前の記事
次の記事
今年も、春の犬ヶ岳へ!!
2003-05-01
犬ヶ岳から眺める朝日岳方面 遠く剱岳も望める 03.4.28
行って来ました!今年も、春の犬ヶ岳へ!!
4月26日〜29日までの3泊4日で、栂海新道を開拓し整備を続けていらっしゃる「さわがに山岳会」の小野 健さん他、関係者の皆さんの“栂海山荘除雪山行”に同行させて頂きました。
今回のメンバーは、初日から参加が小野 健さん、相澤さん、シゲノブさん。一日遅れで伊藤さん、ひとみさん。そして写真家の森下 恭さんと私。計7名。
車は、坂田峠下で通行不能(大きな立ち木が根こそぎ道路に横たわっていた)でしたので旧道の入口付近に止めて歩き出し、坂田峠に取り付きました。
恵振山の急坂を知っている我が身にも、“金時坂”は登るたびに試練の連続の急登なのですが、その坂はいつも以上に私を苦しめました。
今回は、「とにかく辛い。。。」
17キロ近い荷物は肩にズシリと重く、「帰りたい。。。」
それでもどうにか小野さん達には遅れ遅れながらも、坂田峠下の歩き初めから4時間程でようやく白鳥小屋に辿り着くことが出来ました。
そして実は、出発前の日記で「初日に一気に栂海山荘まで行く予定」と書きましたが、26日は早々と午前中に行動を中止し、5人で白鳥小屋に泊まりました。
初日はどうにか雨こそ降らなかったものの、私など歩行に支障が出るほどかなりの強風が吹き荒れました。午後からの天候に回復の兆しが見られなかったこともあって、白鳥小屋以南の犬ヶ岳までの行程を考えると、遅足の私が同行していたのでは到着がかなり遅れるだろうという判断になり、予定を変更することになりました。小野さん達にはご迷惑をかけたことになりましたが、山行全体を終わってみれば、賢明な判断だったと言えるかもしれません。
ちょうど白鳥小屋で、後ろから登って来た高校のパーティーと一緒になりました。
「あれっ!?」…そう、我が地元朝日町の泊高校山岳部・男子パーティーのみんなでした。4月に入った新人の歓迎山行だそうです。付き添いの先生の顔を見れば私のご近所の先生で、またいつもお世話になっているお肉屋さんのご主人や、娘の同級生もOBとして同行していたり。(とてもローカルな話でした・笑)
お天気も悪かったので、ゆっくりお昼を食べてからはゴロゴロしました。私は徳本峠へ行って来てから間なしの参加でしたし、また森下さんも夜行列車での移動でしたので、疲れていたのでしょうか、明日に備えて鋭気を養うにはちょうど良かったかもしれません。
白鳥小屋周辺は、小野さんによると残雪は例年並み。3月に何度か降雪があって、もっと雪は多いのかと思いましたが、私達の山行直前には雨などの影響でかなり融けた様子でした。
しかし、積雪量は少ないという訳ではなく「トイレ」は未だ頭も出していないという状態ですし、“シキワリの水場”(未だ雪に覆われている)から上部では天候の悪い時にはくれぐれも道迷いに注意して下さい。
白鳥山ではイワウチワやカタクリも一斉に咲き始め、連休後半は好天に恵まれれば沢山の人たちが上山されると思います。“芽吹きの春”を感じ、また北アルプスを間近かに見るとてもステキな山ですから。
この記事の URL : http://www.asahigoya.net/diary/2003/05/d20030501a.html
好天に恵まれ、栂海山荘まで
2003-05-01
さわがに山岳会・小野 健さん
そのしっかりとした足取りと、栂海新道にかける情熱に敬服 03.4.27
白鳥小屋で一晩ゆっくり休んだら栂海山荘まで歩く元気も戻ってきたようで、27日は私達の行く手で迎える犬ヶ岳が残雪にキラキラと輝く素晴らしい好天に恵まれました。
しかし。。。昨年も除雪山行に参加させてもらっている私は、この先の行程がどんな大変かを知っているだけに(苦笑)、好天と山並みの素晴らしさに感激しているばかりではすみませんでした。
「とにかく、今日は皆さんの足を引っ張らずに頑張って歩かなくっちゃ!」そんな不安に満ちた“悲壮”なまでの思いを(チョッと大袈裟?・笑)隠して、栂海山荘までの今日の行程が始まりました。
昨年同様、とにかく登っては下り、下ったと思ったらまた登る…。
『栂海新道』は、皆さんご存知の通り「朝日岳直下・蓮華温泉との分岐・吹き上げのコル〜親不知・日本海」です。
その全行程の中で、何処が一番大変で辛いかと言えば、季節や天候を問わずそれは「犬ヶ岳〜白鳥山」だと私は思っています。もちろん白鳥山〜親不知も、標高が低いだけに夏の間は暑さとの闘いを強いられます。がしかし、道のり自体の大変さは、やはりいくつものピークの登り降りを繰り返す「犬ヶ岳〜白鳥山」ではないでしょうか。朝日岳から来た場合も、親不知から登った場合も。
そしてその行程が雪で覆われている今の時期の行動は、雪庇の張り出しや急斜面の歩行を考えると、いつも以上に地形の熟知が要求され、また慎重な歩行や技術などの経験が求められます。この時期、白鳥山へ登る登山者の数に比べて、栂海山荘まで足を伸ばす登山者の数が断然少ないのはそういう困難さもあると思います。私も小野 健さん達が同行して下さるからこそ行ける山なのです。
急斜面の斜度は、一帯どの位あるでしょうか。夏道であればひどくなったら立ち止まることも容易ですが、急な雪面ではそれが叶わない時が間々あります。傾斜の急さに足が止まってしまいそうになりながら、それでも一気に登りきってしまわなければいけません。
雪面を登り降りする際の“キックステップ”は、疲れた足にはかなり堪えます。また急斜面での緊張の連続は、息を呑んだり殺したり、大きく吐いたり…。ふうーっっ…。
それでも昨年の経験が利いたのか、道のりが判っていたので覚悟が出来ていたからか、予定通り無事栂海山荘に到着することが出来ました。
今年の栂海山荘周辺の残雪も、思ったより多くはなく昨年並みでしょうか。「除雪山行」と言いながら、昨年同様、雪の中から小屋を掘り出す作業は皆無。
一日遅れて坂田峠から一気に上って来たのは、伊藤さんとひとみさん。そして“特別参加”は、私の日記の中にも時々登場される「いりやま岳友会」の平石さんと白沢さん。
栂海山荘の夜は、美味しいご馳走を頂きながら楽しい語らいの中、満天の星空と青海町や朝日町の街の灯かりに彩られて、遅くまで更けて行きました。そして翌日の黒岩平までの“お散歩”を楽しみにしながら、日中の布団干しでポンポンと軽くなった毛布で、ぐっすりと〈おやすみなさい…〉
この記事の URL : http://www.asahigoya.net/diary/2003/05/d20030501b.html
黒岩平まで
2003-05-01
威風堂々、初雪山 03.4.28
「今年も、黒岩平へ“お散歩”に」…前日同様、ぬける様な青空に誘われて黒岩平まで出掛けることになりました。
黒岩平まで行けば、朝日岳も朝日小屋ももうすぐそこ…そんな想いを胸に、歩きました。栂海山荘〜黒岩平までは、前日の行程に比べれば少し気持ちにゆとりが持てるかもしれないので、結構私の中ではルンルン気分(!?)でした。
大きくどっしりと横たわる初雪山や白金の頭、そして僧ヶ岳や毛勝三山、遠くには大日岳に続く立山や剱岳の山並みがキラキラと輝いています。そんな眺めを存分に味わいながら、細尾根・痩せ尾根を上下しつついくつかのピークを越え、さわがに山山頂へ。
自然の造形や雪の造形が、あちらこちらで見られます。
それを眺め、「キレイだねぇ…、ステキだなぁ…」と感心するひとみさんや私。
40年間、栂海新道の自然を記録していらっしゃる小野さんはシャッターを押し続けます。
また、20年以上前に一度訪れて以来、今回久し振りに栂海新道を歩いた写真家の森下さんは、いつになく積極的に(失礼!?)“仕事”をされている様子。
足跡ひとつ無い黒岩平は、まさに「別の世界」を演出して私たちを迎えてくれました。まだまだ芽吹きには早いそこには、風雪に耐えたダケカンバやシラビの姿だけが目立つのみでした。
黒岩平まで行ってしまえば、本当に朝日小屋はもうすぐそこ…。そんな気持ちの昂ぶりと切なさは、ドキドキする鼓動となって他の人に聞こえてしまわないかと思うくらいです。
いつか、黒岩平に一面に咲くというミズバショウの群落を見てみたいのですが、やはり小屋の管理人をしている以上、お花が一番ステキな時期に黒岩平へは行けないだろうというのはとても残念で仕方ありません。でも今の時期に小野さん達に連れて行ってもらえるのも、また小屋を通じて小野さんと知り合えたからと思い直し、後ろ髪を引かれる想いで黒岩平を後にしました。
今年もまた多くの登山者の皆さんがこの地を訪れ、その“楽園”の姿に熱い想いを感じてくださることと思います。そのかけがえのない自然をいつまでも大切に…シーズンを前にして、そう願わずにはいられません。
この記事の URL : http://www.asahigoya.net/diary/2003/05/d20030501c.html
最高の気分!!…でも
2003-05-01
今回のメンバー全員で記念撮影 栂海山荘前 03.4.28 photo by 自動
29日は、栂海山荘を後にして、途中白鳥小屋にて昼食。その後無事に下山することが出来ました。
28日の夜半にはかなり風も出て来て、翌日のお天気が心配になり内心穏やかではありませんでした。「もし、強風が吹いて雨も強く降ったら、栂海山荘〜白鳥小屋は大変だろうなぁ。。。」またまたそんな弱気というか心配で、風の音がずっと気になりました。
しかし、私の心配も取り越し苦労…
下山日の29日は、富山県地方で30℃近くまで気温が上がった“真夏日”となり(全国一気温が高かったらしい)、ただただ暑くて暑くて…。無事坂田峠へ辿り着くことができました。
皆さん、いろいろとお世話になり、本当に有り難うございました!!
そして。。。
下山から2日経ち、今私は、自分の姿に驚いています。
顔は…
“ガングロ”を通り越して“ゴングロ”と末娘に言われ呆れられています。あんまり外へ出ない方がイイよ、と。
体重は…
あんなに、あんなに辛い思いや苦しい思いをして、ハァハァ喘いで登ったり下りたりしたのにも関わらず、「人生○○年生きて来て、最高の…」と言えるくらいの『ソレ』になってしまいました。
今私の脳裏を過ぎっているのは…
昔々、山内 賢とデュエットして“二人の銀座”という曲をヒットさせた「和○雅子」という可愛い女性が、南極だか北極へ行ってその後テレビに登場した時の驚き、そして最近テレビ番組で彼女を見た時のあの衝撃。。。もちろん、とびきり“健康的”と言ってしまえばそれまでなのですが。
こうも変わるのか、顔の色は真っ黒で、体重は倍近くになってしまったかと思われる彼女の姿に、自分自身をオーバーラップさせてしまい深く悩んでしまうのです。(注・和○雅子さん、ゴメンなさいね)
トホホ。。。
この記事の URL : http://www.asahigoya.net/diary/2003/05/d20030501d.html
贅沢な時間(とき)…私のGW後半
2003-05-06
穂高平避難小屋 03.5.3
GW前半の4月26〜29日は、栂海新道を歩いた私。GW後半の5月連休が終わると、6月中旬の小屋開け目指して“駆け足の毎日”が始まることが分かっているので、どうしてもその前にもう一度“遊びの時間”を持ちたくて、家族の了解も得て何処かへ行くことにしました。
しかしいくら天候に恵まれた場合の春山とはいえ、前もっての周到な計画や装備が必要とあれば、「行ってみたい山」の候補はいろいろあっても、家事や諸々の仕事を片付けながらその準備を進めるのは時間的にも精神的にも肉体的にも容易ではありません。
チョッとくたびれている(!?)私。…それでも、山へ行きたい。…ゆっくりした時間を過ごしたい。
そこで今回は、余り準備をしないでも(微笑)行ける場所へ出掛けることにしました。
初日に伺ったのは、『穂高平避難小屋』。
管理人の水上千利さんとは山小屋協会の総会で何度かお会いしていますが、いつも「清水さん、一度遊びにいらっしゃい!」と優しく声を掛けて下さいます。お互いの小屋の営業期間の都合もあり、なかなかその機会がなさそうでしたが、今回はそのお言葉に誘われて行ってみることにしました。
皆さん、『穂高平避難小屋』が何処にあるかご存知ですか?いろいろ聞いても、案外知らない方が多いんですよネ。
岐阜県上宝村蒲田川の上流は新穂高温泉から先の谷が二股に分かれ、笠ガ岳や双六岳へ向かう林道(登山道)のあるのが「左俣」、奥穂高岳から白出沢沿いを下った白出沢出合や北穂高岳直下の滝谷出合に向けて伸びているのが「右俣」。
『穂高平避難小屋』は、その「右俣林道」沿いに新穂高温泉からホンの1時間と少し歩いた所にひっそりと佇んでいます。
私も笠ガ岳へは一昨年の秋に笠新道から登っているのですが、右俣林道を行くのは初めて。正直言って、有名な山小屋でしたらガイドブックにもいろいろと小屋の様子が載っていますが、穂高平小屋はどの本にもあまり記述がありません。いったいどんな小屋なのかしら…。
砂防工事が続く川沿いに、少しづつ新緑が始まった林の中の道を歩きます。そこここに“ふきのとう”が顔を出した林道は、春の陽射しの中にずっと続いています。
そして林道歩きに少し飽きてきた頃、林の中に小屋が見えました。グルッと廻り込んで玄関先正面へ出ると…。
わぁーっ、とビックリして声を上げたくなるような、そんな光景が目に飛び込んで来ました。
感動!!…です(笑)。
穂高連峰やその前山、そして笠ガ岳の山並みに囲まれたそこは、まさに「平」と呼ぶにふさわしいような“牧歌的”な雰囲気。とても静かでひっそりとした風景が広がっていました。
標高1,320mにある、定員30名(そんなに泊まることはない、と水上さん)の小屋です。
「来て良かったぁ」…心からそう思える小屋でした。
この記事の URL : http://www.asahigoya.net/diary/2003/05/d20030506a.html
みんなに黙って(笑)、一体誰と行って来たの!?…
2003-05-06
水上千利さんと奥様、連休で遊びに来ていたお孫さん達 03.5.3
わざと隠して出掛けたわけじゃないんですョ(笑)。
本当は、2日の日記に書いて行くつもりだったのですが、1日夜には朝日岳方面遭対協の総会、また2日昼には町観光協会の総会と立続けに会合がありドタバタしましたし、2日遅くには双子の娘達が帰省して来たりしたので、書いていく時間がありませんでした。
…で、今回のパートナーは、あの「てらちゃん」でした!
本当は4月末の“栂海山荘除雪山行”に行きたかった彼でしたが、仕事の都合がつかずに諦めたのです。でも3〜5日なら休めるということで、「じゃあ、私と一緒に何処かへ行こうよ!」ということになりました。
広島から夜行を乗り継いで早朝泊駅に着いたてらちゃんを車に乗せて、新穂高温泉までドライブ。広島ではなかなか見られないという、雪国・飛騨の深い山々の新緑に感激しながら。
この記事の URL : http://www.asahigoya.net/diary/2003/05/d20030506b.html
『隠れ家』にするなら…
2003-05-06
「仙人風呂」
樹齢400年以上あるという、黒檜(ねずこ)をくり貫いてある
宿泊客も入れるこのお風呂、水上さん自ら“薪”で沸かしてくれる
白馬山荘、蓮華温泉ロッジ、笠ガ岳山荘、太郎平小屋、上高地西糸屋山荘、徳本峠小屋、大日小屋、白鳥小屋、栂海山荘、雷鳥荘、劍御前小屋、(立山室堂山荘)(雪倉岳避難小屋)
…私が朝日小屋管理人になってから2シーズンで泊まった小屋です。この他にも通過しただけの小屋もありますが、その都度、この日記の中で紹介してきました。
それぞれ山域も違えば、大きな山小屋、小さな山小屋、設備や立地条件も様々。小屋のオヤジさんの印象なども、どれひとつとっても同じ小屋はありません。
そして、それぞれの山小屋にそれぞれの趣きがあり、味わいがあり、どの小屋も想い出深く心に残っています。どの小屋も好きですねぇ。
でも、私が『隠れ家』にするのなら(笑)…『穂高平避難小屋』かしら。
だって、新穂高温泉から1時間チョッと歩くだけで、あの喧騒から離れてしまうんですよ!?何かあったら、すぐに隠れられるのが最高(爆笑)。 〈他の小屋へは、何時間もかかる〉
この小屋だったら、水上さんも奥様も黙って何も聞かないで、ずっと気持ちが落ち着くまで置いてくれそうです(微笑)。
夕食も朝食も、お母さん(と、呼ばせて下さい)の手料理、すごく美味しい!
無口な水上さん、でも笑顔がとってもステキです!
小屋全体に漂う、温かいおもてなしの雰囲気がとてもイイです!
『穂高平避難小屋』の何が良かったかって!?…全てです。
この記事の URL : http://www.asahigoya.net/diary/2003/05/d20030506c.html
それぞれの山小屋も、準備に忙しく
2003-05-06
左は、槍平小屋の 沖田政明さん
右は、穂高平避難小屋の 水上千利さん
3日夕方、日帰りで自分の小屋まで様子を見に行って来たという槍平小屋の沖田さんにお会いしました。
水上さんと、小屋の様子や沢の状態、雪融けの具合などを話し込んでいらっしゃいました。
傍で聞きながら、私もこの後の自分のことを考えて、チョッとそわそわ(微笑)。
この記事の URL : http://www.asahigoya.net/diary/2003/05/d20030506d.html