- 前朝日から見る、朝日平 2013.7.2
先日6月29日に、今シーズン初めて小屋泊まりのお客様がいらっしゃったと、報告しました。
6月24日に小屋入りしてから、すでに日帰りの方やテント泊の単独登山者も、この朝日岳を登って来られたことも書きました。
なぜか今シーズンは、例年になく、早いペースで登山者の方が朝日岳周辺を訪れていらっしゃいます。
今日は朝から雨降りですが、今年の梅雨が案外空梅雨気味なところから、登山者の皆さんの思いはすでに夏の山へと向かっているのでしょう。
しかし案外、今の時季の山は、もちろん新雪の積もった冬山ではなく、そうかといって登山道(夏道)が全て露出している夏山でもなく、天候の急変と残雪次第では、それなりに厳しい判断を迫られる場面もある、そんなちょっと難しい季節なのではないでしょうか。
実は、昨日も蓮華温泉から登って来られた単独の若者がおいででしたが、先日の小屋泊まりのお客様も同様、雪渓での「道迷い」でかなり苦労されたようです。
また、雪上の歩行技術に不安がありながら入山してこられたことで、危ない場面もあったようです。
どちらも、今の時季の北アルプス最北の山を登るには、準備や装備等など、少し不足しているのではないかと思われる様子がありました。
シーズンインしてから朝日小屋を訪れた数名の登山者の方は、いずれも小屋にご予約はなく、問合せのお電話もされていませんでした。
実力・技術ともに、全く問題なく入山してこられたお客様がいらっしゃる一方で、伺うと「どうして今の時季に?この山域に?単独で?」と思うような登山者もいらっしゃいました。
一歩間違えば、重大な『遭難事故』に繋がりかねません。
今年は「海の日」3連休が、例年より早くやって来ます。その頃になれば、少しずつ登山者の皆さんも山に入ってこられるようですが、それまでの7月12日までは、朝日岳周辺を歩いても誰にも会わないというような、この山域です。
この日記でも何度も書いていますが、ベンガラでのマーキングは、雪融けの状況やタイミングを見計らいながら、どうマーキングすれば歩きやすいか、夏道が露出してきた時との関係などを考慮しながら付けていきます。
梅雨時です。今日も、蓮華温泉方面へ登山道の点検とベンガラ撒きに出ようと計画していましたが、大雨と強風で作業は中止せざるをえませんでした。
それぞれの登山道の確認と、ベンガラなどでのマーキングは、天候をみながらの来週早々になります。
また、富山県警山岳警備隊と地元朝日町の遭対協での「夏山事前パトロール」は、今週末に計画されています。
今しばらく、北アルプス最北の山々を登山計画しておられる登山者の皆様におかれましては、真っ白な雪の上でガスっても位置を確認して歩けるよう、地図やコンパス、そしてGPSなど。
また、そろそろ雪面がかなり硬くしまってきています。アイゼンやピッケルなどが必要な場合もあります。
それらの準備・装備をしっかりして、体力や技術に応じた、無理のない計画で入山されますよう、重ねてお願い致します。