北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
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『菊池哲男の世界展』 −クロスオーバー白馬− を見に

2002-11-26

 会場入口にて    photo by atushi yoneda

 22日、穂高町で開かれた「三県山岳遭難防止対策連絡会議」の帰途、白馬村の樅の木ホテルビジターセンターで開催されていた山岳フォトグラファー・菊池哲男さんの写真展を見に行って来ました。
 唐松岳頂上山荘と栂池ヒュッテにて開かれていたPart・1と2は、いずれも10月20日まででしたのでどちらも見るチャンスはありませんでしたが、『高き峰々』−白馬岳と後立山連峰の四季−と題したPart・3が11月25日まで開かれていましたので、一緒に行った遭対協のメンバーにお願いして寄り道をしてもらいました。
 菊池哲男さんは1961年生まれ。白馬岳や唐松岳の四季をまとめた写真集「美しき山稜」をはじめ多数の著書を出版し、また2001年は「山と渓谷」の表紙撮影を1年間担当されました。
 亡くなった父は何度もお目にかかっていたようですが、私は昨年9月に菊池さんが朝日小屋においでになった時に初めてお会いしました。その時は同行の皆さんがいらっしゃったのでゆっくりお話もできませんでしたが、その折に小屋の前で撮影して頂いた写真が昨年10月号の「山と渓谷」・今月の人・Peopleに大きく掲載されました。
 そして先日、『…お元気ですか?…来年はぜひ(朝日岳へ)訪れたいと思っています。…ところで作品がヤマケイのカレンダー表紙に採用されました。…』という直筆の一文を添えてカレンダーを送ってくださいました。
 そういうご縁もありましたので、今回どうしても写真展を見に行きたいと思いました。
 樅の木ホテルビジターセンターでは、広いスペースでゆったりくつろぎながら作品を鑑賞できるようにレイアウトされた中で、白馬岳や白馬鑓ガ岳・杓子岳の白馬三山をはじめとした白馬連峰と後立山連峰の四季を写した菊池さんの作品が多数並べられていました。
 初夏の山の初々しく清々しい感じ、盛夏の力強さと心躍らせられる華やかさ、秋の色付く山々の素晴らしさと物哀しさ、冬の峰々の近付き難く神々しいまでの荘厳な雰囲気…高い峰々の四季の様子が余すところなく表現されていたように思います。
 菊池さんは、今年は写真展の開催で殆ど山に登れませんでしたということでしたが、来年はもしかしたら朝日小屋にも顔を出されるかもしれませんね。
 今後ともますますご活躍されますことを期待しております。

「ヤマケイ」2001年表紙と共に

2002-11-26

 昨年は私も管理人1年生。
 (ニュース性があったのか・笑)ヤマケイ10月号でかなり大きくしかもカラーで、菊池さん撮影の、少々髪の毛ボサボサの“すっぴんアップ”の写真を載せていただきました。
 本誌を開いたとたん「ぎゃ〜っ!!」とビックリすると同時に、エライことになったなぁ。。と思ったのを覚えています(笑)。

『第44回 岐阜・富山・長野三県山岳遭難対策連絡会議』

2002-11-27

『連絡会議』の模様   
           泉郷プラザホテル・安曇野 4Fプラザホール  02.11.21

 21〜22日、『第44回 岐阜・富山・長野三県山岳遭難対策連絡会議』が長野県南安曇郡穂高町の泉郷プラザホテル・安曇野に於いて開催され、三県から各県警山岳警備隊や遭対協のメンバー、また行政機関の担当者等など、関係者約80名以上が出席しました。
 会議は、「北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会」会長でもある有馬佳明・安曇村長の挨拶で始まり、三県から各代表がそれぞれ協議事項を提案しそれに基づく討論が行なわれました。
 岐阜県からは県警地域課・野村浩介氏が「登山者に対する意識改革について」、また富山県からは県警山岳警備隊小隊長・清水正雄氏が「山岳遭難と山岳警備活動について」、そして長野県警からは豊科警察署地域課・櫛引知弘氏が「ツアー登山者の事故発生状況と対策」と題してそれぞれ発表されました。
 昨今の「中高年登山」の流れは、ブームというよりは完全に登山のパターン・システムとして定着した観がありますが、そこで毎年増え続ける登山者の生死に関る大きな遭難事故と増大する危険性に、まさに自分自身の命を賭けて日々取り組んでいる現場からの生の意見や提言は、実際に山小屋で毎日登山者の皆さんと直接関っている私にとっても、大いに参考になりまた考えさせられる問題ばかりでした。
 最後に、『連絡会議』の総意としての決議が採択され、関係機関・団体との一層の協力が強調され、今後の山岳遭難事故と二重遭難事故の絶無に取り組む決意が表明されました。
 今回の『連絡会議』は、予想外に早い新雪・深雪で11月初めに涸沢カールや槍沢で起きた雪崩遭難事故で、登山者1名と山小屋(殺生ヒュッテ)関係者3名が以前行方不明になったままという事もあり、関係者にとっても自然の脅威と遭難救助の困難さ等などを改めて痛感させられる会議となりました。

『連絡会議』 決議

2002-11-27

 発表する、富山県警山岳警備隊小隊長の清水正雄氏

【決議】

 北アルプスは、日本有数の高峰を連ね、その山並みの美しさに惹かれ、毎年、四季折々全国から大勢の登山者を迎えています。
 近年、特に中高年の未組織登山者やツアー登山者の増加は顕著であり、これに伴う悲惨な山岳遭難事故があとを絶たない状況にあります。
 また、登山者意識が多様化する中、自救能力が低下しており、我々遭対協等の救助組織へ依存する機会が高まっております。
 このような情勢を踏まえて、山岳遭難防止対策の任務に当たる我々は、その責任の重大さを自覚し、健全で安全な登山を推進するため、

 1 体力、技術に見合った『安全登山の計画』
 
 2 遭難防止、自救能力を高めるための『自助努力』

 3 『変わる登山者の意識・変わらない山の怖さ』

について、関係機関・団体等と協力して一層の指導、啓蒙活動を展開するとともに、救助体制の確立を図り、二重遭難事故の絶無に務めて参ります。

 以上、決議する。

 平成14年11月21日

     第44回 岐阜・富山・長野三県山岳遭難対策連絡協議会

剱沢小屋・佐伯友邦さん

2002-11-27

 立山・剱岳方面遭難対策協議会、救助隊長の重責を担っていらっしゃる剱沢小屋の佐伯友邦さんです 
 懇親会の席上で挨拶をされました。
 つい先日の“NHKプロジェクトX”にも出演していらっしゃいましたが、いつお会いしても柔和で温和なその表情と話し振りに、立山芦峅寺の「山男」のお人柄がうかがえます。

そしていつもの…(笑)

2002-11-27

 厳しい話、難しい話をした後は、やはりいつもの楽しい「懇親会」が待っていました(笑)。
 山小屋の皆さんとは年に1〜2度ほどしかお会いできませんので、情報交換やら激励やらということで、皆さんお酒も強くていらっしゃるので、大いに盛り上がりました。
 今回の会議は、長野県南部地区の担当でしたので、常念・穂高・乗鞍・堀金・上高地・有明などの各地区から大勢の出席者がありました。

北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会の

 左        涸沢ヒュッテ・山口 孝 (山小屋班長)
 右から2人目  岳沢ヒュッテ・上條岳人 (救助隊長)
 右        徳本峠小屋・今川剛之 (監事)       の皆さん 
 そして      私

さわがに山岳会・小野 健さんたちと

2002-11-28

 左から  八朗さん、アイちゃん、マーちゃん、
   そして 小野さん、ひとみさん   後ろに シゲノブさん の皆さん

 先週の19日(火)、新潟県青海町在住のさわがに山岳会・小野 健さんたちと、今シーズンの慰労(反省?)を兼ねてひと足早い忘年会で楽しい時間を過ごしました。
 わざわざ朝日町までおいでくださったのは、小野さんはじめ、「ベニズワイ」「カタクリクラブ」の会から、いつも栂海新道のヤブ刈りなどの整備に携わっていらっしゃる皆さんです。
 実は10月末に栂海山荘の小屋閉めがあって、昨年はその山行にご一緒させて頂いた私でしたが、今年は他の行事と重なってしまい残念ながら晩秋(今年は初冬だったらしい)の犬ヶ岳へ行けなかったので、それでは下界で美味しいお酒と楽しいおしゃべりを、とお会いする事になりました。
 今年、小野さんは何度も朝日小屋まで登って来てくださって、登山者の皆さんに栂海新道を紹介したスライドの上映会をサービスしてくださいました。12月31日で満70歳とは思えない山男らしい逞しさは健在で、また40年に亘って栂海新道に注ぎ続けた情熱は少しも衰えないように思えます。
 栂海新道が開通して30年以上が過ぎ、そこを歩く登山者の主流も中高年に変わりましたが、昨年と今年を見ていると「静かな山歩きを楽しみたい」「アルプスから日本海までを歩き通したい」という皆さんの想いは強く、中には50〜60歳代の女性だけのグループなども日本海を目指して朝日小屋へいらっしゃいました。
 いくつものピークを登ったり下ったりあのアップダウンの激しいロングコースを、北アルプスの最北端・朝日岳から海抜0メートルの日本海まで、登山道を維持管理し整備する事がどんなに大変か、小野さんはじめ何人もの関係者の皆さんの姿を見ている1人として、この道が沢山の登山者の皆さんに愛され続け、また大切に歩いて頂きたいと願わずにおれません。