北アルプス 朝日小屋

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『魔の山大遭難・決死の救出劇』

2002-12-11

今朝の富山県地方は、大雪に見舞われた  我が家の前で

 今朝の富山県地方は、大雪に見舞われた  我が家の前で

 11月中旬にNHK・プロジェクトXで放送された『魔の山大遭難・決死の救出劇』のビデオを見ました。
 あらためて冬の剱岳をはじめとする山や自然の険しさや厳しさを認識させられると同時に、立山町芦峅寺の山岳ガイドや山男たち、そして富山県山岳警備隊の皆さんの偉大な力と深く結ばれた友情を思い、何度見ても涙してしまいます。
 “38豪雪”の年の「薬師岳・愛知大生大量遭難」を教訓に、翌昭和40年3月に発足した「富山県警山岳警備隊」。発足当初は、山の素人集団と評され、芦峅寺のベテラン山男達から指導を受けたといいますが、山岳遭難救助の現場は昔も今もまさに「命懸け」であることに変わりはありません。
 それから5年…昭和43年12月末から44年1月にかけて340人が入山し、金沢大学のパーティーを含めた15パーティー・81名が猛吹雪で山頂に閉じ込められたという、「昭和44年・剱岳大量遭難」。その時の実話を元に、番組は構成されていました。
 実は今朝の富山県地方は、昨晩から降り続いた雪が平地でもひと晩で40〜50センチ以上も積もったのですが、この日本海から吹き込んだ季節風の影響を受ける北陸地方の雪は、本当に何とも重く湿っているのです。
 これが北アルプスの高山であれば、氷点下の気温の中で大量の積雪に加えて風速30メートル以上の強風、地吹雪、そして出来る「雪庇」。。。
 管理人になってからの私は楽しい山行を重ねて、時々の『山』の素晴らしさや偉大さを心の底から感じるようになってはいますが、まだ本当の『山』の怖さには遭遇していません。しかし、山へ登る回数を重ねるほどに、的確な山の技術と知識の習得や経験の重要さ、頑強で且つ柔軟な精神力の養成、何より肉体的な鍛錬の必要性を痛感しています。
 山岳ガイド・剱澤小屋の佐伯友邦さんが、「山は正直。いい加減な気持ちを持って山に入ると、必ずしっぺ返しに遭う」と話していらっしゃった言葉が印象的でした。
 
 (誤解されると困るのですが、番組を見た素直な感想としては)
 山岳遭難救助の現場は男の世界だなあと、つくづく思ってしまったのは、私が男でないからでしょうか。
 それにしても、『山男』達の間に固く結ばれた絆と友情は、本当に素晴らしいです。