秋の山道
2001-10-20

私が歩くと、落ち葉がさくさくと音を立てます。
一人こんな道をゆっくり歩くのは、ただ幸せ…
この記事の URL : http://www.asahigoya.net/diary/2001/10/d20011020d.html
2001-10-20
私が歩くと、落ち葉がさくさくと音を立てます。
一人こんな道をゆっくり歩くのは、ただ幸せ…
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2001-10-22
中俣新道入り口で、案内役の平石武仁さんと 以下photo by yonetaka
21日(日)、新潟県糸魚川市小滝のヒスイ峡奥にある中俣新道から、栂海新道の黒岩山・黒岩平を訪ねました。早朝から出掛けた日帰り山行です。
以前より前管理人・下澤三郎と懇意にして頂いていた糸魚川・いりやま岳友会の中村光信さんから、「ゆかりさん、ぜひ中俣へいらっしゃいませんか」と再三のお誘いを頂いていました。
また山好きの私の主治医・Y先生からは、昨年よりずっと「どうしても中俣新道を登ってみたいんだ!」との熱いラブコール。
そして私はといえば、「やっぱり管理人としては、お客様が利用される登山道は、絶対に自分で歩いてみるべき」と考えていました。実は10月10日の遭難(騒ぎ)のお客様は、蓮華温泉へ下山するはずでしたのに、「吹き上げのコル」から間違って栂海新道へ入り、ナンと中俣新道を下りて翌朝「高浪の池」から連絡があったという顛末だったのです。その事もあってどうしても今年行けるうちに「中俣新道〜黒岩平」へ登ってみたいと強く思ったわけです。
そんなわけで、今回の同行者は主治医のY先生、いりやま岳友会からわざわざ案内役として平石武仁さん(平石さんは小屋閉め直前に朝日小屋でお会いしていました)。深まる秋を思い切り感じた、楽しい山行となりました。
ヒスイ峡から奥の林道入り口には施錠がしてありますが、中村さんのご配慮で鍵を開けて頂く事が出来ました。
取り付きから中俣小屋はすぐですが、そこを過ぎるといきなりの急登。恵振山の坂に慣れているとはいえ、振り返ると「こんな所を登ったんだ!」とビックリする位の急斜面です。しかし、それも少し我慢して登ればすぐにホッとするようななだらかな登山道が連続します。ここでもいつものように、同行のお二人には「私、ゆっくりしか歩けませんから」とお願いしました。平石さんは「いつも雨飾山の山行で、沢山の方を案内したりしていますから、ゆっくりには慣れています。大丈夫!」と、私の歩きやすいようにペースメーカー役を引き受けて下さいました。
一面が黄色い世界と勘違いする程、ずっとブナの林の中を歩きます。時に急登もありましたがそれ程長くは続かないし、最初からゆっくりのペースで歩きましたので、息切れもなし。いつも登りを苦手としている私を心配したY先生がビックリされる位、余裕の歩き。「これはもしかしたら、最近山を遊び歩いているせい(…成果!?)かしら」とひとり言(笑)
「いい道ですねぇ、いい山。私こんな道が大好き!!」…そんな言葉を繰り返しながら行くと、尾根道の途中からは視界が開けてきて、五輪山や犬ヶ岳の稜線が左右に見え始めました。そうなると、ブナ林の中をゆっくり歩いていた私の様子も、ナンだかうきうきした感じに変わり足の速さも調子付いて来ました。
歩き始めの取り付きから黒岩山直下の分岐点までは約4時間半。毎回の事ですがデジカメで写真を沢山撮り、ゆっくりおしゃべりもしながら歩いたのですが、コースタイムの5時間より早く到着しました。
黒岩山の頂上に立ちサワガニ山や犬ヶ岳の山並みを眺めた後は、晩秋の雰囲気を漂わせる黒岩平へ。ここでも告白しますが、黒岩平へももう20数年遊びに行った覚えがないのです。昨秋父の遺影と共に長栂山までは来ているのですが、朝日小屋からの「散歩コース」として黒岩平はちょっと遠いのでなかなか来るチャンスがなかったのです。
少し寒かったのですが、それでも3人でビールで乾杯!! 流れる湧き水を汲んでお湯を沸かし熱いラーメンを食べたりコーヒーを飲んだり、とても幸せな時間…。
ところで、絶対に登山者の方には会わないと思っていたのに、黒岩平で栂海新道を登って来たという単独行の若者にバッタリ。「今日は朝日平でテントを張ります」という彼に「頑張って!」とエールを送りましたが、そのまま付いて行きたいような複雑な管理人の気持ち…。
ここまで来たら朝日小屋まで行きたいなぁ…という後髪引かれる思いを残して、下山開始。下りは結構得意な私、心配するY先生をよそに軽快なピッチで下りていくと、平石さん曰く「清水さん調子いいですね。ナンだか後ろからストックで突かれそう(笑)」。
そして「ここは僕達の庭みたいなもの」とおっしゃる平石さんは、右を見たり左を探したりしながらキョロキョロ。どうやらキノコを物色していらっしゃるようでしたが、ちょっとまだ早いようでなめこが少し見つかっただけでしたが、それでも秋を思い切り感じながらの下山は、分岐点から約2時間半。結局コースタイムの4時間はかからず、余裕をもっての日帰り山行でした。
本当にいい道、そしていい山でした。思い切りブナの葉が落ちて、空がよく見えました。夏はきっと鬱蒼とした樹林帯でまた違った感じがするのだと思いますが、登山道もきちんと整備され、いりやま岳友会の中村さんや平石さん他地元の皆さんが注がれる愛情が山の中に満ちているのを充分感じられ、本当に行って良かったと思います。
そして黒岩平。なかなか行く事のなかった場所ですが、ここも亡き父が大好きでした。今度は来年のシーズン中に、ぜひ小屋から遊びに行きたいものです。皆さんにもぜひお奨めしたいコース、中俣新道〜黒岩平。
最後まで私の右足を心配しつつお付き合い頂いたY先生と、いろいろ教えて頂いた名ガイド役の平石さん。楽しい山行をどうも有り難うございました!!
この記事の URL : http://www.asahigoya.net/diary/2001/10/d20011022a.html
2001-10-22
急登も、落ち葉を踏みしめながらゆっくり歩く
この記事の URL : http://www.asahigoya.net/diary/2001/10/d20011022b.html
2001-10-22
来年は必ず栂海新道を行きたいと、ひとり密かに心に誓う…(笑)
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2001-10-22
遠く長栂山方面をバックに
う〜ん、とっても嬉しかった!!
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2001-10-24
天然のなめこ、中俣山にて
今日の夕方から再び山に行って来ます。今回は、ナンと立山室堂山荘の妹・佐伯法子と一緒です。ガイドは梅さん。
実は、9月初めに3県山小屋協会の研修会で室堂山荘に泊まった折に、結婚してから殆ど山に登っていない妹が珍しく何処かへ行きたいという事になり、それならゆかりが山を終って来てから2人で行ってくれば、とご主人の千尋さんが提案してくれたのでした。でもとにかく忙しい妹のこと、実現するなんて思っていませんでしたが、梅さんのガイドで「下の廊下」に挑戦(!)することになりました。(但し時間がないので、途中ちょっと??のルートを使います)
しかし、結婚してから15年近く1時間以上山道を歩いた事がないという妹(でも高校時代はU高校山岳部所属で、インターハイにも出場経験あり)と私のコンビですから、体力・脚力に不安があり、また少々「高所恐怖症」ときていますから、さてさてどうなることやら…(笑)。
もし、歩けそうになかったらすぐに戻るという条件での今回の山行。
日本最古の山小屋のオーナー夫人と、北アルプスの最北端の山小屋・新米管理人、という姉妹の組合わせ。どんなズッコケ珍道中になることやら…、梅さん宜しくお願いします!
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2001-10-24
ナナカマドの実、その奥には犬ヶ岳の稜線
「下の廊下」から帰って来て翌日からは、「栂海山荘の小屋閉い」に行って来ます。
9月にさわがに山岳会の小野 健さんたちがお見えになった時に、10月末の小屋閉めにいらっしゃいませんかとお誘いを頂いていました。とにかく朝日小屋へおいでになる登山者の皆さんの気持ちが少しでも分かるようになりたいと思う私は、ぜひ行ってみたいと思いました。今シーズン受付に座っていると、栂海新道へのお客様が20年前に比べてとても多くなっているのにビックリさせられました。5月に白鳥小屋まで登って来ましたが、栂海山荘は行っていませんので、とても楽しみです。
今回は余裕をもっての山行で、26日正午坂田峠出発で白鳥山・白鳥小屋泊、27日は白鳥小屋〜犬ヶ岳・栂海山荘泊、28日下山、の予定。
帰って来たら楽しい山行の様子を日記にUPしますので、それまでお休みさせて頂きます。宜しくお願いします。
では、行って来ます!!
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2001-10-30
「下の廊下」鳴沢小沢付近にて 01.10.25 photo by umesan
「下の廊下」そして「栂海山荘の小屋閉め」と、連続して山行し28日に帰って来ました。しばらくご無沙汰していた日記ですが、無事帰宅の報告が遅くなってしまい「どうしたの?」と心配したメールも頂きましたが、今日はやっと落ち着いてパソコンの前に。
25日は立山室堂山荘の妹と一緒に「下の廊下」へ、ガイドは梅さん。
24日夕方に木崎湖畔の宿舎へ入りました。妹と山を歩くのはもちろん20数年振り、そして2人で旅館に泊まるのは初めてかも?そんな女2人のかしましいこと、おしゃべりに花が咲きましたが、それでも翌日のことを思えば、次第に緊張感が高まります。
翌朝は扇沢から一番のトロリーバスで黒部ダムへ。ダム下からいよいよ「下の廊下」が始まりましたが、今日は仙人ダムまでの行程。とにかく「高所恐怖症」に加えて、あまり高低差のない道とはいえ、16.6キロを無事リタイアせずに歩けるか心配でした。
いつもは尾根道か稜線歩きしかした事のない2人。河原を歩いた初めのうちは結構景色も楽しめたのですが、「新越沢出合」を過ぎた辺りからでしょうか、「へつり」があったり、スノーブリッジが切れて大きく被さった中を急斜面に架かる梯子の段を踏み外さないように慎重に上り下りしなくてはいけない所では、かなり緊張しました。梅さん曰く「今年の残雪は大した事がないが、去年だったら、法子さんもゆかりさんもちょっと無理だったかも…」
とにかく、景色を眺める時は必ず立ち止まって見る事。…そんな注意を厳重にされての歩行でしたが、危ない箇所を通過する時には知らず知らず息を殺し神経を集中!それでもホッと一息つくと何とかデジカメだけは撮らなくちゃ、と私(笑)
さすがに「白竜峡」付近はへつりの連続で、最高のロケーションもゆっくり眺める余裕はありませんでしたが、峡谷の険しさと美しさ、そして特に深い峡谷の両側に聳え立つ壁を彩る見事な紅葉が織りなすその素晴らしさは、緊張感にも増して歩いて良かったぁと思わせるに充分な眺めでした。そしてこの時期に何箇所も未だ残る雪の塊。いかに峡谷の冬が厳しいものかを思い知らされました。
本当は阿曾原温泉小屋の佐々木 泉さんの所でぜひ泊まりたかったのですが、今回は妹も私も翌日の予定があるという事で、仙人駅から上部軌道に乗せてもらって帰るというコースを取りました。ですから、仙人ダム〜阿曾原〜欅平間は次の機会に。
実は今回の「下の廊下」山行、妹にも私にもそれぞれの目的がありました。
妹は、自分の所で請け負っている登山道整備の箇所を自分自身の目で見て、オーナーやアルバイトの皆の苦労を肌で感じてくる事。よく話に出て来る「ダム下」「内蔵助の出合」「鳴沢小沢」「新越沢」「別山谷出合」etc…を自分で確認したい、という気持ちで行って来ました。
そして私はといえば、…「黒部峡谷」を隔ててそれぞれに聳え立ち連なる「立山連峰」と「後立山連峰」、そして「中部山岳国立公園 北アルプス」。…朝日小屋は「北アルプスの最北端」。今まで私の中では点でしかなかった朝日岳を、線で繋いでもっと立体的に捉えたいし、広がりをもって認識したい。その為には少しでも黒部峡谷を歩いて見られたら、そんな思いが今回の「下の廊下」山行になりました。
もちろん2人とも無事目的達成!!…トロッコ電車に乗り宇奈月駅に着いた頃にはもう日が暮れてしまっていましたが、心は大満足。軌道に乗る時間を気にしながらも、上手にガイドしてくれた梅さん、本当に有り難うございました。
この次は、「ぜひ行きたかった栂海山荘・犬ヶ岳へ」の山行の様子をおおくりします。
お楽しみに。
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