北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

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これも救助隊訓練!?…「夜の部」

2002-01-28

 右、いつも陽気な県警山岳警備隊・古崎隊員

 左、宇奈月方面山岳遭難対策協議会・救助隊員の中山さん

 日中の訓練に引き続き、小川温泉元湯・不老館にて「夜の部」が行なわれました。

 「いざ出動!」という時に備えての隊員同士の意思の疎通や連帯感も、ある時には非常に重要になって来るからでしょうか!?(笑)救助隊の谷口邦夫隊長と青島隊員も参加されました。

 写真左の宇奈月方面遭対協の中山さん、どこかでお見掛けしたような?…そうです、「阿曾原温泉小屋の大仏さん」、佐々木 泉さんの「大事な片腕=番頭さん」です。

 ※ 残念ながら、翌27日(日)の朝日町側から負釣山を詰める計画は、悪天候と雪崩の危険の為中止になりました。 

今だから話せる…「てらちゃん編!?」

2002-01-30

     カラフルなテントで賑わう「朝日平」    01.7.21

                                photo by furusaki

 皆さんこんにちは、てらちゃんです。

 ゆかりさんが僕の名前を度々この日記に登場させてくれるので、何だかかなり有名になってしまったような気がしていますが、シャイな自分としては、イメージだけが先行しているようで、とても恥ずかしいです。どうやらこの後も、僕に関するエピソードがまだまだ登場しそうで、戦々恐々としているのですが…(笑)。

 さて、昨年末12月20日の「小屋番日記」に、「今だから話せる…今年一番の大失敗!!」というゆかりさんの話が載りましたが、今日は「今だから話せる」僕の話を聞いて下さい。

 『先日、大学の登山サークルの先輩方と飲む機会がありました。そこで夏に朝日小屋でバイトしたという話題になり…。

 実はサークルには、朝日小屋での苦い思い出があるのです。

 僕が1年生の時、夏休みに上高地から親不知まで縦走しようという合宿がありました。双六岳、白馬岳と2度の台風に見舞われ部員13人全員フラフラ。白馬岳でテントは破れ、その後も朝日小屋に1日で来れず雪倉避難小屋に停滞し、雰囲気は最悪…。

 ようやく朝日平の幕営地に着いたのですが、そこで大事件。

 一部の部員が耐えられず、北又へ下山というか「脱走」。他の部員が「異変」に気づいたのは、もう夕飯を作ろうとした時でした。

 「どこに消えたんだ!」ということになってしまい、ゆかりさんのお父さんには大変な迷惑をかけ、お世話になり、申し訳ないやら情けないやら…。

 結局翌日、残りの部員も北又へ下山しました。

 小屋で働くうちにこんな話はとてもとてもあってはならないし、口にすることもできないし、いつしか忘れていました。

 今年の遭難騒ぎと五十歩百歩の事件ですね。

 初めての話でした…。』

 そんな「事件」を経験した僕が、なぜ大学生最後の夏休みのアルバイト先に「朝日小屋」を選んだのか、今でも不思議でなりません。

 でも、小屋の生活を通じて、自分の弱い所を知る良い機会だったと思います。小屋のみんなに出会えたことが幸せです。一生モノの出会いだと思います。ナント言っても『朝日小屋ショック』の僕ですから…(笑)。

 以上、「今だから話せる…てらちゃん編」でした。

 今日のお話。。。。。。

 今日は、「てらちゃんになりきって」書いてみました(笑)。

 『 』の中は、彼が送ってくれたメールをそのまま引用してあります。他にも、落書ノートにあった彼の言葉を、了解の上掲載しました。

 てらちゃん、有り難う。また登場して下さいネ。よろしく!!

40,000人目…

2002-01-31

      チングルマ   朝日平にて   01.7.31

 1月も今日で終わりですね。2002年も12分の1が過ぎましたが、何だかあっという間の毎日です。昨年のうちは2002年のシーズンはまだまだ遠い先のように感じていましたが、年が明けてからは、「6月は、きっとすぐ来るんだろうなぁ…」なんて思い始めています。

 さて、昨年3月1日にこのホームページを立ち上げてから、丸11ヶ月。沢山の皆さんに可愛がって頂いて、本当に嬉しく思っています。

 そんな「朝日小屋のホームページ」、一番多く皆さんに読んで頂いているのは『管理人・清水ゆかりの小屋番日記』なのですが、書き続けた日記が、今日の夕方に40,000人目のお客様をお迎えする事が出来ました。

 パチ!パチ!パチ!

 昨春はまだ知られていないこともあって身内で見ていたような時もありましたが、夏以降は毎日かなりのアクセスがあるようになりました。

 延べ「40,000」という数字がどんな評価になるのかは分かりませんが、最初の立ち上げの時にnyamaさんから「ゆかりちゃん、〈あなたは○○○○○人目のお客様〉っていうのを分かるようにするのは止めようか、あんまり少なかったらさみしいもんナ」と言われたのを覚えています(笑)。

 思いもかけず沢山の皆さんに読んで頂いて、これからもいろいろな情報や内容を発信していきたいと思います。シーズンオフはお休みしていると思っていらっしゃる方もおいでのようですが、今の時期にゆっくりいろいろ書いていきたいと考えていますので、どうぞ宜しくお願いします。

 登山をしなくても、朝日岳に登ったことがなくても、朝日小屋に行ったことがなくても、哲也やアルバイトのみんなに会ったことがなくても…、何だかぜ〜んぶまとめて分かってしまう、そして次は絶対朝日小屋に行ってみたくなる、もう一度訪ねてみたくなる!?。。。そんな『管理人・清水ゆかりの小屋番日記』にしたいです(笑)。

「国有林野内宿泊施設等の経営者打合せ会」

2002-02-04

   会議の様子

 …左一番奥には、阿曾原温泉小屋・佐々木さんの姿も 02.1.30            

 1月30日、富山森林管理署宇奈月保養所に於いて、「国有林野内宿泊施設等の経営者打合せ会」が開かれました。今回は、城戸署長以下富山森林管理署の皆さんと、黒部観光旅館組合に所属する各山小屋・温泉のメンバーとの打合せ会でした。組合には、黒部峡谷鉄道沿線の各温泉の他、阿曾原温泉小屋や池の平小屋等の山小屋そして朝日小屋も加入しています。

 私たちの山小屋には、各方面の関係各省庁や機関と緊密な連携を取りながら、登山者の皆さんの安全の確保やまた高山植物等の自然保護に務める事も大切な仕事として課せられています。

 今回の打合せでは、高山植物保護等国有林野の自然保護について、平成13年度高山植物保護パトロールの結果等々についての各報告と情報交換が主な議題でした。

 富山森林管理署管内全体の集計では、高山植物の摘み取り・踏み荒らし・指定地外キャンプ等などの違反者に対し、指導は対前年比107%、件数で110.9%で、約10%の増加になったという結果でした。 

 ご存知の通り、朝日岳周辺でも昨年7月24日〜8月23日の1ヶ月間に亘り、4名のグリーンパトロールが活躍してくれました。「海の日」の連休の集計が入っていないのですが、白馬・朝日・北又地区方面としては、「高山植物採取」が1件・1名、「踏み荒らし」が15件・37名、「指定地外キャンプ」1件等が報告されました。これは前年比39.5%で、違反が減少したという事は大変喜ばしい事と思います。

 しかし朝日岳周辺は、どこからのルートもアプローチが長いので、予定以上に時間がかかってしまい、指定地外での幕営を余儀なくされたり、ひどい場合には初めから幕営指定地を無視して行動計画を立てているというパーティーがいたのも事実です。

 また写真撮影を目的としておいでになる登山者の中には(もちろん、常識ある方々の方が多いのですが)、ついうっかり登山道以外に足を踏み入れてしまうケースもあるようです。 

 要望として、夏山が一番混雑する「海の日」の連休中にもパトロールを配備して下さるようお願いしました。

 今後朝日岳周辺は、『高山植物の宝庫』として今以上に注目を集めるのではないかと思われますが、「自然保護」や「登山者のマナーの向上」については朝日小屋としても様々な機会を通じて啓蒙啓発に努めたいと考えています。

 それにしても4名のグリーンパトのみんな、朝は小屋のアルバイトのみんなと同じように起きて小屋の仕事をし、1日中山を歩き、夕方から夜にかけてまた小屋の仕事を手伝ってくれました。山を歩いている時も必ずゴミを拾い、昨年は遭難者の救助活動にも協力してくれました。私達はあの若者の仕事振りや活躍を知っているだけに、多くの登山者の皆さんが同じように「かけがえのない自然を大切にした山歩き」を楽しんでいただく事を望みます。

シーズンオフは…

2002-02-04

 「南保富士」から眺める黒部川扇状地   02.1.26

 「ゆかりちゃん、シーズンオフは何しているの?」と、昨年10月に山を下りて来てからいろいろ聞かれます。「モタモタと、いろいろ…」と答えているのですが(笑)。

 やはり家に居れば「主婦」ですので、家事にはそれなりに時間をとられますが、それ以外に『山』に関する仕事が次から次へとあるのも事実です。

 12月は、年賀状の作成に追われました。今までと違って山関係の方への年賀状が多いので、住所録の作成やらに一生懸命でした。年賀状の枚数もかなりありました。

 1月に入ってすぐ、役場(町観光協会)からの依頼で「観光客の入りこみ調査」に手間を取られました。「何処から来て何処へ」「県外県内」等の項目別に、一枚づつ宿泊者名簿を元に集計しました。

 また平日の日中も含めて時々会議が入ります。1月30日は「森林管理署との会合」に出掛けましたが、翌31日は新潟県の糸魚川市役所へ出向き「白高地沢」の橋架けの状況報告。もちろんその為の資料作りにも時間が掛かりました。

 この後は『税金の申告』…。数字に弱い私は、今から「ネジリ鉢巻」で頑張ります(笑)。

 …実は、父・下澤三郎を偲ぶ本を作りたいという事を前から考えていたのですが、いろいろな方々から原稿を頂いて本にするべく、その準備にも取り掛かりました。

 …4人も子どもがいれば、その娘たちの「ああだ、こうだ」だけでも、「あら、た〜いへん!!」

 …もちろん、「管理人の日記」を書き、「掲示板」やメールのチェックは毎日の大切なお仕事。 

 まあ、そんなこんなの毎日です(笑)。でもそんな事をいいながらも、山へ行ったり春の計画を立てたりと、気分転換しながら2002年シーズンに向けて「英気を養っている」私です。

午前中、城山へ

2002-02-05

 曇り空ながら、薄陽射す「鹿島樹叢」の樹林帯の中を行く

 午前中、城山へ登って来ました。今日のお相手は朋子さん、そう11月20日に負釣山へ一緒に登り、帰りの露天風呂ではモデルになってもらった彼女です(笑)。

 お天気がはっきりしなかったので、朝になってから行動決定。家事を済ませて、鹿島神社横の登り口を出発したのは午前10時を過ぎていました。二人とも宮崎地区から歩いて登るのは初めてでしたが、まるで遠足気分で何故かルンルン…。

 初めから遊歩道が整備されていて、余裕を持って歩くことができます。植林された杉の林の中に入るまでの樹林帯は学術的に貴重な植物が混在する為、一帯は「宮崎自然博物館」に指定され鹿島樹叢として大切に保存されているそうです。

 少し歩くと宮崎地区の家々が眼下に見下ろすことが出来、すぐに国道のトンネルの上を通過します。途中からは足元に宮崎港と日本海が広がり、白波を立てて爆走するモーターボートも見えました。

 初めての山道で、「頂上までどれくらい掛かるかしら」と考えながら歩いていると、知らず知らずに結構な高さまで登っていることに気付きました。そのうちに登山道に雪が残るようになり、また傍らに桜の木々が何本も植わっています。

 そこで荷物を降ろしデジカメで、また一眼レフカメラで写真を撮り始めたのですが、じっくり30分以上、本当にキャーキャー、ワアワア言いながら『ちいさな自然』に感激しっ放しでした。名前も知らない「赤い実」、苔むした倒木とそこにかかる雪、キラキラ輝く雪の結晶…。少し明るい光が射したこともあって、二人でカメラのファインダーを覗き見ては、その不思議な世界にしばし引き込まれてしまいました。

 そろそろお腹も空いてきたネ、と歩き出すと、すぐそこに「上ノ山」といわれる「三ノ丸広場」に出ました。なぜかしら外で食べるご飯は、とってもオイシイ!!…コーヒーとサンドイッチ(野菜がなくて中味はハムだけ)、コーンスープ、そして紅茶に柿の種、おにぎりも。

 そんなお昼ご飯でゆっくりした後は、さあ帰りましょうと歩き出してから約15分〜20分、あっという間に登山口に帰着してしまいました。

 今日の私の荷物は約9キロ、城山を登るには結構な重さだと思いますが、カメラや三脚、雨具やポットを入れるとその位になりました。でも「これも訓練」と思うと全然苦にならないから、あら不思議!?…だって「ちょっと朝日の頂上まで」頻繁に通おうと決意しているのですから。

 二人とも大満足!!…近くの自然がこんなにも素敵だったなんて、大きな発見でした。これからちょくちょく来ようネと約束して、足の運動と心の充足に、たっぷり満たされた半日の遠足でした。

朋子さんと

2002-02-05

「上ノ山」での昼食風景    photo by 自動シャッター

 昨年11月の負釣山に続いて、城山へご一緒した朋子さん。彼女は昨年2回朝日岳へ登ってから、本を読んだり少しづつ山の道具も買い揃えたりして、かなり「ハマッテ」いる様子。

 彼女と歩いていると、お互い少ない山の経験が似通っているので無理をしないで良いし、何故かあまり気を遣わないで済みます。そしてお花屋さんに勤めていらっしゃるからでしょうか、「枯れているのもいいなぁ…」と自然を深く感じる彼女の様子が伝わって来て、こちらも山を歩くことが嬉しくそして楽しくなって来ます。

 「平日にのんびりするのは、贅沢だね」と言いながらも、彼女も毎日遅くまで働いているし私もちゃんと仕事をしているから大丈夫、と二人納得しながら(笑)「平日の贅沢」をさせてもらいました。