモリを外して登山靴を履いたら、足が軽くなったように動いてくれるかしら、期待しようっと!!
 …甘いかなぁ?(笑)

薄着に…

2002-12-20

入善町から見た、朝日岳   02.12.14

 入善町から見た、朝日岳   02.12.14

 先日お会いした阿曾原温泉小屋の佐々木 泉さん、礼服の下に半袖カッター。
 「えっ、泉さん半袖なの!?」と聞いたら、「おう、あんまり長袖持たんのヨ」
 「えっ、もしかしたら鍛えるため!?」
 「まあ、そんなところよ」
 …ふ〜ん、やっぱり違うなぁ。山男は。
 私なんて、昔は薄着で通していたのに、最近はちょっと寒いと思ったらすぐにフリースを一枚余計に着ようとするんだから。
 亡き郷さんの「着ているものが少しくらい濡れたって、自分の体温で乾かすもん」と考えは一緒で、やっぱり普段からの『心身の鍛錬』が大切なんだなぁ。
 山は、厳しいんだもの。納得。

忘年会…“週末従業員”大集合!!

2002-12-24

左から 美枝さん、由起子さん、ひろみちゃん、私   

 左から 美枝さん、由起子さん、ひろみちゃん、私   

                   02.12.20  由起子さん宅にて
 
 20日、今シーズン“週末従業員”として、大忙しの週末ごとに朝日小屋の厨房を手伝ってくれた皆さんと、今年の反省と称してお鍋を囲みながらのおしゃべりを楽しみました。
 3人の週末従業員の皆さん、今シーズンは一体何回朝日小屋に通ってくれたと思いますか!?…
 小屋開けにもヘリコプターで上がって来て手伝ってくれた美枝さんは、朝日中学校の集団登山会の時など、小屋閉めまでに忙しい時ばかり6回も。そして“天ぷらの達人”として、汗を拭きながら延々3時間以上も天ぷらを揚げ続けてくれました。
 “元気印一番”の由起子さん、今シーズンは山開きから小屋閉めまで8回も通って来てくれました。9月初めに交通事故で1週間も入院するアクシデントに遭ったにも関らず、本人曰く「日頃からの鍛錬と、重いザックを担いで山を登っているから・笑」ということでムチウチ症の後遺症も軽く、小屋閉めには驚異の復活を遂げたのです。
 そして“週末従業員・見習い”と言いつつも、昨年初めて朝日岳に登ってから『ハマッてしまった』ひろみちゃん。今年はナント4回もお手伝いに来てくれました。彼女に言わせると「あんな辛い道のりをやっとの思いで小屋に着いて、休む間もなく厨房を手伝うなんて想像もしていなかったけど、コレが出来るんだよねぇ。本当に不思議!」
 今シーズン一番込み合った7月最終土曜日には、この“週末従業員”の皆さんが絶大なる力を発揮してくれました。戦場のような厨房で、若いアルバイトのみんなの先頭に立って声を出し続けてくださいました。
 夕食の準備から後片付け、お弁当作り、翌日の朝食の準備までの全てを午後10時までに完了することが出来た(コレは驚異的!!)のも、若いアルバイトのみんなのパワーと、熟達した主婦の力・「お○○さんパワー」の結合があったからと思っています。
 女が寄るとかしましいのは当たり前、今シーズンの反省から来年の展望まで、ああだこうだと日付が変わるまでおしゃべりをしました。山のシーズンが終っても、皆さんのパワーは健在でした!!

忘年会…阿曾原温泉小屋の佐々木 泉さんたちと

2002-12-24

阿曾原温泉小屋の佐々木 泉さん  

 阿曾原温泉小屋の佐々木 泉さん  

  抱いているのは、阿曾原の番頭さん“大仏さん”(中山さん)の長男

 22日には、阿曾原温泉小屋の泉さんに誘われて、宇奈月の阿曾原温泉小屋「独身寮」での忘年会に行って来ました。
 新米管理人の私は、同じ山荘組合に所属している泉さんにはいつもいろいろ心配してもらったり声を掛けてもらっていますが、「お〜い、身内ばっかりでワヤワヤやけど、良かったら来んかい!?」と誘ってもらいました。
 今回は泉さんとステキな奥様、祖母谷温泉の峰村さんところの若夫婦、阿曾原温泉の番頭さん・大仏さんのご夫婦、それからアルバイトや居候のみんな等など、泉さんとその仲間が子ども達も含めて20名ほど集まりました。
 とびきりのご馳走は「キジ鍋」「地元で獲れた油の乗った寒ブリ」、他にもみんなが持ち寄ったご馳走がいっぱい、そして各地の地酒も。奥様のお料理も最高、本当に美味しかったです!!
 初めてお会いした皆さんもいらっしゃいましたが、とにかく山の世界は狭いので、話しているといろいろ繋がりがあって楽しい会話も弾みます。泉さんの気さくで面倒見の良い人柄のせいでしょう、若い人から年配の方まで、いつもいろいろな方が泉さんを慕って集まってきていらっしゃるようです。
 ご存知の通り、元富山県警山岳警備隊の隊員だった泉さん、話していると、心から山を愛し、自然の素晴らしさとともにその厳しさを知り、何より登山者の皆さんの事を真剣に考えていらっしゃるのが良くわかります。山に向かうその姿勢は、新米の私にいつも勇気と力を与えてくれます。
 これからもいろいろ教えて下さい。よろしくお願いします!!

2002年、本当に有り難うございました!!

2002-12-31

日本海に沈む夕陽  朝日小屋前から   02.7.28   

 日本海に沈む夕陽  朝日小屋前から   02.7.28   

 2002年も残すところ、あと数時間となりました。
 皆さんの一年はどんな年でしたか??
 …ステキなことはありましたか?
 …どこの山へ登って、どんな楽しい山行がありましたか?
 
 今年の私は、山・やま・YAMA…と言ってしまってはかなり大袈裟ですが(笑)、それでも「管理人2年目」は、シーズン中はもちろんのことシーズンオフも、1年目以上に毎日毎日が山と関った生活でした。
 楽しかったことはもちろん沢山ありました。
 数え切れないくらいの嬉しさもありました。
 寂しい思いや哀しい気持ちの時もありました。
 辛い思いもそれなりに。
 
 今年の反省は様々いろいろありますが(笑)。
 
 「どうだった?」と、周りの皆さんが心配してくれた今シーズンの賑わいですが、お陰さまで、繁忙期1ヶ月間の天候に恵まれたこともあって宿泊者数は2001年よりも少し伸びて、ここ数年の中でも多いほうでした。
 雑誌やテレビで紹介されて少しぐらい注目されたとしても、立山などのコースと違って、天候が悪ければお客様はおいでになりません。特に朝日小屋のような北アルプスの最北端の山ともなればアプローチが長い為、数日間安定した天候が望めないとすぐにキャンセルの連絡が入ります。
 今シーズンは7月上旬に早くも台風が接近し、「もしかして今年は台風の当たり年?」と心配しましたが、それほど影響が出るようなことはなかったようで、全般的に安定したお天気が小屋の営業には幸いしたと思います。
 
 事故・遭難は7月中旬から月末にかけて立て続けに数件あり、一時「件数で剣・立山方面と並んでいるらしい(?)」という事態もありました(山域の規模そのものが全く違うので、朝日岳での頻度が高かった事がわかる)。
 その多くが木道での転倒・骨折事故で、また炎天下での行動による熱中症と軽い高山病もありました。しかし不幸中の幸いというか、死亡事故はゼロでした。
 第一報を受けてすぐさま救助隊員の哲也や他のアルバイトのみんなが出動したり、私が無線に張り付き関係機関への連絡に追われたり、最盛期の小屋もかなりバタバタしましたが、運良くガスの晴れ間に間一髪ヘリコプターで救助し負傷者を素早く病院へ搬送できたケースや自力下山がほとんどでした。

 管理人生活も2年目になり、果たして続けることが出来るか内心「大丈夫かなぁ」と心配していた『管理人日記』も、たくさんの皆さんの励ましを頂きながら書き続けることが出来ました。
 そして今日、「管理人日記」のアクセス数が130,000件を越えました。本当に有り難うございます。
 シーズン中も、朝日岳登山を計画する中でこのホームページを見つけ、山行当日の出発間際までアクセスを続けてくださった皆さん。また下山後には、ご自分の山行と重ねてホームページを見ながら朝日岳を思い出してくださった皆さん。
 今シーズンは毎日のように受付で、「ホームページを楽しみにしていますヨ!」と声を掛けていただき、そんな皆さんからの応援があったからこそ続けられたのだと思います。
 
 一緒にシーズンを乗り切ってくれたアルバイトや週末従業員のみんな、
 草刈りや登山道整備など“縁の下の力持ち”として支えてくださった「大蓮華山保勝会」の皆さん、
 県警山岳警備隊や救助隊、朝日町役場など、関係各方面の皆さん、
 頼りない管理人を、それぞれの立場でいろいろと心配してくれた皆さん、
 そして何より、朝日小屋に来てくださった大勢のお客様、

 …本当に、皆様のお陰さまです。有り難うございました。
 …来年も頑張りますので、応援をよろしくお願いいたします。
 …どうぞ迎える2003年が、ステキな年になりますように。

来年も、もっと山へ行きた〜い!!

2002-12-31

朝日岳、山頂への道   02.6.17

 朝日岳、山頂への道   02.6.17

 管理人1年目の昨年、何やら『山』に目覚めた私。
 どうしたわけか(ン?)山へ行きたくて行きたくて(笑)、2年目の今年は春からあっちの山・こっちの山をかなりウロウロしました。
 
 1月には、救助隊の訓練に付いて雪の南保富士へ行きました。まさか自分が雪のある山へ登ろうとは…。
 3月初めには負釣山へ。残念ながら頂上直下での撤退はありましたが、初春の陽射しがこんなにも気持ちいいとは思いませんでした。
 3月末には白鳥山へ。みんなでワイワイ白鳥小屋で食べたご馳走とともに、春山の魅力に魅せられてしまいました。
 4月中旬に登った初雪山。雪面の急斜面を登り少しのヤブこぎも経験して、山の厳しさにも少し触れました。朝日岳を間近かに見て感激し、早く小屋へ行きたいと強く思いました。
 4月下旬には、犬ヶ岳・栂海山荘の小屋開けに参加。足を延ばして黒岩平まで行き、このまま朝日小屋まで行ってみたいと、本当に思いました。
 5月の連休に、室堂山荘の妹の所でお手伝い。その時に剱御前小屋(泊)まで行って来ました。朝焼けに染まる剱岳の勇姿に言葉もありませんでした。
 
 6月16日、小屋開け。「帰って来たんだ…」それからは夢中で過ごした4ヶ月でした。
 
 9月上旬。少しヒマになった朝日小屋、休暇を取り大日岳へ登って来ました(泊)。朝日岳を下りた翌日の山行で少し疲れもありましたが、ランプの燈る大日小屋でのひと時が心に残ります。
 大日岳から下山した翌日に蓮華温泉(泊)から入山、山麓道を通って雪倉岳(避難小屋泊)〜朝日小屋に戻って来ました。静かな山歩きでした。
 9月下旬。朝日小屋から雪倉岳を越えて白馬岳(泊)までを往復。苦手だと思っていた“登り”に対して、そして自分自身の山に対する見方や捉え方にも少し変化があったように思います。
 
 10月16日、小屋閉め。何だかとっても淋しくて…。

 10月下旬、薬師岳・太郎平小屋まで。雪もちらつきました。そして晴れ上がった青空の中に浮かぶ冠雪の北アルプスの山々。初冬の山の厳しさ、そして素晴らしさ。
 10月末。初めて行った上高地。そして膝から腰上まで積もった雪の中を、生まれて初めてのラッセルをして辿り着いた徳本峠小屋。青空にすっくと聳える穂高連峰・常念山脈、「登ってみたいなぁ」と思ったから不思議…。
 11月下旬、今年最後の山は負釣山でした。7合目から見た朝日岳、そして朝日小屋の屋根が見えてまたまた感激。「早く来年の小屋開けにならないかなぁ」そう思いました。

 来年も、もっともっと『山』へ登りたいと思います。