次の記事
再び、白高地沢の橋が流出しました。。。
2003-09-02
こんなに頑強に架けた橋が… 03.8.29
今朝8時頃、蓮華温泉ロッジのオーナー・田原さんから連絡がありました。
「登山者の方の話によると、白高地沢の橋がまた流されたらしい。。」
8月31日の日中〜9月1日未明にかけて降った大雨…富山県地方には大雨・洪水警報が出された程で、平地でも道路災害や浸水の被害などが大変だったようですが、山間部のそれは驚異的なものでした。
それにしても、仮橋とはいえ、8月29日に架けたばかりの頑強なはずの白高地沢の橋が2日しか持たなかったとは。。。
荒れる風や雨の様子を見ながら、内心かなり心配はしていたのですが、「まさか…」と続く言葉がありませんでした。
今年の天候は、確かに異常かもしれません。
この数日間断続的に降り続いている大雨は、まるで“梅雨末期”か台風の豪雨を思わせるような激しい降りようでした。
それに加えて、例年でしたらとっくに消えているはずの雪が、この北アルプスの最北端では未だそこここに残っているのです。
台風並みの大雨と強風が、それら雪融けの水を伴って、濁流・激流となって白高地沢を流れ下って行ったのは間違いありません。
父の代からずっと白高地沢の橋架けに携わって来ていますが、ベテラン作業員の方々の手によって架けられた橋が、いとも簡単に流されてしまったという話は、聞いたことがありません。
それ程に自然の“猛威”“脅威”には驚かされます。
しかし考えてみれば、瀬戸川や白高地沢は、小蓮華岳や鉢ヶ岳、雪倉岳や赤男山、そして朝日岳や長栂山といった、北アルプスの最北端の山々を源として、そこから流れ落ちる雪渓の雪融け水を集める急流に違いないのです。
登山者の方からの情報だけでは、正確な状況判断が出来ませんので、第一報を受けてから、孝太とひろクンが急遽現場を見に行きました。
今日は雨の止み間に、遅れている草刈りに出掛けようとしていた矢先に、蓮華温泉からの連絡が入りましたので、予定を変更しての出動となりました。
夕方、彼等が帰って来れば詳しい状況が分かりますので、またお知らせ致します。
この記事の URL : http://www.asahigoya.net/diary/2003/09/d20030902a.html
いろいろなご意見、有り難うございます!!
2003-09-02
“蓮華鉱山道”に架かる橋 (昨年の様子) 02.9.10
「白高地沢の橋」云々について、掲示板に様々なご意見を頂戴しています。
現時点では、皆様のご意見に対して、私の未熟な意見をこれまた未熟な筆でこれ以上載せるについては、かなり反響も大きいことと思い、それに付いては暫く差し控えさせて頂きたいと思います。
皆様各人各様、立場も違えば、「山」や「自然」に対する様々な思いや信条も十人十色おありだと思いますが、それぞれのご意見については私なりに真摯に耳を傾け、今後の参考にさせて頂くつもりでおります。
多分、「白高地沢の仮橋」の様々な事実についてご存じない方々からの、一般論・総論だけを集めた議論では、少し話が大きくなり過ぎるような気がします。
ただ、白高地沢についてだけに限定して述べさせて頂くなら…
「県」が違い(朝日小屋は富山県・白高地沢は新潟県)、蓮華温泉からの方が道のりとしても断然近いはずのその地に、何故朝日小屋が関わり、今のように仮橋について全責任を負ったようなことになったかについては、いろいろな経緯があるようです。
亡父が永年、何故損得を全く抜きにして白高地沢の橋架けに心血を注いだかといえば、それは『登山者の皆さんの安全の為』であったかと思います。
実は、昨日蓮華温泉ロッジに「橋流出」の一報を届けた登山者(2人組と聞いている)は、雪倉岳避難小屋に泊まった後朝日岳山頂経由で、9月1日に蓮華温泉へ下山中白高地沢を通過。しかし、橋はすでに流されてしまった後。
白高地沢は徒渉も出来ないあまりの激流に様相を一変していた為に、ずっとまんじりともせずに水嵩の引くのを待っていて、蓮華温泉に辿り着いたのは深夜の0時だったと聞きました。
一歩間違えば、確実に「遭難」です。
私が、「白高地沢仮橋の設置及び撤去」に関して、所轄の行政担当係から金額にして一体いくら貰っていると思われますか?当該の人夫賃や材料費を、はるかに下回る額しか支払われていないのが現状なのです。
前掲の“蓮華鉱山道”の瀬戸川には、相当の予算を付けて、昨年立派な橋が架かりました。
今年のシーズン前、行政の担当者に「年間100人程しか通らない“蓮華鉱山道”の瀬戸川にあんな立派な橋が架かったじゃないですか!?それだったら、その10倍以上の登山者が通る白高地沢に、何故もう少しお金を掛けようと考えて下さらないのですか!?」と詰め寄りました。
そうしたら、その担当者は「あそこは、以前に事故がありまして…」と答えました。
「事故がなければ、改善がなされない」というのは、全く情けない話です。
それだったら、山小屋として出来る限りのことをして登山者の安全を確保していこう、というのが私達の責務だと思っています。
その為に仕事をしているのが、私たち山小屋なのではないでしょうか。
事故が起こってしまってからでは遅いのです。
私は、「自然」を壊そうと思ったことはありません。
「安易」に、「金銭」のことだけを思って、橋の在り方について議論しようと思ったこともありません。
先日の流出の時も、山ちゃんとひろクンは8月27日に橋の状況を偵察に行き、29日には早朝から朝日小屋を出て白高地沢まで行き、橋架け作業を終えて夕方5時過ぎに小屋へ戻って来ました。
そして今日は、孝太とひろクンがまたまた状況を把握する為、五輪尾根を下り、カモシカ坂を走り下りて現場へ行っています。
誰も文句は言いません。愚痴も言いません。それが自分達の仕事だと思っていますから。
でも、「山小屋管理人」の私にとって、登山者の皆さんの安全の確保は第一に大切なのはもちろんですが、アルバイトのみんなが事故なく怪我なく一日の仕事を終えて戻るまでも、この日中は何だか落ち着かないのです。昨シーズンの橋架け作業中の、哲也の怪我のこともありますから…。
…そういえば、昨年も「木道」についての議論がいろいろありましたね。
…またまた議論を呼びそうな内容の話しを、取り留めもなく書いてしまいました。
…でも、やっぱり少し書かずに居られませんでした(苦笑)。
この記事の URL : http://www.asahigoya.net/diary/2003/09/d20030902b.html
白高地沢の状況
2003-09-03
仮橋の架かっていた箇所の様子 … 蓮華温泉側から朝日岳側を見る
土台にしていた大岩、頑強に積んであった蛇籠とも、面影・跡形もなく 03.9.2
昨日、孝太とひろクンが白高地沢の状況を見に行って来ました。
それによると、(前回の8月27日の時もそうだったのですが)川の流れや川岸の様子、岩の位置などは以前と比べて顕著に変化しており、仮橋を架ける際に土台にしていた大岩も頑強に積んであったはずの蛇籠とも、全く面影・跡形はなかったそうです。
また、橋板として組んであった3本の板は、1本がそれぞれ約7メートルあったのですが、3本がバラバラになり、また砕けてしまって1メートルそこそこの長さに折れてしまっていたとのこと。
いかに川の流れが急で、恐ろしい力で橋全体が持っていかれたか、衝撃の強さが窺えます。
この記事の URL : http://www.asahigoya.net/diary/2003/09/d20030903a.html
橋の復旧について
2003-09-03
砕けてしまった橋板 03.9.2
激しい流れの中で、上流から転がって来た何トンもある大岩が直接橋板にぶつかったのか、あるいは、浮き上がった板が大岩に叩きつけられたものと推測されるが…。
仮橋の復旧については、昨日から、糸魚川市役所の担当者と話を進めています。
今回の仮橋の流出で、今までシーズン初めに架けて冬になれば撤去して、大切に使用して来た橋板その他が、完全に使い物にならなくなりました。
また冬の間道具類その他をしまって置いた場所も(絶対に安全とされていた場所にあったのですが)、前回の流出の際に壊されてしまい、大切な道具類も一緒に流されてしまっています。
また頑強に作ったはずの蛇籠なども、今回ほどの雨量プラス雪融け水(今まででも、最大級の流れであったのではないか)では強度あるいは工法を考え直さなければいけないのではないかという問題も起きています。
白高地沢に関しては、『中部山岳国立公園』内にあります。
今までは、限られた予算・人員・日程の中で、朝日小屋として出来る範囲で、出来るだけのことをして来たつもりでしたが、もし万が一、登山者が橋を通過中に何かあったら等などと考えると、これからは糸魚川市役所・新潟県・環境省とも諸々について相談していかなければいけないと思います。
新潟県糸魚川市役所の担当者では、5日に現地調査をし、その後早急に対応を協議すると話しています。
しかし、今回の場合については人員の確保・材料や物資の調達・工法の検討もさることながら、ヘリコプターを飛ばしての物輸が不可欠になりそうなので、予算面でも詰めた話が必要でしょう。
いろいろと事案が解決されるまで、もしかしたら暫く日数が掛かるかもしれません。
特に連休には多くの登山者の方が白高地沢を通過されることが予想されますので、とにかく事故が起きませんよう、朝日小屋としては、連休前の一日も早い復旧を願っています。
この記事の URL : http://www.asahigoya.net/diary/2003/09/d20030903b.html
白高地沢の『徒渉』について
2003-09-03
仮橋が架かっていた付近から、上流を見る 03.9.2
白高地沢では、今しばらくは『徒渉』を余儀なくされます。
登山については、元々各人の力量に左右される部分が多いのはもちろんです。
『徒渉』に関しては、もしお問い合わせがあってもその日の気象状況、各パーティーやリーダーの力量等などによって条件はまちまちですから、朝日小屋が「渡れますョ」「無理じゃないですか」という判断は出来かねます。
しかし、雨が降っていない場合で水量・水嵩とも多くなければ、白高地沢の徒渉は比較的容易に出来ることもあります。
現に、昨日も(かなり水量が減っていた)白高地沢を徒渉して登って来られた方、下山された方がいらっしゃっいました。
ただし、ここ最近はしばらく未だ天候が不安定な日が予想されそうです。
今日も、朝から雨。時々強く降っています。
『徒渉』に当たっては、くれぐれも慎重に、渡れそうな場所を見つけて下さい。
今現在では、ポイントとしては、朝日岳側の登山道入り口に標識が立っていますから、そこより上流部が渡り易いのではないかと思われます。
また、パーティーの装備としてロープの携行なども検討された方が良いでしょう。
この記事の URL : http://www.asahigoya.net/diary/2003/09/d20030903c.html
こんな巨木まで…
2003-09-03
この記事の URL : http://www.asahigoya.net/diary/2003/09/d20030903d.html
今から、下山!!
2003-09-08
おもしろい雲 03.9.5
申し訳ありませんが…
今から、下山します!!
8月末から9月中旬にかけて、山ちゃん・孝太・私の3人で、小屋のヒマを見つけて週の初めから週末に交代で休みを取ることになりました。
今週は、私の番が廻って来ました。
今日北又へ下山し、明早朝からは例年通り、チョッと他の山へ。
何処の山へ行くかは、とりあえず「ひ・み・つ」(笑)
誰と行くかは、もっと「ナ・イ・シ・ョ」(笑)
でも、戻って来たらちゃんと報告します!
“リフレッシュ”と“勉強”を兼ねた、私の大切な「山歩き(登り)」です。
では、行って来ます!!!
この記事の URL : http://www.asahigoya.net/diary/2003/09/d20030908a.html
蓮華温泉白高地沢について
2003-09-08
鉢ヶ岳付近 「蓮華鉱山道」への分岐 03.8.27
白高地沢の仮橋は、未だ復旧していません。
先週末、糸魚川市役所を通じての新潟県・環境省と協議の結果では、連休明けの16日以降の週で、新潟県が工事を発注するという事が決まりました。(仮の仮橋、になりそうですが)
天気予報によると、今週は天候が安定しているようなのですが、山のお天気ですから、下界の予報とは違う場合も多くあります。
雨が降らなければ、徒渉も無理ではないと思いますが、しかしその場合でも充分気を付けて下さい。
また、前日・前々日の雨量などがご心配の場合は、蓮華温泉ロッジまたは朝日小屋にお電話下さい。
また、単独行、「徒渉経験者」がいないパーティー、女性だけのグループ、(一概に年齢だけでは判断できませんが)高年登山者だけのグループ…などは特に気を付けて頂きたいと思います。
諸々お問い合わせ等などがありましたら、朝日小屋にお電話頂きたいと思います。
この記事の URL : http://www.asahigoya.net/diary/2003/09/d20030908b.html