「南保富士」山頂にて 後方には黒部川扇状地、遠く能登半島
途中から合流した地元のお2人もご一緒に
photo by itagawa 02.1.26
26日(土)、朝から久し振りの好天に恵まれ、予定通り「朝日岳方面遭対協」の冬山訓練が行なわれました。目的地は「南保富士」(727.1M)。
「南保富士」への冬期ルートとしては、笹川地区あるいは南保地区から伸びる林道を行き止まりまで車で行き、そこから「三峯(みつぼ)グリーンランド」を経て、登山口から登山道を行くのが一般的だと思いますが、今回は、登りは南保地区の「岩井谷」を詰めて登山口付近の林道まで上がり、下りは登山道の途中から「奥石谷」から「石谷」を降りて来るというコースを辿りました。
今回の参加者は私を含めて6名。リーダーは、県警山岳警備隊の古崎隊員。
生まれて初めての雪山、そして「かんじき」。
「冬の山へ登れる」というワクワク感と、「果たして救助隊の皆さんの後について、足手まといにならずに最後まで登れるだろうか」という不安…。
県道沿いの民家の庭先に車を置かせてもらって、歩き始めたのは午前9時20分。建設中の堰堤脇を通り、時に雑木や藪の中をくぐりながら歩きます。前日まで2〜3日雪が降り続いていたわりには雪の量は少なめ、やはり気温が高いので少々降っても早く融けるのでしょうか。
古崎さんと私は「かんじき」、山スキーを履いた谷隊員、「フリートレック」という短い山スキーを履いた広田隊員、そして「つぼ足」の清水隊員と板川さん。
アルミ製の「かんじき」は軽く、また思ったより歩き易く結構快適でしたが、それでも1時間も2時間も歩き続けていると、やはり日頃の運動不足・体力不足と足の筋力の無さが露呈して来ます。
登山道に取り付いてからは、植林された杉の林を抜けて歩く辺りはまだ余裕もありましたが、途中直登気味に登る斜面でステップが上手く切れず「ズルッ、ズルッ…」となってしまい、古崎さんから指導を受ける場面もありましたが、なかなか思うようにいきません。
急斜面に恐怖心があるわけでもないのですが、一度ステップを崩してしまってモタモタしていると、新雪の下からは凍った雪面が現れてしまい、ますます雪の中でもがいてしまう始末です。しかしそんな雪との格闘も、頂上に近付いて眺望が利くようになると、また元気になれるから不思議です。
歩き初めから約4時間20分、登山口付近の林道から取り付いて約1時間半余り、とうとう頂上に到着しました。頂上での積雪は、おそらく1m30cm程でしょうか。例年と比べてもかなり少なめだそうです。
そこから見える360°の展望は、冬の絵の具に彩られた「青と白の世界」…。お天気にも恵まれましたので、本当に素晴らしい景色です。
黒部川扇状地が目の前にどーんと大きく広がり、遠く能登半島は先端まではっきり見えます。どこまでも続く日本海と海岸線、そして目をやると剣岳から毛勝山に続いて山々が連なり、朝日岳もその姿を確認する事が出来ました。
大勢でワイワイと雪の山頂で食べる昼食は、楽しくて美味しくて最高です。
もちろん、今回の山行の最大の目的である訓練も行ないました。
下山は「かんじき」を外して「つぼ足」。踵できちんとステップを切りながら、でも時に滑るように転がるように(笑)、無事に下りて来ました。下山の所要時間は約2時間、民家に近い林道に帰り着いたのは夕方、今回は登山道の取り付きまでのルートを変えてみたので、思ったより時間が掛かったとの事でした。
生まれて初めての雪山の感想は?…う〜ん、最高です!!
また行きたい??…もちろん!、私の体力実力に相応の山へ、ぜひまた行きたいです!!
お陰様で、ラッセルと言うほどの雪でもありませんでしたが、しかし充分に楽しい冬の山でした。救助隊の皆さんの足を引っ張らなくて、ホッ…、救助される場面もなくて、ホッ…(笑)。
去年の今頃には、雪の山を登る自分なんて想像も出来ませんでした。「変われば、変わる」…そんな自分に驚いているのは私自身です(笑)。